形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:フィルムアート社
興行成績歴代一位が『座頭市』なのは想像通りとして、それに次ぐのが『龍三と七人の子分たち』『アウトレイジ ビヨンド』なのが意外というか、ああ、そうなのねという印象。自分のベストは『3-4X10月』『TAKESHIS'』『その男、凶暴につき』。
森Pがいないと武に映画撮らせる人はもういなくなってしまうんじゃないだろうか。あと何作か(「ソナチネ」みたいなのを)撮ってほしいのだが、それが実現する日は来るのだろうか?
映画監督だからこそ覚えるアプローチが感じられる。もちろん、南波克行の笑いと死と芸術という観点から北野映画を論じた「『アキレスと亀』と後期『天才バカボン』」など、批評家側にも読み応えのある評論があるにはある。しかし、初期作品やフラクタル三部作における解読の多様性が批評を書く際に必要以上の遊戯を生じさせ、であるならば評論といったカテゴリーではなく、映画そのもので体感したいという欲求がこちら側になぜか芽生えるのだ。それはきっと、北野映画の一番の批評が北野武による映画によって成されているからだろう。(つづく)
本書に話題を戻せば、インタビューを受ける関係者の中で、北野映画から消えてしまった二人の人物がいる。大杉漣と森昌行である。約2年おき、コンスタンスに映画を発表してきた北野武だが、『アウトレイジ 最終章』を最後に新作が観られないまま、3年が経とうとしている。小説にシフトしたからだとか、夏には新作の撮影に入るのではないかだとか、噂は飛び交っているが、映画監督としてのやや長いブランクは、この二人の不在が大きく影響しているような気がしてならない。
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興行成績歴代一位が『座頭市』なのは想像通りとして、それに次ぐのが『龍三と七人の子分たち』『アウトレイジ ビヨンド』なのが意外というか、ああ、そうなのねという印象。自分のベストは『3-4X10月』『TAKESHIS'』『その男、凶暴につき』。