読書メーター KADOKAWA Group

人間とはなにか 上 (ちくま学芸文庫)

感想・レビュー
5

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
Toshi53162606
新着
進化心理学について体系的に学ぶにはもってこいの入門書。素晴らしすぎて、もっと早くに出会えなかったのが残念。 具体的な内容としては、サピエンスとその他の動物とを分けるものを明らかにすることで、「人間らしさ」を再発見していくものとなっている。 サピエンスとその他の動物との違いとしては、左右の脳半球の機能特化(左は言語、右は注意と知覚)、発話と高い精度での道具の扱いを可能にする直立二足歩行、大脳新皮質や前頭前皮質の拡大と、その中のニューロンの接続度の向上がある。
Toshi53162606

また、言語機能をもたらすFOXP2遺伝子や高い知能をもたらすマイクロセファリンとASPMと呼ばれる遺伝子の急速な進化、高い社会的技能と複数の道徳心を扱う脳内の専用メカニズム、情動の抑制や価値観の修正、意識的な模倣と「心の理論」と多岐に渡る。 余談だが、ハラリは『サピエンス全史』の中で人間とその他の動物の違いを「虚構」にしか見出さなかったが、そうした虚構を生み出す前から以上の様な幾つもの違いがあり、ハラリやシンガーの様な動物倫理の研究者達の、「動物を人間と平等に扱え」という主張は全く馬鹿げたものだと言える。

12/09 22:47
Toshi53162606

また、ハラリは家父長制の起源を文化のせいにしていたが、ガザニガのこの本では、家父長制はチンパンジーにも見られる生物学的な基盤に根差したものだと証明している。 高い社会的技能と複雑な連携が可能な動物が常に資源が不足している環境に置かれると、オスは意図的に別の群れの同種を殺し、メスと食糧を手に入れ、メスはそうした凶暴なオスを食糧供給源兼用心棒としてパートナーに選ぶ。 そうした条件が整っているのはチンパンジーとサピエンスだけなので、家父長制は紛れもなく進化がもたらした産物であるとのことだ。

12/09 22:48
0255文字
roughfractus02
新着
他の哺乳類の脳と比較して人間のユニークさを抽出する手続きを踏むと、その先にロボットや人工知能とどう違うのか?という問いも連想できる。つまり、相手を思いやり、コミュニケーション傾向と社会性を作る他者視点取得能力を脳の各部位から取り出すと、人間の脳の特徴(自然淘汰による社会性の獲得、倫理や道徳感情を特化するモジュールの存在、他者に共感するミラーニューロン)は、機械側からどう捉えられるのか?(どの程度再現性があるのか?)と問いたくなる。脳から見た「人間」の定義は、進化の過去と未来の狭間にヒトを位置づけるようだ。
0255文字
Toru  Fujitsuka
新着
脳の仕組みから人間と他の生物の違いについて、哲学や倫理学まで範囲が及ぶオイラには難しい内容だったな 下巻はどうしようかな
0255文字
Carpaccio
新着
読んだよ。読んだけど内容は覚えていない。なははー
0255文字
izw
新着
脳や意識についての書籍を探しているとよく見かけるガザニガだが、なかなか手を出せずにいところ、文庫本が出版されたのを機に読んでみた。人間の脳は、他の動物とは何が異なるのか、社会との関連、倫理・道徳がなぜ発生するのか、他人の情動を感じる能力は如何に役立っているか、など本質的な議論を膨大な具体例を元に、ジョークも交えて軽妙に語っている。最初は図書館で借りて読み始めたが、途中でこれは読み終わってからも手元に置いておくべき本だと思い、購入してしまった。
0255文字
全5件中 1-5 件を表示

この本を登録した読書家

loading...
人間とはなにか 上 (ちくま学芸文庫)評価38感想・レビュー5