形式:ライトノベル
出版社:KADOKAWA
主役になっている所だ。 作者はギャグ作品に振り切っている作品でも真面目な所が見え隠れしていて、今作でも自身の好みとそれを冷静に見る部分でまったく逆の雰囲気のキャラを作っている。 それがなんともバランス良く納まっていて見ていて楽しい。このバランスを動かすことでギャグにもシリアスにも振れる。毛色がちがうように見えて作者らしさが見えた。作者を追って買って正解。
極度の話下手で主人公の九太郎にしか何を言っているか分からないヒロインの岩根さんや、アニヲタ部長の幼馴染として某テンプレ要素を持つ馬越先輩など女性陣が非常に可愛らしく微笑ましいです。この作品は読み切り作品として続刊はありませんが、このあとの物語を読んでみたい、まだまだ彼らの活躍を見ていたい、と思わせるだけのパワーのある作品だと感じました。個人的には、めちゃくちゃ好きです
(続)二人はホームズとワトソンという関係性ながら、互いに役目がハッキリとした上で、終盤はそのワトソンの成長が光る。調べたところ本作は拾い上げ作品とのことだが、個人的には充分に受賞出来る力があると思った。ただ、受賞作に見られる一点突破型の強烈な魅力に乏しいので、受賞を逃したのはそれが原因だろうか。或いはほんの5、6年前ならば結果は変わったかもしれない。とはいえ本作が売れたり受賞したりした場合、奇書に近い次作が生まれなかったろうから、その辺りに何とも言えぬ出版業界の奇妙な巡り合わせを感じる…。
ちなみにカクヨムにて作者がこの続きを公開しているので、好きだったら、そっちも読んで損はない。 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885855392
九太郎がクラスメイトの女子から、アニメに関する謎を解くことを依頼されるのが第1話で、その後も同じような感じで展開していきます。『賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求』とは違い、真っ当?な作品です。日常の謎系学園ミステリと言えなくもないんですが、ミステリとしてはかなり弱いかな、と。謎の解明がアニメの技法によるものではなく、実在のアニメ作品を絡めたものであれば良かったのに、と自分は思いました。デビュー作という事を考えてもちょっと…というレベルなのは残念でした(続く
ただ、第三章で、アニメに偏見を持ち、それが原因で犯罪を起こす奴がいるという教師に対して、阿仁田が<犯罪に走ったヤツは、例外なく足りてないものがある(中略)「規律と道徳を守り通し、今後社会に出るにあたって必要な人間性の成長」です。そして、これらを培うのはどこか?当然、学校…もしくは親の教育でしょう。つまりです、先生。犯罪者が犯罪を起こす根本の原因は、そいつの親か或いは教育した教師に問題があるんですよ」と返した場面には何度も頷きました。
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