形式:文庫
出版社:講談社
形式:Kindle版
あるいは「Sila(シラ・新羅国)」や「Wakuwaku(ワクワク・倭国)」にも言及がある。◆これに対して日本地図。これは、元々は奈良期、公地公民制における土地調査(地籍図)からスタートしているよう。その後、行基図(平安期が初発か)の他、天竺の図も普及した。もっとも、中世末に世界中を帆船が席巻した大航海時代のインパクトには何者もかなわない。◇なお、文庫では掲載されている各地図は小さく、当然に見難い。またカラー版の地図もないので(とくにべハイムの地球儀の世界図はカラーで見たかったもの)、一寸残念である。
◆なお底本「地図の歴史世界編」(ISBN406115768X)と、同「地図の歴史日本編」(ISBN4061157698)の他、1973年刊行の増補前初訂版(ISBN4061169068)あり。
中世を舞台としたRPGに、自動車やコンピュータが登場すれば、誰しも違和感を覚えるだろうが、地図が登場して違和感を覚える人はいないだろう。どころか、地図がなければそもそもゲームのプレイ自体難しい。自分の位置と方位を認識する事は、世界を旅する事をロールプレイするにあたり、如何に大切な事であるかを物語っているだろう。と言うより現実では、RPG程に方角と位置を正しく認識出来ていない。いわばRPGのマップ機能は便利すぎるのである。スマホとGPSにより、かろうじて我々も、RPG的な便利さを享受出来ているのである。
地図とは話が逸れるが、伊能忠敬が凄い。50歳を過ぎてから、暦学を勉強して、測量のために日本全国を旅して回ったなんて、誰にでも出来ることではない。しかもその地図が高精度だと言うのだから驚きである。 こんなことを知ってしまっては、少なくとも50歳までは「私ももう歳だから」とは言えないな。私がこれから何をやるかにもよるが、何であっても伊能忠敬程に凄いことではないだろうから。 励まされる生きざまである。
原始的な地図が発明されて、精緻な地図ができるまでの過程のなかで、マッパ・ムンデイという冒険が始まってしまいそうな地図や、倭国と思しき国が「ワクワク」と記されている地図など、昔の人が世界をどうとらえていたかの研究の対象になるんだろうけど、単純に美術品として見てて楽しそう。
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