形式:単行本
出版社:暮しの手帖社
先日、フジコさんが亡くなられた後に放送された番組を観た。これだけピアノに向き合ってきた方が、最後に「もうピアノは弾きたくない」と呟いていたのが悲しくて仕方なかった。目も耳も殆ど利かない状態で手探りで弾いた最後の曲がショパンでもリストでもなく、モーツァルト(K。331の第一楽章の最初のテーマの所を少しだけ)だったのも少し悲しかった。フジコさんの愛した動物達やピアノやお人形、全ての物がこれからもどうか大切にされますように。
<八月八日(木曜)晴レ 一足先に行ったのに 電車の中で母に会ってしまひました。桑さんの家へ着いたのが四時位で行くとすぐお茶を飲んで 桑さんのおけい古をした。それから桑さんが靑山で同級生の深井さんと言ふ人を呼んで 來て 私のピアノをお聞きになりました。夕飯は コロッケとたまご焼きとコンビーフと 寒天の入ったサラダでした。(何時か母に「あなたは食べる事ばっかり書くのね “ガキ”だから仕様がない」と言はれましたが、これは私はとてもたのしみですから書いて置きます)/それから甘いおいしいドーナツをいたゞきました>。
【クロイツァー先生】<レッスンなんて誰でも受けることができたわけではありません。受けられたとしても、とんでもなく高額でした。でも、私の父がスウェーデンに帰ってしまったのを聞いて可哀想に思ったようで、私には月謝を取らずに教えてくれました。私は彼が教えた唯一の子どもだと思います。/彼にピアノを習って本当によかったと思うのは「歌うように弾きなさい」と言われたこと。譜面通りでなく、音と音の隙間を長くしたり短くしたり、誰かが歌っているように弾きなさい、と。機械のように正確に弾きなさい、なんてひと言も言わなかった>。
ありがとうございます。カラーページや楽譜など、贅沢な作りの本です。カンパネラ、いろんな奏者のものを聴き比べましたが、やっぱ一番フジコヘミングさんのものに揺さぶられましたねえ。フジコさんのを聞いた後では、他のものはただの早くて上手な演奏としか聞けなくなりました。
読みました。確かに、贅沢な作りの本ですね。この本を知人のピアノの先生に紹介しました。生徒に「歌うように弾きなさい」と言われる先生なので、喜んでもらって早速購入するとのことでした。このように、本のご縁が次々と繋がっていくのは、素敵なことですね。改めて、ご紹介有難うございました🙇♂️
イラストレーターにもなれたわよね!
まりこさま、ほんとにセンスよくて可愛らしくて素敵だなーって思います〜✨
清沙さん✽色もカラフルでイラストが実物に忠実で!
それからは海外でピアノを教えながら暮らす。転機は60歳。帰った日本で出演した演奏会で彼女を知った人がNHKでドキュメンタリーを製作し、一躍有名に。
色々経験してきたフジコさんの「おわりに」の言葉の重み。
読書メーターに登録する前に読んでいました。繕い物をして配給を取りに行ってという生活をしながら、ショパンを練習して、さらにこんな絵日記を書いていたんですね。驚きました。巻末のボロボロになった楽譜の写真にも感動しました。
吾亦紅さん、フジコさんのお人形作りや絵の才能、技術面だけではなくセンスの良さにも驚きました。吾亦紅さんは随分魅力的な本をたくさん読まれていらっしゃるようで、これから少しずつ感想を拝見させていただくのが楽しみです。コメントありがとうございました。
フジコさんの背景を知って、フジコさんのピアノがなんかさらに豊かに聴こえる気がする♪
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