「一人の語り手であっても、聞き手との相互行為を通してまず露わになるのは、自己がどのような社会的コンテクストのなかにいるのかというコミュニティ次元での語りであり、それを参照項にして語り手は自己経験の語りを生み出すということである。…さしあたり、一人の語り手のライフストーリーは、語り手がどのような社会的コンテクストを前提としてどのような個性的な語りを生み出すのかを、聞き手との「対話」を通して探ること」(148-149)
「べてるの家の実践が教えているのは、「反省」がむしろ「問題」を大きくして、「問題」に人を縛り付けてしまうようなメカニズムであった。「反省」はそれがうまくいった場合にはポジティブな自己を生み出すが、失敗した場合には、反省する以前よりもネガティブな自己を生み出す」「再帰的自己は、さらなる再帰性の深みの中に自己を縛り付ける。再帰的モニタリングによって修正すること、修正できることが規範化して、それができない場合にはその規範がより一層強く適用される」(260)
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