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1861年 改革と試練の時代 (歴史の転換期)

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igunatu01
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それまで経験したことのないような内乱や敗戦を経験し国家の改革を試みた帝国を主導した側とそれに立ち向かった側、または統一後の国家像が描かれ、それを受け入れるべき存在とされた「国民」側はどのような事情に下に置かれ、その反応はどのようなものであったかが分析された本書。構成の特長として改革のそれも中心に携わった人物の自伝に注目することで改革を主導した側の自己認識と、改革の対象と障害に対しどのような立場に立ち、捉えていたかが浮き彫りにされている第二、三章はこのシリーズの一巻から八巻までにない構成となっている。
igunatu01

またグローバルヒストリーとの関わりでは改革を行う側は常に西洋列強との関係を強く意識せざるを得なかったことに加えて、本書の第三章で指摘されているように君主権力の強化によって改革を推し進めようとした点で、ロシア、オスマントルコの例に顕著に表れているように近代的官僚制を備えながらも、元首を制御できる中間団体が力を失うことで、彼ら改革派の官僚が立場的に元首の寵愛のみが立場を保障するかっての家産官僚(正確な例えではないかもしれないが)的存在になってしまった一方、

09/04 22:37
igunatu01

元首は改革の成果として過去とは比べられない程の財と、人を動員する手段を手に入れそれが現在でも様々な理由からだろうが続いているように見えるところが「改革」=「進歩」と言い難い面を表しているように思える。

09/04 22:38
0255文字
tsuki2b
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中国、トルコ、ロシア、イタリアなどの19世紀末の「改革と試練」。太平天国やロシアの改革なども興味あるところだけど、オスマン帝国の改革に一生を捧げたミドハト・パシャを追いかける2章が良かった。アメリカに向かうイタリア移民の声も面白い。
0255文字
ピオリーヌ
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清朝・オスマン帝国・ロシア帝国・日本・イタリアが取り上げられる。対馬・沿海州・バルカン半島・中央アジアで何れも大きな役割を果たす、ロシア帝国の存在感が印象的。1861年、対馬にロシア軍艦が来航し、半年に渡って海岸を占拠したポサドニック号事件は寡聞にして知らなかったが、当時の日本にとって多大なインパクトを与えた事件と言える。英露の世界史的対立が日本海に持ち込まれ、また自らの力量でそれを解決できなかった(イギリスを通してロシアに抗議を行った)日本の非力さが記憶に残る。
0255文字
みいしゃ
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なんで南北戦争を入れてくれなかったんだろう?
0255文字
MUNEKAZ
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英露のグレート・ゲームの真っ只中、生き残りをかけて体制変革に挑んだ清・オスマン・ロシアの官僚たちや、大国の狭間で翻弄される日本の姿を描いた章が印象的。とくに三帝国の改革は、その後の結末から「無駄」だったと思われやすいが、それでもこの改革があったからこそ、この後150年近くも国家の命脈を保てたのだろうし、彼らの苦闘にも意味があるのだろう。また、複数の論にまたがって登場するロシアの外交官イグナチェフの黒幕っぷりもなかなかであった。他にも番外編的にあるリソルジメント後のイタリア移民たちの相貌も興味深い。
0255文字
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