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承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱 (中公新書 2517)

感想・レビュー
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Zhao
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ネタバレ読了。 原則一次資料のみを参照に上皇が武家のみにより配流されるというエポックメイキングが事変を整理した本書。 客観的に承久の乱を確認できたように思う。
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Tomozuki  Kibe
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再読。いきなり武家政権が朝廷と拮抗しえたわけではなく、頼朝も娘の入内を図るなど朝廷権威に頼っていた。そして三代実朝は公家文化を好み、公家文化の頂点にある後鳥羽の子弟を将軍にもとめ、後鳥羽も彼を認めていた。だがそれは実朝の横死でご破算。両者の関係は冷え、ついに後鳥羽は北条氏を排除することで鎌倉を支配下に入れようとする。だがそれは幕府排除にすり替えられ、北条一族は武士団結束に成功し、後鳥羽を破る。こうして鎌倉は朝廷へ優越していく。やはり幕府の成立とは承久の乱後ではなかろうか。
Tomozuki  Kibe

後鳥羽…正当な王たる渇望←剣・安徳からの継承44p文化芸術『千五百番歌会』 大内裏消失による権威失墜の恐怖116p 後鳥羽 戦術は三段構えで固い158p 鎌倉の勝因1三浦を含めチームを固めて都に攻め上る好判断vs後鳥羽ワンマン170p 時頼の皇族天皇は後鳥羽=実時ラインの「東国の王権」とは別。もはや鎌倉は京都から自立233p

10/25 16:47
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skunk_c
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とても面白かった。長く神奈川県に住んでおり、子どもの頃からちょくちょく歩いている鎌倉が舞台のひとつであり、実朝には文人的イメージが強かったが、政治家としても存在感があったようだ。また後鳥羽上皇が文武両道で強いリーダーシップを持っていたことと、この乱の話になるとつい忘れてしまう新古今和歌集の編纂のこともしっかり記されている。後鳥羽が北条義時を討てと命じたのに対し、鎌倉方がその宣旨を早々に握りつぶし、対幕府攻撃にすり替えて武士達をまとめ、攻勢をかけていくあたりの政略が面白い。時代の転換点として重要な事件だ。
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鮫島英一
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歴史認識を改めるというか自分の知識をアップグレードさせた作品でした。特に注目したのは、「当時の政治為政者が宮廷儀礼を洗礼通りに、手続きを違えず実施するところ」という点。仁徳天皇が民の生活を案じて税を先送りした故事が印象的過ぎて、後の天皇も同じだと思い込んでしたが、どうやら違うらしい。誰に対する政治なのか? という前提がズレすぎて歴史認がぼやけていたみたいだ。なんかおかしいとは思っていたけど、この作品を読んで色々腑に落ちました。
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ja^2
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私がこの承久の乱で着目したいのは、史上初めて(?)武士が朝廷に弓を弾いたという事実である。そしてさらに興味深く思うのは、その結果として武士が勝ったにもかかわらず天皇制というこの国のかたちまでは変えなかったことだ。▼これが中国やヨーロッパなどであったら未来永劫再興することがないように根絶やしにしたのではないかと思う。▼しかし、それがそのまま院政を存続させ、現代も蔓延る老害を許す文化につながっていると見るのは穿ち過ぎだろうか。
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17
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ネタバレ(再読)歌人・定家と道家、帝王・後鳥羽院の和歌と恋を描いた周防柳さんの『身もこがれつつ -小倉百人一首』を読んで補強のために再読。歴史家の解釈を踏まえることで、周防さんが想像した真実の切なさがより鮮明になりました。本書は、結果を知る後世の後解釈で善悪や有能無能と判断することはその時代を生きた人々にとって不誠実なこと、承久の乱の歴史的位置付けの重要さがよく分かる良書です。平家物語等で描かれる源平合戦のエピソード(宇治川の先陣争い等)の原型が承久の乱でのエピソードとする指摘も興味深かった。[2024-035]
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預かりマウス
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承久の乱プロパーよりも前史や背景に力点を置いた丁寧な解説がなされ、予備知識がなくても読みやすいと思う。院政期の始まりから説き起こして、保平と源平の乱、そして後鳥羽院と源実朝の人物像を中心に掘り下げ、そして開戦、京方の惨敗、戦後処理が描かれる。和歌や蹴鞠など文化史の記載も多く、政治史は大局を見失わずにエピソード描写が巧みで、バランスがとてもよい。宇治川の先陣争いなどは源平合戦の再現かと思ったが、実は逆に承久の乱の際の記憶を、乱後に成立した平家物語において源平時代に投影した可能性があるのだという。再読したい。
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ホークス
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2018年刊。平清盛や源頼朝は、まだ上皇に仕える京武者の性質が強かった。実朝が死ぬと幕府は京武者の面を維持できなくなり、衰微を待つか、武の統制者として自立するかの選択を迫られる。承久の乱はその決着点。並行して各地の「武士機能を備える者たち」は、プロの武士へと進んで行く。このプロセスは興味深い。後鳥羽院は優秀だったが、それ故に京方はチームとして弱く、武士の心理にも疎かった。本書は乱のドキュメントも詳しくて臨場感がある。歴史的事象とその影響は予測できない。半端な論理など、いずれ情実に埋め尽くされる。
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むささび
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ネタバレ承久の乱の前後の流れを基底の名称を使うなど詳細に時代背景を知る。年表やピックアップされたキーワードだけの印象だと、後鳥羽上皇が能力の無い者だったかのように受け取ってしまっていたが、むしろ逆で有能だったがゆえ、臣下の気持ちと仲を深める手法や武士の価値観を誤った感が強かった。優秀さは、ちょうど最近後鳥羽上皇の講演を聞いたからの影響もある。講演で知ったが乱の参戦数は過大のよう。もとい、後鳥羽上皇のマイナスな印象が出てきた流れも述べられていた。承久の乱が、日本の歴史において多大な転換点だったというのが強く残った。
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tomatona
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いまだ続いている私の鎌倉ブーム。そして実は後鳥羽上皇配流の地のすぐ近くに住んでいるのに、後鳥羽さんのことをよく知らない、ということもあり、読んでみた。/なるほどね~、こういう人だったのか~!と、とても興味深く読了。
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orihuzakawagon
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頭の中にどうしても『鎌倉殿の13名』の場面が浮かんできてしまい、純粋に読むことができなかった。数年後に読み返せたらいいなぁ。
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健康な馬
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NHKドラマの『鎌倉殿の13人』を観ていたときには気が付かなかった、頼朝が鎌倉に幕府を作った理由や、頼朝が朝廷と距離をとっていたんだなとか、吾妻鏡という北条家が編纂した本があったのかとか。ドラマを観ているだけでは気が付かなかった部分に触れられていて物凄く面白かった。ドラマを観た人は是非とも読んでほしい本
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くに1973
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大河終了とともに 鎌倉シリーズは打ち止めのつもりだったものの武士の時代の本格的幕開けとなった承久の乱が気になり手に取った。 北条義時と後鳥羽上皇の駆け引き、 シビレますね。
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もならのペンギン
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大河復習2冊目。ドラマ終局の承久の乱に至る経緯、乱自体の推移、乱後の変化について。著者曰く、政治面・軍事面だけでなく文化面にも気を配ることが本書の基本軸とあり、後鳥羽の功績など、頷ける内容になっており興味深い。 実朝亡き後、あっという間に頼朝直系の血をすべて葬った政子・義時が恐ろしい。一族間の争いが多い時代とはいえ、政子の思いやいかに。 乱後の秩序が再構築される過程で、敗れ去り・死んでいった人々への追慕・鎮魂という精神的基盤の上に軍記物が作られたとあり、読み始めた平家物語も同じ気持ちを基盤に読み進めたい。
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Jirgambi
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しばらく積読してしまい、鎌倉殿の13人最終回までに読み終わる事出来なかったが、今日ようやく読了。義時の排除を目指す後鳥羽の独断が裏目に出たか。ただ、ここで朝廷が「倒幕」を目指したと後世に解釈され、それを後醍醐が先例として意識していたら…。
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のぶさん
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後鳥羽、実朝、義時で利害が一致(朝廷の権威のもとでの武士の世)していたのに、実朝が暗殺されたことで状況が一変。実朝との協調によって幕府を支配しようとする後鳥羽の計画が成り立たなくなり、義時排除を狙ったのが承久の乱。決して討幕を狙ったものではない。また、後鳥羽にもきちんとした戦略があった。しかし、鎌倉側は義時討伐を倒幕に置き換えて御家人の意思を統一し、速やかに京へ攻め上るという決断がを後鳥羽の戦略に齟齬を生じさせた。従来の通説とは違う説だが、納得性がある。
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夜間飛行
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新古今和歌集の編纂に深く関わり、最勝四天王院の障子に全国歌枕の絵と歌を集めさせた後鳥羽院。その旺盛な活動は常に《幻想の帝国》への夢から発していた。践祚時に宝剣が欠けていたことがこの帝の生涯に大きな影を投げかけていたのだという。承久の乱の目的も倒幕ではなく、王としての統治=公武合体の実現を阻む義時の討伐にあった。乱後、保元以来65年に及ぶ戦乱を振り返る気運が高まり、保元物語、平治物語、平家物語の原型が作られた。平知盛に養育された守貞親王とその子後堀河の宮廷に、平家ゆかりの人々のコミュニティが復活したらしい。
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ももそ
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承久の乱にたどり着くまで長かった。院政の開始頃がら話は始まる。時代背景を詳しく行ってからいよいよ、というこの本の主人公は、後鳥羽院かも。松也さんの顔がチラチラする。有能すぎたために一人でなんでもやってしまう決めてしまう後鳥羽院と、尼将軍政子、執権義時、文官大江広元ほかチーム鎌倉で戦った幕府。ビジネスマンが自分の職場に置き換えてみると興味深く読めるかもしれない。日本人にはチームで戦うDNAが生き続けているのか。後鳥羽が勝てる日本だったら…今と違っていたのかな、なんてあまり関係ないことを思った。
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ジェイドメタル
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後鳥羽、実朝が思ったよりえらい。とはいえチームで機能している鎌倉にワンマンである後鳥羽は勝てなかった。適切な人員が配置されていた鎌倉幕府の勝利で日本の公武関係は不可逆にひっくり返った。
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くまお
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★★★☆☆
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アマギ
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義時追討を、鎌倉幕府に対する敵意にすり替えた政子の演説がすごいという話なのでは…迎撃ではなく攻め込むことを決めていなかったら趨勢がわからなかったのもわりと怖いポイント。 大河鎌倉殿の考証の方。思い返しながら読んだ。大河始まる前に時政・泰時は覚えててもなぜか義時は印象が薄くて覚えていなかったので、さらっとwiki読んだが「配流」を決めたの本当にヤバいと思った。
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さんま
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大河ドラマの最後に出てきた承久の乱について詳しく知りたいと思い手に取った。大河では鎌倉方から見た朝廷が中心となっていて創作の部分も多い。本書は文化の巨人である後鳥羽にフォーカスしていていかに力のあった人物かわかった。実朝についても従来考えられているような人物像とは異なる一面が説明されていて新鮮だった。
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ひつじ先生
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大河ドラマの登場人物に当てはめて読んだ。中世の始まりというか院政のことから承久の乱まで良くわかる。実朝の和歌と後鳥羽上皇の人となりに惹かれる。『吾妻鏡』というのは本当に重要な文献のようです。歴史の本は面白い。
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たかこ
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読みやすかった。文化史が有難かった!
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てんつく
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もし後鳥羽上皇が義時追討の院宣を出さなかったら、歴史は大きく変わっていたのだろうなと、改めて思う。
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Cica
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★★★☆
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大泉
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承久の乱にいたる文脈の整理のため、院政期から武士の勃興までの概略が整理されており、すぐれた中世史入門という趣。承久の乱においては、カリスマ的な帝王だった後鳥羽上皇が、そのワンマンぶり故にある種の分業を成立させていた鎌倉武士たちに敗れる…という構図が明快ですわね。『鎌倉殿の13人』の予習(予習とは…)のために読みましたが、たいへんおもしろかったです。
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槙
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最初に読んだ時より今回の方がよりおもしろく感じた。これも大河ドラマのおかげ。
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inu
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鎌倉殿の13人の副読本として読みました。類書と比べて、院側の背景と承久の乱のその後が詳しく書かれており面白かったです。
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にゃあ
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日本史は義務教育の範囲でしか学んでおらず、鎌倉幕府で想起されるのは源頼朝、征夷大将軍、御恩と奉公くらい。2年前にこの本と同時に「源頼朝」(中公新書)も買っていたのにフリマアプリ経由で誰かの手に渡ってしまった。大河ドラマがクライマックスを迎えるにあたりようやく手に取ったのだが、歴史を知ることは自分の生きる道を決める手助けの一つになるんだと知れたのが収穫。後世に名が残るってのは、常人にはない思考と判断があったからなんだろうな。兎に角「歴史は暗記科目」という先入観は拭わねばなぁ(苦笑
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おかしないえ
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鎌倉殿の13人を見る上で一つの頂点となる承久の乱を知りたくて読んだ。とくに新説が展開されるのではないが、上皇方と鎌倉方の詳細にわたる記述があり、大変わかりやすい本だった。
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ぱなま(さなぎ)
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大河ドラマきっかけで手に取った本。著者の坂井氏は『鎌倉殿の13人』の考証にも入られている。ドラマは文句なく面白いのだけど、やはりフィクションだから端折られていたり脚色されている部分もあるなあと。特にこの本は後鳥羽上皇側がどのように考えて何を目指して政を行っていたのかという点が分かりやすかった。壇ノ浦で神器が失われてしまったことも一種のコンプレックスのようになり、後鳥羽上皇が文化の巨人と呼ばれるまでの八面六臂の活躍ぶりを後押ししたようだと聞けば、何が作用して世の中が動くか分からないものだとつくづく思う。
ぱなま(さなぎ)

悲劇の貴公子のようなイメージの実朝の政治的意志にまつわる再評価も面白かった。あと現代のように医療や衛生観念が発達していないため偶然なのかもしれないが、やはり政治的に転換点となるようなタイミングで突然続け様にキーマンが命を落としたりする展開が頻発するのは、やはり少し穿った目で見てしまう…。いやそれは歴史に残っている事件を遡って読んでいるからだと言われれば、そうなのでしょうが。

11/26 22:48
0255文字
すずゆい
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★★★★☆ たいへん勉強になった。最近気になる歴史上の人物が後鳥羽上皇なので、少し調べてみようとこの本を読んだ。後鳥羽上皇の事もたくさん書かれているし、承久の乱がメインなので幕府側にも多く触れていた。承久の乱を両方の陣営から読むことができたと思う。そして、とても読みやすい文章でもあった。
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みねたか@
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年末に向けた大河ドラマの宣伝に乗せられてちょっと読んでみようかなと手に取った。実朝の目指した幕府とその横死による混乱。いまだ基盤の脆弱な武家政権に対しスーパースター上皇が付け込もうとした御家人間の権力闘争。密使到着のわずかな時間差の影響など。学校で勉強したであろうことはほぼ忘れていたので、それは新鮮に読めました。上皇の思惑とは全く逆に武家の支配を完成させるきっかけとなったこの戦い。バックグランドを得て、遅ればせながら大河ドラマに参戦します。
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EMI
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朝廷の伝統的権威によって幕府の権威が高まり、朝幕の協調が進展すれば、最終的に御家人の利益となる。成人後の源実朝の幕府と後鳥羽上皇の朝廷は良好な関係にあった。親王将軍が誕生すれば、朝幕の協調性が続いただろう。ところが想定外の出来事が起き、後鳥羽は幕府をコントロール出来なくなる。元凶は何か。元凶を排除せよ。ここからは怒涛の展開。幕府は朝敵として追討を受けるという事態に対し、どのような選択をしたか。迎撃か出撃か。一度は防衛に専心する論に決まりかけたが、攻勢をかけるのが最善にして唯一の戦術との結論に達する。
EMI

承久の乱に至るまでの想定外の出来事の積み重なり。そしていくつかの可能性の中から一つが選択された結果。乱全体の勝因・敗因となったのは、実戦経験の有無、合戦に対するリアリティの有無ではなかったかと著者は述べます。また、神器なき践祚であった後鳥羽のバックグランドを、神聖にして正統な王という概念で語ります。お得な一冊と言えましょう。

10/22 12:05
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buchipanda3
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大河ドラマもいよいよ最後の見せ場へ。その仕上げの一つとなる承久の乱について、ドラマの時代考証を担う著者の本を読んでみた。鎌倉と後鳥羽上皇の対立はどういった流れで生じたのか。カギとして上皇と実朝が望んだ統治構想を丁寧に読み解いていたのが興味深かった。正統な王たる理想像を追求した上皇、幕府内院政を目指した実朝。二人の構想は同じ方向で、義時も尽力する。しかし事件が起きて頓挫(著者は義時黒幕説を否定)。理想が潰え、後は両陣営の思惑は噛み合わず決戦へ。一つの出来事が大きく左右することに改めて歴史というものを感じた。
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keisuke
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義村の魅力すごいんだな。
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さよなら!僕のマクガフィンたち
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日本史、殊、鎌倉時代については無知極まりなく。今年は 『鎌倉殿の十三人』にハマりにハマりまくってしまい、本書を手にしました。大河でもクレジットとして名前が出る著者ですね。三部作の一冊目でしょうか。 オッケー承久の乱までの流れ、そして承久の乱後の武家公家の力関係の逆転などそのインパクトは掴みました。 個人的には、実朝といい後鳥羽といい、和歌などの文化に造詣が深い権力者に魅力を感じてしまいますね。 僕の中では、承久の乱の敗北で何となく間抜けな印象のある後鳥羽の再評価もできました。
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承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱 (中公新書 2517)評価70感想・レビュー213