形式:新書
出版社:中央公論新社
後鳥羽…正当な王たる渇望←剣・安徳からの継承44p文化芸術『千五百番歌会』 大内裏消失による権威失墜の恐怖116p 後鳥羽 戦術は三段構えで固い158p 鎌倉の勝因1三浦を含めチームを固めて都に攻め上る好判断vs後鳥羽ワンマン170p 時頼の皇族天皇は後鳥羽=実時ラインの「東国の王権」とは別。もはや鎌倉は京都から自立233p
悲劇の貴公子のようなイメージの実朝の政治的意志にまつわる再評価も面白かった。あと現代のように医療や衛生観念が発達していないため偶然なのかもしれないが、やはり政治的に転換点となるようなタイミングで突然続け様にキーマンが命を落としたりする展開が頻発するのは、やはり少し穿った目で見てしまう…。いやそれは歴史に残っている事件を遡って読んでいるからだと言われれば、そうなのでしょうが。
承久の乱に至るまでの想定外の出来事の積み重なり。そしていくつかの可能性の中から一つが選択された結果。乱全体の勝因・敗因となったのは、実戦経験の有無、合戦に対するリアリティの有無ではなかったかと著者は述べます。また、神器なき践祚であった後鳥羽のバックグランドを、神聖にして正統な王という概念で語ります。お得な一冊と言えましょう。
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