形式:単行本
出版社:白水社
仲間を奮い立たせた。その際役立った弁舌は若い頃に馴染んだハスラー生活仕込みであったが、詐欺師の類と一線を画したのは自身のそして父譲りの黒人としての自尊心と、仲間を思いやる広い義侠心のお陰だった。論敵に対しても寛大であり、相手の主張が筋が通っていると認めたときには、率直に自身の主張に取り入れる柔軟性を持っていた。相手が有名人等ではなく駆け出しの若い人物であっても同様であった点、それが筋金入りだったことを物語る。暴力については、日頃の勇ましい言説にも関わらず実際には慎重で、LAで仲間のストークス(続
が警官隊に殺された時、激昂して暗殺隊を組織しようとした以外は暴力に頼る姿勢を見せなかったのは特筆すべきである。/勿論、彼も聖人君子である訳ではなくその欠陥は個人的生活に皺寄せされている。放蕩時代、女性に手酷く裏切られた経験から女性を見下す様になり、結婚後は子供が産まれる度、仕事にかこつけて妻子から身を遠ざけると言う信じられない行為を繰り返している。また他人の嫉妬心や劣等感に無頓着であり、信者獲得成功や自身が世間の注目浴びることで教団本部の幹部に妬まれ陥れられる点について有効な手を打てなかった。(以下下巻)
生きたという事実に『自伝』を読んだ時以上に感動できるはずだ。
書きたい事は山ほどあるが、それは読んでのお楽しみとしておきたい。
カシアス・クレイもそうですね。そういえばスティーヴ・ジョブズも若い頃はヒッピー・カルチャーの首魁でしたし、氏素性よりも独創性を重視するのがアメリカ社会ですね。
モハメド・アリもマルコムXの影響で改宗してたんですね。差別的なキリスト教に対して人種問わずなイスラム教は求心力が強かったらしいですね。学がなくともチャンスがあるのはアメリカン・ドリームの一種と言うんでしょうか。
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