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中島敦の朝鮮と南洋: 二つの植民地体験 (シリーズ日本の中の世界史)

感想・レビュー
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mi
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5章からなるが朝鮮について書かれているのは1章のみ、あとは南洋のこと。第1章がやはり飛び抜けておもしろく、質がまったく違う。少年期を京城で過ごした中島敦の著作物から、植民地で目にする日常(不条理な日常)を感じることができる。朝鮮人巡査の苦悩や両班子息である同級生の支配者的言動など。文学としても当時の風俗や文化を知れる読み物としても非常に良かった。
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つくし
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タイトルには中島敦とあるが、評伝的なものではない。むしろ中島敦「光と風と夢」と起点にしているというのが正確だと思う。
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Hiroki  Nishizumi
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「光と風と夢」を読んでないとダメかなと感じる。著者の思い入れ強すぎるかな。
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なおこっか
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少ない資料ながら、朝鮮時代の中島敦に触れているのが有難い。南洋においては、中島敦自身の記録のみならず、世界の動向を述べた上での説明が丁寧。更に『光と風と夢』と実際の記録との比較や、土方久功氏との視察行など、読んで楽しくなってしまう。コレクター「クバリの伝記」、中島敦の筆で読むことができなかったのが本当に残念。中島は人権や平等についての深い理念は持っていなかったが、植民地の人々も個の“生命”として見つめていた。どの国の人であろうと“生き方”に惹かれるか否か、が彼にとっては重要だったのか。
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月をみるもの
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後半ほとんど中島を離れて、南洋と日本の(太平洋戦争前からの)関わりの歴史、、、という趣になってしまうが、これはこれでめっちゃ面白い。どっかの記事に書いてあったが、中島敦は太宰治/松本清張と同い歳なんだそうな。戦後まで生き延びてくれたら、南洋を舞台にしたすごい作品も続々と生まれたに違いない。「クバリの伝記」が書かれていたら、スティーブンソン(光と風と夢)どころではない傑作になってたはず。。 http://www.num.nagoya-u.ac.jp/outline/report/pdf/020_01.pdf
月をみるもの

まさに僕も(ほかの多くの人たちも?)そういうイメージでした。

04/06 09:33
Koning

ぼんやりとそんなイメージで固まっちゃってるんですねぇ(自分だけじゃないのに安心する小市民

04/06 09:35
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曲月斎
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朝鮮で育った中島敦が、持病の喘息の転地療養も兼ねて、パラオの南洋庁教科書編纂掛に就き、南洋群島に赴任したのは1941年6月。で、帰国が42年3月。書名の「2つの植民地体験」といっても、朝鮮と南洋では重ねたものも、時の状況も違い過ぎる。「光と風と夢」「環礁」「南島譚」などを素材に、日記や行状を綴ることを通じて、中島と現地住民の距離感を探る。ただ、中島は南方に短期間しか在島しておらず、WWⅡ緒戦の時期でのわずかな経験で描き切れるだろうか。独英米の相剋期のR・L・スティーヴンソンの経験と比べるべくもないが。
曲月斎

ま、回りくどい書き方をしましたけど、「独英米の覇権争いの後、漁夫の利で支配権を得た日本が何をやったのか、きっちり読みたかった」ってことです。

03/13 12:35
曲月斎

飛び石作戦で読み継いで来た南方系の本もこれで小休止。

03/13 23:07
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Satsuki
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中島敦の著作も取り上げ、伝記や文芸評論のようでもある。ファンの人にはいいだろう。少年期を過ごした朝鮮を描く作品は「複眼的で陰影に富んでいる」のに、赴任した南洋の人々を描く作品は平凡な「南洋の土人」像。著者はその差を、前者は後に反芻してから書いたため、後者は「生」のままの体験であるためとしているが、そんなものなのか。
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