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占いをまとう少女たち 雑誌「マイバースデイ」とスピリチュアリティ (青弓社ライブラリー)

感想・レビュー
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センケイ (線形)
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占いやおまじないの的中や効能をよそに、社会におけるその意義がよく分かる本だった。信じることで積極的に行動できるという面や、かつて共同体を形成できていた面、不安定な社会を生き抜くための伴侶の一つと、その役目は年代とともに推移しつつも多岐にわたってきたというのだ。
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owlsoul
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かつて世界を構築していた宗教の力は合理主義の台頭により弱体化し、人々は「個人」として複雑な世界に投げ出された。個人はアイデンティティをDIY的に構築する必要に迫られるが、それは簡単なことではない。そこで不安な個人は宗教へと回帰するが、その過程で宗教は「商品」のように個人が選択し消費するものへと変化した。現代の少女・女性たちにとって、その役割を担ったのは「占い」であると著者はいう。既存宗教が歴史的な女性蔑視を内包していたのとは対照的に、個人を尊重する占いは女性たちを引き付け、やがて一つの文化圏を形成していく
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masoho
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あまり少女には肉薄していない、外側から見た解釈にも思える。おまじないの手作り欲求は、ケータイで着メロを1音1音打ってたのと同じ呪詛だと思うけども、論旨とは違うか。もっと泥臭い話かと思っていたけど宗教やジェンダーなど、広くその影響を示したという感じか。
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うちこ
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著者はもともとオウム真理教に強い関心があって、オウム真理教では「救済」の名のもとに暴力(テロ)にまで発展していったのに対して、なぜ同時代の「おまじない」はそういう方向へ行かなかったのかという点に注目し、この本をまとめられています。 題材の割には視点が冷静なので、なんでだろうと思っていたら、そういうわけなのでした。その15年以上のモヤモヤに、この一冊の本が多くのヒントをくれました。おもしろかったー!
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ろばみみ
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第一章が難解すぎて永遠に先に進めないかと思ったが後の章はするする読めた。私はマイバースデイの80年代のライトな読者で、そこから納得出来るところもあったが違うと思うところもあった。バブル崩壊を初めとする社会情勢の変化の影響への言及が薄いが、そこを追求したら本の厚みが倍になるのかな。基礎的なまとめとしてよく出来ていると思う。
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cottontail
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本作中の論の展開については個人的には疑問というか疑義が多い…のだが、中で引用されている過去のマイバースデイの記事がクリティカルヒット。「ダイヤルゼロはラブのオー」、覚えてるよ……
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ネコネ
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webメディアで知った著者のお話に惹かれて。久々に触れた学術論文な文章、学部生気分に。 認知外の雑誌だったけれど、占い当たってる〜嘘だ〜くらいの話題は普通だった同世代かな…地域差とか環境の違いはあるだろうけど。その時は気付かないけど顧みると社会は動いていて人の気持ちもつられて変わっていたんだな〜という事を客観視できる本。対処療法っぽい機能としてのスピリチュアルのはたらき。人が社会で生きるのには、ヨスガが必要で。なんで必要なんだろうとは思うけど、多分多くの人には必要で。現代のヨスガの耐久力は弱いんだろうな…
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Olive
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なぜ占いやおまじないは、少女たちをひきつけたのか。それはどのよう内容で、社会的背景があったかを1980,90,2000年の「マイバースデイ」をもとに考える。 占いの専門家によって方向性は示しながらも、あくまでもその解釈を読者自身の手にゆだねることでその市場化を促した。これは既存の宗教が形を変えて現代社会に現れるということだという。面白かった。マイバースデイと共に育ってきた私は、50過ぎた今でも占いが大好きだ。 年代毎の差異をこうして俯瞰してみると、社会学面白いぞ、と思う。
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∃.狂茶党
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占い雑誌がコミュニティーとして機能していた様子と、その変容、少女たちの精神世界への参入などを綴った本。 大変興味深いのですが、もっと多角的にもっと深く掘り下げて欲しい気がする。 魔女は現在、カウンターカルチャーの巨大な領域を占め、世界に対して異議を突き立てているのだが、雑誌『マイバースデイ』の、「白魔女」という概念は、少女たちをはげましつつも、従属的な性であることについては、妥協策しか示せず、少女は恋に生きて、可愛らしくあれという、はなはだ保守的な傾きを強化するものであったようだ。
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今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
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メモ:匿名性に耐えられなくなり、生年月日は個人特有のもの
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swingswimmer
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少女向けの占い専門誌「マイバースデイ」を軸に、主に女性のあいだで流行した「占い/おまじない」を、時代ごとの変遷や社会背景、「宗教ブーム」との比較から追った一冊。単著としては全体的に分析が粗い印象だったが、近代化に伴う宗教の位置付けの変化やジェンダー観の更新との呼応、近年のスピリチュアルの動向分析など取り扱われている先行研究や論点は面白かった。占星術の学問的側面から距離を置いた「しいたけ占い」、SNS上での類型診断ツールの流行など、最近の潮流にも当てはめて自分でも考えてみたい。
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貴船綏子
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まさに80年代買っていたので内容と雰囲気は良くわかる。90年代以降になって買わなくなって、最近の占いの雑誌ってどんなの?と同世代と話が出た時に「心理テストみたいなのばっかりになった」と言っていたのはこうことだったんです ね。主観的になんとなく知っていることが学問的に検討すると、こういう風に分析されるのか…と感慨深いです。
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エルナ
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雑誌マイバースデーを中心に、占い/おまじないブームについて社会背景と絡めながら丁寧に考察。80年代の記事と90年代の記事では結構顕著な差があってびっくり。90年代的な考え方(テストとか科学的とか)は私もよくしてしまいがち。占い好きですが、周囲を見ていると00年代のスピリチュアルブームの影響が濃いのは肌で感じるところです。タイトルだけ見て軽い読み物かと思いきやしっかりとした論文(研究)でした。時間があるときに再読したいな。
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cbpalace
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Twitterでフォローしている橋迫先生のご著書。雑誌の紙面を作り手の意図と読者の需要で正確に切り分けることは不可能だが、投稿欄の分析等を通して、考察対象である少女たちの姿が浮かび上がってくる。少女たちがおまじないを自作するなど、占い/おまじないが必ずしも権威に属するものではないことが意外。占い/おまじないに縁遠い人ほど固定観念を覆され、収穫の多い読書体験になると思う。欲を言えば90年代の変化(特にスピリチュアルへの傾斜)についてはもう少し解説を加えてほしかったが、本書の枠組みをはみ出すかもしれない。
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西野西狸
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ネタバレ冒頭でバーガーの世俗化の議論を持ってきたうえで『マイバースデイ』という少女を中心に読まれた雑誌の検討をおこなっていく。そこからマイバースデイが少女が世界を生きるための認識の地図を提供するだけでなく少女たち自身によって作り上げていくための共同体であったことを論じる。また読者投稿によって恋愛をキーとした共同体が構築されていったことも明らかにしており面白い。また鏡リュウジは名前をよく見るがどのような人物なのか知らなかったので彼に関する考察もあり非常に面白かった。
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ekoeko
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MB,ただただ懐かしい。高校生の頃、感化されて毎日の運勢に一喜一憂して運勢の通りに行動したりしていたのを思い出した。本の内容的は難解。
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luadagua
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「マイバースデイ」は小学校高学年から高校まで購読しており(「Lemon」も同時進行)その後は「Elfin」「MISTY」から「Fili」まで、この本に書かれている道筋をほぼそのまま辿ってきていた自分に笑えた。少々読みづらかったけれども、読んでいていろいろ思い出すことも多く、懐かしかった。自分にとって「マイバースディ」から受けた影響は計り知れなく、本当に大好きな雑誌だったので、最近の復刊はうれしいです。ところでバーガー氏の「DIY宇宙」の考えはいいな。
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チグリス
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ツイッターの喧嘩番長橋迫瑞穂先生の初めての単著ということでお祝いがてら(というのも変だけど)若干私のフィールドに掠るのでなにか参考になる知見でもあればと読み進むもなかなか論旨が頭に入ってこない。原因は「占い/おまじない」というキーワードがあまりにも頻出することだと思う。たとえば19ページ後半わずか8行で5回、これじゃノイズですよ。
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サイバーパンツ
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「白魔女」という理想像を目指し、読者が投稿で繋がりながら、学校という修練の場に向き合っていく80年代、場当たり的に学校を生き抜くための現実的なツールとして使われる90年代、80年代ほど強固でないにしても90年代に後退していた宗教的な世界観が復活し、成人女性を主たる担い手として能動的な広がりを見せる00年代と、年代ごとに占い/おまじないイメージの変遷を追う。理想像としての魔女≒学校≒社会へ同一化させるものから、わたしという魔女のための防衛・強化魔法へと変わっていく一方でジェンダー観は固定的なようだ。
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JunTHR
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面白かったー!!著者のことは、ツイッターでの「反ニセ科学」や「反・反ワクチン」過激派の医師やジャーナリストたちとの論争で知り、考えを揺らがせられるほど大変に啓蒙されたので、単著を楽しみにしていた。 「マイバースデイ」の存在すら知らなかった自分にとっては、具体的な記事や投稿内容自体で驚いた。全体的に非常に明快なので、学術的な内容ながら、素人にとってはその読みやすさが有難い。 個人的には「マイバースデイ」の当時のハードコア読者たちのインタビューは是非読んでみたいと思った。
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at@n
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マイバースデー読者ではなかった自分も80年代からの「占い/おまじない」カルチャーにどっぷり浸かっていたのだと再認識した。学校=社会で生き抜くための少女たちの切実さを読み解いていく筆者の筆致は丁寧で優しい。
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