形式:新書
出版社:光文社
さらに、日本企業の成長戦略としても、将来の有望産業・技術は何か?といったアプローチがあるが、別の観点からの議論、すなわち、最終製品、部品、補完財等の産業生態系、バリューチェーンにおけるポジションに関する議論も必要であり、これは産業や技術には依存しない。 新興国メーカーの最終製品になくてはならない一部として組み込まれ、彼らの製品の価値が高まる製品(補完財)をつくることで共存共栄を図るとともに、製品価値を高めるコア部品として多様なニーズが集約され、技術革新が進む「技術集積装置」の地位を狙うという観点である。
ただし、補完財であれば技術集積装置になるというわけではない。最終製品製造者の要求通りに特注品としてつくるのではなく、その要望に応えるものをいかにして標準化の考え方を採用して作れるか、最終製品と補完財のインタフェースのルール化、モジュラー戦略が必要である。
モジュラー戦略:標準化と特注化の両立。活用と探索の二刀流マネジメント:既存の成功した技術の技術的限界と台頭してくる新技術への対応。盛衰の根本原因-日米における開発主体の違い。大企業を顧客にする米国工作機械メーカーと違い、中小企業を顧客にする日本工作機械メーカーはNC装置の開発をエレクトロニクスメーカーに依存。標準化と特注化の二律背反をソフトのモジュール化で両立。CNC装置と工作機械の補完的関係、ノウハウが蓄積され技術水準が向上する好循環の共進化サイクル。パソコンとの融合による工作機械のデジタル化と知能化。
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