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お砂糖とスパイスと爆発的な何か—不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門

感想・レビュー
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たろーたん
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面白かった批評は『サロメ』と『アナと雪の女王』。『サロメ』はファムファタル的な男を破滅させる魅力的な女性として描かれてきた一方で、女性に対する恐怖と嫌悪を体現するものとしても描かれている。実際、『サロメ』はヒロインが偉大な予言者を破滅させた後、ヘロデに殺されることで家父長制的な秩序が回復されるという読みもある。ただ、フェミニズム的な読みもあり、サロメを世紀末に社会の決まりに反逆した新しい女性と考える読みもあるそうだ。つまり、主体的な性的欲望を持って家父長制に刃向かい、(続)
たろーたん

エルサは山に引きこもり、変身するが、突然ドラァグクイーンみたいなお洒落なドレスに着替え、さらにものすごいクリエイティヴィティを発揮して氷の城を作る。後にアナがエルサに会った時にはその変わりようにびっくりするが、これはカミングアウトして家出した家族に久しぶりにあったらゲイっぽくキャンプでアートな感じに大変身していたみたいなものだ。結局、この映画はエルサを迎え、スケートリンクや公共彫刻を作ることでエルサが評価されることから「マイノリティを包摂して世間に対する責任を果たしてもらおう」

12/27 16:05
たろーたん

「一人は寂しいから社会が家族と関わってこそ幸せ」みたいな落としどころに持っていくため、著者は押しつけがましいと否定的に見ていたが、私は面白いと思った。あと『すばらしい新世界』で、「子供を産まないのは何かを失っているのではないか」みたいな反ディストピア側の主張が、非常に女性差別的で嫌と言っていた。まさに妊娠や出産を支配する発想の裏にある性的自己決定権を奪う男性中心主義的発想という訳だ。

12/27 16:05
5件のコメントを全て見る
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いくみ♪
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北村さんの本3冊目。私がフェミニズム的な本が面白いと思うのは、ものごとや世界の違う角度での見方を教えてくれるからだ。そしてその根拠を理論的に説明してくれるから。色んな考え方があるんだなあととても勉強になる。
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若菜
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「チェーホフの登場人物はみんな詰んでる」で紅茶吹いた。
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百年の積読
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フェミニズム的、ジェンダー的視点から作品を読む面白さが伝わってきて、読みたい本や観たい映画が増えた。文章はリズムが良くユーモアがあって読みやすい。とくに「キモくて金のないおっさんの文学論」は面白く、紹介された「ゴドーを待ちながら」と「ハツカネズミと人間」を読んだ(ただこれらの主人公には「キモくて金のないおっさん」よりも「弱者男性」の呼称の方が合うと個人的には思う)。最近私小説界隈では「キモくて金のないおばさん(又は弱者女性)」が主人公の文学も増えており、ダイバーシティは局所的ながら増しているようにも思う。
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はるき
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 感想と批評の差に慄く私。楽しいとか、なんか好きとかではなく、何故そう思うか論理を組み立てるわけか。参考になります。
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つらら@京都_セカンドデスク
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ものすごく面白い批評。文学、映画、舞台をフェミニズムという観点から批評している。今まで興味がなかった作品(いわゆる名作)にがぜん興味が湧いて、いきいきとしたものに感じられた。読書案内として軽い気持ちで読むのもおすすめ。
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keepfine
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刊行当初、その年の人文書として評価が高かったので読んでみた。2章まで読んだ。フェミニストにとってのファッションやバーレスクが自由な自己表現との捉え方は納得。著者の文化的素養にはただただ驚くばかり。ちなみに、古典において金がなくてキモいオッサンのモチーフが頻出だったことは意外。
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アイスおいしい
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読んだことがない/観たことがない作品の批評ばかりだったが思いの外楽しめた。 私も自分の偏見や固定観念から脱却して作品を味わって、なぜ好きか、なぜ嫌いかを言語化できたらもっと楽しいだろうなと思った。
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doapon
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ブックガイド、鑑賞ガイドとして、また作品を多角的に読み解く方法を提示してもらえて、とても役立つ&ありがたい。
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aki
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マイノリティは必ず包摂して世間に対する責任を果たしてもらわなければいけないし、ひとりは寂しいから社会は家族と関わってこそ幸せ、みたいな落とし方はちょっと押し付けがましいと思います。-137頁 (理想宮か、公共彫刻か? 『アナと雪の女王』)
aki

女にも性欲があるし、また性別や性的指向を問わず、親密で意義のある愛情関係を築くことを重視する人は多いはずです。インフラとか力仕事をする人がいないから女だけのコミュニティなんか成り立たない、というのは、女性差別であるだけではなく、男を単なる道具としての機能に押し込めるような発想だと思います。-210頁 『女だけの街を考える』

04/25 20:59
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ネギ
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フェミニズム本として書かれた本を手に取り、自分の置かれている境遇について考えることはこれまで幾度もあったが、「一見そうではない物語をフェミニズムの視点から読む」という試みは、これまで考えてもみなかった。 有名な作品のあれもこれも、昔読んだあの本も、フェミニズムの視点を持ち込める可能性を秘めている。 まだ自分で探してきた本からその入口を探すのは難しそうで、まずは紹介されている作品たちに触れたいと思う。
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みつえ
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パンチのきいたタイトルと表紙に惹かれて手に取ったら、まさかのフェミニズムでした。冒頭の批評の話は面白かったし、警戒していたよりは柔らかめのフェミだったのでなんとか読破。アナ雪の考察が面白かったです(´・∀・`)
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ひるお
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フェミニスト批評入門。シェイクスピアやオスカー・ワイルドといった古典作品から、「アナ雪」『ダウントン・アビー』などの近年の話題作までが取り上げられており、女性をめぐる諸々のステレオタイプはもちろんのこと、トランスジェンダー表象、ルッキズム、ホモソーシャルな関係性など、ジェンダー/セクシュアリティに関するひと通りの論点を押さえられる。ジェンダー論や表象文化論などに関心のある人が最初に手に取る本としても最適。著者のより専門的な著書も読んでみたい。
ひるお

日本でもダイバーシティやインクルージョンが重視(?)され始めているが、それが果たして人権や社会正義のためなのか、マイノリティをも“生産性”の中へ取り込み、すべての人間を漏れなく戦闘員にするためなのか、怪しいところだと思っている。ダイバーシティはすでに存在/成立している。これまでの社会がそのダイバーシティを認めずにきたのだということを素直に省み、あらゆるバリアを除去することはいいが、それは、すべての人間を競争に組み入れることであってはならない。

12/10 19:58
ひるお

本書を読んでいちばん興味をもった作品は『バニシング・ポイント』。

12/10 19:58
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tb
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映画や小説のフェミニズム的視点からのライトな批評集。 「性欲」がイギリス文学においてどのような描かれ方をしてきたかを振り返る章が面白かった。 中世ヨーロッパでは女の性欲は強いので管理されなければならないと考えられる。18世紀末のイギリスでは潔癖な性道徳が称揚されるようになる。ビクトリア調の終わりまでは慎み深く主体的な性欲をもたないヒロインが持て囃される。世紀末になると男性の美貌を評価対象にする現代風のヒロインが出てくる。 そういう時代の流れを踏まえて「今」がどういう状況にあるかを考えるのは面白い。
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かわかみ
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筑波大学図書館
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あーちゃん
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物語をしっかり読み込んでいろんな知識のもとに自分の感じ方を文章にすることができたら、読書や観劇がもっと楽しめるんだろうなと思った。
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薄明
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小説・戯曲・映画等の作品をフェミニズムの観点から読み解くもの。著者の専門はシェイクスピアのフェミニスト批評とのことだ。内容も興味深いが文章自体の印象も強い。事象をあるアスペクトから分析することで真理のひとつの側面を描出するような帰納的な語りは人文科学ではよくあるものだし、語り手の情報を組み込んで視点を明示し対象範囲を限定することで情報の精度と密度を引き上げる語りは女性同士の会話では珍しくない。ただこれは経験上、非論理的だの感情的だのと曲解されて絡まれる率は跳ね上がる。それでも敢えてそうしているのだろう。
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dendoh
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『批評』というものを知ったのは北村紗衣先生のおかげ。購入当初は理解できなかった話も多かった。数年越しに完読したけど、前提となるジェンダーやフェミニズムの知識が増え、様々な批評と触れ合っている今となっては腹落ちする話ばかりだ。犯人を創作者、探偵を批評家という例えはかなり秀逸。批評は高度に知的な遊びだ。こんなに面白いものはない。
dendoh

個人的に北村紗衣先生には、もっとアニメや漫画の批評をしてもらいたい。本人の言動を見る限りそれなりにサブカル系もいけるというか、そもそも鑑賞してそうなのだが、対外的には殆ど発信してないように見えて悲しい。

07/22 18:47
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圓子
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やっっっと読んだ!おもしろかった、というよりヒントがいっぱいだった。偏ってはいるが、わたしも舞台作品をみることが趣味のひとつ。ちまちまと感想を残しているものの、いつもどうもまとめきれずに歯がゆい思いがある。覚束ない記憶による『レポート』は書きたくないし、よかったばかり並べるのは嘘だし。批評には届かなくても、自分が何を軸に作品をみているのか意識して怖れず書いてみようと思った。
圓子

本書で取り上げられている作品、当然ながら、知っているものについてはよりおもしろく読める。そうして私は嵐が丘女である。

07/30 01:45
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ゆゆ🩰🏳️‍🌈🏳️‍⚧️
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『批評の教室』がかなりよかったので…! よくも悪くもネットメディア連載なのだけれど、キャンプの項や女性の性欲の話などはかなり面白かった…! さえぼう先生、すごく駒場的なひとでそういう点でやはり方法論とかやってることに親しみを覚え、また、ゆるくみえるこの著作の背景にはいろんな勉強の成果が盛り込まれてるんだな、という点に戒められ…
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koy_ou
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面白い
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ちはるん
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どれもめちゃくちゃ興味深いけど、アナと雪の女王のクィア批評が特に面白かった。アナ雪2についてはどう捉えたのか気になりすぎるけど2019年に現代ビジネスで北村先生の記事が出ていたので、これ読んだ人はみんなそちらも読みましょう! パズラーマン批評の「キャンプ」概念、宝塚の演出家にも「キャンプ」好きな人いるよね〜と思った。
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くらげ
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『批評の教室』がおもしろかったのでこちらも読む。その作品が好きでも嫌いでも、より興味深く読むことができるのはいいなあ。読み進めるうちになんか引っ掛かるけど、そういうものかと流していたようなことが色々思い出された。自分が引っ掛かっているということを大事に、もっとよく見つめてみるのもいいのかもしれない。軽い文体で書かれていて楽しく読めた。「文学なんて役に立たない?ご冗談を」文学の力をもっと信じることができた。
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ちとせ
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マープルを読むつもりはあるので、クリスティの章は飛ばしました。後で読みます。なるほどと思う章も自分は違う意見だなという章もあり、本と対話しているような気分でした。ひとつの主題をもっと掘り下げた話も読んでみたい。最近いわゆる古典名作を読むのが好きですが、作品との距離の取り方や読んで感じたモヤモヤを言語化する方法を学べた気がします。
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みお
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トランス女性の起用で評価された映画さえも女性をステレオタイプに扱い、男性に都合の良い描写が含まれることや、アナ雪のエルサが辿る運命を「公共彫刻」と表現するなど、性に対する凝り固まった価値観の根の深さを多岐にわたる作品を例に批判する。特に「女だけが住む街」を題材にした作品を取り上げながら、結局のところ性別や性的指向を問わず、我々には親密で意義のある愛情関係を築くことが必要なのだと、言葉を選びながら男性も養護する姿勢が印象的だった。
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ayako
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自分でも知っているメジャーな映画や昔話をフェミニズム的に見ると、今までの捉え方の全く違って、新しい視界がひらけた。興味深い。
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はるなつ
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もともと映画見た後はこの人の映画評チェックしてるし、知ってる映画ドラマも多くて楽しめた。その中でも、この本きっかけで見たファイトクラブのところがいちばん衝撃だった! エターナルズとかNOPEのときも思ったけど、見た直後に北村紗衣の映画評読むともう一回見たくなる〜。嵐が丘のところだけ読んでない(読んでから読みたいと思いながら積読しているため)けど、他は知らない作品のところも全部読んだ。演劇とかアクセス難しいのもあるし。みんな書いてるけど、シェイクスピアとか古典に興味が湧いていいね。
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1700
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面白かった!フェミニズム批評は以前から知っていたが、平易な言葉でわかりやすくかつ熱く語り直されていてすごくよかった。古典はあまり読んだことがないので興味が出た。
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あきら
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シェークスピア研究をしてる北村紗衣さんの、初心者にも優しい批評本。 取り上げられてた本をいろいろ読んでみたくなった(ので良い批評が詰まっていると思う)ので、さっそくマーガレット・アトウッドの作家ガイドと処女作を借りた。 現実世界を鋭く諷刺した作品でも、女性差別はそのままなのあるあるだよな〜と思った
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へ
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フェミニズムの視点で文学や映画を批評したコラム集。アナと雪の女王で、エルサの力は社会に還元されなければ価値がないという方向に着地する点から、エルサがありのままに(let it go)自由になったとは思えないと著者は述べている。またシンデレラのようなディズニープリンセスは女の子の憧れであると同時に、小さな頃から「魅力的でなければいけない」という強迫観念を抱きうることも指摘されている。
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どり
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知らない本が多く、古典文学への自分自身への造詣の浅さを思い知った。「アナ雪で提示されている自由は、自分が持つ力は社会に還元すべきというメッセージが込められているという点で限定的」であり、エルサがゲイの人たちの象徴だという指摘が非常に面白かった。また、ディストピア小説が独裁政治や社会主義に対しては鋭い問題提起をしている一方で、性差別に対しては鈍いどころか、男性中心差別的な価値観を往々にして内包しているという点も学びがあった。日本人で文学のフェミニズム的批評をする研究者がいることは素直に嬉しい。
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はるき
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 面白い。とにかく切り口が面白い。笑わずにはいられませんでした。
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Cephalopoda
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とにかく文章が軽やかで面白い。『アナと雪の女王』の映画評はあの映画自体よりも面白いと思う。他の部分だと、腐女子の生産的解釈技術の話が印象的だった。
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アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
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有名な作品も、それほど有名じゃない作品も、フェミニズム視点だとこんな風に読めるのかという新鮮な気持ちで読んだ。『アナと雪の女王』のクィア批評が面白かった。
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としん
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ディストピア文学の項は非常に面白く読めたが、ファイトクラブや華麗なるギャツビーの読みは「そうかなあ?」という感じでした
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水
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フェミニズムについて勉強しよう/しなきゃと思うことはこれまでも何度かあったのだけれど悉く失敗してきたので、三度目の正直。そもそもフェミニズムとはなんぞや?ということで、王道から勉強しようと思っても上野千鶴子とかあんまり好きじゃなくて、じゃあ外延から概念分析していこう、と思ってフェミニズムの手法を用いた文芸批評から始めることにした。未履修の作品が多かったけれど、それでも頷ける部分が多く面白かった。(『ファイトクラブ』だけは読み進める前にアマプラで観た、観てよかった、、)諸々履修後にまた読み返したいかも。
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die_Stimme
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再読。
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Bartleby
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ジェンダーの視点をシフトするだけで世界がこんなに豊かになるとは。とくに面白かったのは「アナと雪の女王」論。"Let It Go"のMVを娘と見たことがあるが、なるほど、エルサは確かにドラァグクイーンみたいだ。クイア的存在の象徴と見ることもできる。ちなみに著者はこの映画が好きではないという。というのも、エルサが孤独に生きられる場所をせっかく勝ち得たにも関わらず、エルサの能力を骨抜きにし、それを公共に役立つよう強いることしかしないからだ。そう、たしかにディズニー映画はこの点で暴力的な傾向がある。
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べあべあ
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フェミニスト批評の本ということですが、著者殿の視点がとても公正でするどく、ユーモアたっぷりなので、こちらも変に構えずに楽しく読めました。有名なのにまだ観ていない映画の批評も沢山出てきて、”ファイトクラブ”みなきゃ、”アナ雪”みとかなきゃ、、、と焦ります。ディズニーや日本のエロ描写についての批評には激しく同意!
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KakeruA
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ケアの倫理とエンパワメントと同じくフェミニズム文学批評をよりポップで身近なものとして受け取ることができる本書。第二波フェミニズム運動の生真面目さとは対照的に、ユーモラスでオタク的な視点を感じるのが魅力か。
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