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南洋と私 (中公文庫 て 10-1)

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よしよし
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ネタバレ私は半世紀前の大阪万博の年、横浜から貨客船に乗り、サイパン、グアム、トラック、ポナペを旅した。船の中で『南洋は親日的』と聞き、恐れる事もなくノホホンと過ごし、現地の人たちと英語や日本語で南国の風景や食べ物を楽しんだ。しかし、帰国後彼の地の戦争や、占領者が変化してきた歴史を知るにつけ、彼らの言いたいことを言えない顔や、酒の勢いを借りないと日本人の話ができない人の奥の顔を考えるようになった。でも、もう一度訪ねても本音を聞き出す自信がなかった。寺尾紗穂さん、ありがとう。私がしたかったことを実行してくれました。
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こうき
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戦前の歴史は、はっきり言って知らないことだらけ。世界の中でどう日本が生きていたのか、もっと知る必要があると感じた。
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ゆる読書家
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これ読んで実際にサイパンへ行った。知らなかった戦争。現地へ誘ってくれたこの本に感謝。
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おぎゃ
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読む価値あるけど読みにく~。題材が重いのと、時系列がバラバラなのと、話し言葉の短い切れ方をそのままにしすぎてて。
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あじぽん
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日本領サイパンを体験した人達へのインタビュー。公教育への感謝もあれば、戦争で奪われた恨みもある。当時の流行り言葉「一等国民日本人、二等国民沖縄人、三等国民豚・カナカ・チャモロ、四等国民朝鮮人」でどんな意識で南洋を統治していたかがわかる。日本人らしくなれと皇民化を説きながら、決して同等には扱わない。日本にも留学したブランコさんの指摘が耳に痛かった。あと当時流れていた音楽の話。讃美歌、日本の流行歌、沖縄の三線、ひょっとしたらアリランも。もし今も日本領だったら混ざり合った新しい音楽が生まれていたかも知れない。
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評伝小僧
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日本統治時代、サイパンの産業・教育に深く関与した人物の子孫、当時の体験者へのインタビュー。○日本人・沖縄人・現地人・朝鮮人といった出身によるヒエラルキーが強かった。現地人に劣る成績の日本人を存在させないため、進学には出身による制限が。○ミュージシャンでもある著者は記憶に残された戦前・戦中の日本の歌をしつこくフォロー。半面、若さ故、インタビュー時の反応力に疑問。例えば、発破を仕掛けるボーリングマシンはご存じない様子。記述は直接話法だが原稿起こしは著者の取捨選択。決定的な証言が見逃されている懸念も。
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まえぞう
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20年くらい前まで太平洋島嶼国との仕事に携わったので、興味を持ち手にしました。内容は、サイパンに渡った日本人との関係で現地の方々や引き上げてきた日本人からのインタビューをまとめたもので、少し事前の想定とは異なりましたが、一括りでは整理できない歴史が伝わってくる作品でした。
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林克也
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屋久島で読んだ中島敦の「マリヤン」と、本業である川島芳子研究の過程で巡り会った小山たか子さんとによって「南洋」というものが研究テーマになってしまうという、研究者の醍醐味(特権?)にどっぷりと浸かる寺尾紗穂さん。研究って、面白いから、心に突きささる何ものかがあるから、やるんだということがよくわかる。他者のためではなく。いいなあ。おかげでいろいろ知ることができました。
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tegi
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当時を生きた人々の聞き取りと、歴史の概要、そしてそれらを調べる筆者の動機を等しく盛り込んで、とてもいい一冊だと思った。ここからもっと調べるにもいいし、ぐっと心情に踏み込んで中島敦やその他の文学に行くにもいいし。研究者でありつつ、音楽家という別の軸が筆者の中にあることも功を奏していると思った。
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魚53
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中島敦の南洋ものを読んで、サイパンに興味を持った著者が自分で日本とサイパンの関係性について様々な人の証言を集めながら思索した記録。自分で南洋と向き合い、考えようとしているところがすごい。自分でものを考えるっていうお手本のような本。歴史という大きな括りでは見過ごされてしまう個人の体験を丁寧に拾い集めることは大変で根気がいることだったろう。
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SARAH
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(沖縄の人が標準語を使わざるをえなかった背景には)羞恥心と一緒に母語をのどの奥におしこめねばならない、余りにグロテスクである。ただ、かなしい。/美の意識は常に主観でしかない。植民地において、美は支配する側によって決められている/日本という国が歴史教育において、まるで記憶喪失になったみたいに黙して語らない、教えない/過去は美化されやすい。現在が悪ければなおさら/
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naof
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日本による統治下にあった南洋諸島がどんな状況だったのか。正直、今まで全く目を向けたことがなかったイシュー。著者が寺尾紗穂さんだったという理由だけで手に取ってみた本。こういうことを知るきっかけとなり、とてもありがたいです。
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ぱーぷる・ばんぶー
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太平洋戦争時に日本が統治していたサイパン島などの南洋諸島。日本に友好的といわれる現地を訪問して日本統治下を経験した人たちから当時の話を聴き取ってまとめたノンフィクション。貴重なインタビューだと思う。
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jhok
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中島敦に導かれての南洋、サイパン。思った以上に硬派で、読み甲斐のある本でした。「証言者がいなくなりつつある現在、重要なのは生きた声をひたすら拾い続けること、そこから歴史的な空間をたちあげてみることだ。」「私」についてもフェアに細かく書かれる。だからこそ意味のある記録になるんだろう。/学校の話が何度も出てくるが、それは子供の目線で語られる。先生の目線の話が聞いてみたいと思うものの、生の声でそれを聞くのはもう時間的に叶わないのだなと。/音楽家ならではの拾い方が多々あるのがとても興味深かった。
jhok

南十字星のくだりは急に三浦しをんの短編みたいな話で、なんだなんだ、という感じだったが、でも良かった。これもまた今のサイパンだという意味でも。/注にあった奥好義と君が代の話が気になる。

12/31 13:56
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ドラコ
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★★☆ 内容はとてもいいのだが、脚注の入れ方に問題あり。とても読みにくい。
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USHISUKE
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寺尾紗穂『南洋と私』の「南洋群島は親日的。それは本当だろうか?」な帯への共感買い。ノンフィクションとか歴史モノとかいうよりも、著者が10年以上、サイパンの戦争経験者などへ取材やヒアリングを重ねてできたエッセイとでも。「人の数だけ思いがある…一言では表現できない繊細な色合いだったりする」まさに!親日/反日とか発言する人には理解できないんだろうけど…人の営みに想いを寄せて丁寧に書き残す(各所にある注記もステキ)姿勢に感銘を受けました
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