形式:新書
出版社:文藝春秋
形式:Kindle版
人口的にも、ヒンドゥ−教徒の比率が下がり、かつ、古い慣習の廃れで、既得権を持つヒンドゥー教徒の過激派が、発生していると思った。違う本で、不可触民が、仏教徒に1億以上になっていることを知った。日本で維新で起きたようなことを今、インドで起きてるようにも感じた。歴史のある国が、平等になるのを見守りたいと思いました。
近年、インド人民党が台頭し、中国から遅れること15年で、富める者は富めよ施策が始まると、母数が多いため、多数の優秀なAI技術者の活躍が目覚ましい。AIがBI(Basic Income:保護政策)に打ち勝った。かつてない強いリーダーシップを発揮しているのがモディ首相で、グジャラート州知事として成功し2014年に首相、2019年に2期目継続。 モディ政権の政策は、高額紙幣(500/1000ルピー・全体の86%)の無効化、消費税の全国統一、結果の均等より機会の均等、COP21に後進国ながら合意、
トイレ革命(13憶人のうち3億人が屋外排泄・それを処理する低カースト職業を廃止)。ヒンズー教vsイスラム教(パキスタン)、原子力協定、中国とは喧嘩しない。メトロ網、スズキの成功、インド新幹線。
近くにインド人IT技術者がいたら仲良くなって、里帰りするとき一緒に連れてってもらうとディープなインドを体験できるかも(笑)。仙台の取引先の社員十数人のコンサルにも若いインド人がいたのでビックリ!
足の国家として自立し、宗教による軋轢のない国家を作り出すという建国当初の理念を反映した三本の矢だ。だが権力は必ず腐敗するの法則に従い国民会議にも汚職が蔓延する。ネルーガンジー王朝とも揶揄されていたようだ。 このアンチテーゼとしてインド人民党が90年代に急台頭する。 91年の湾岸戦争時に原油価格が高騰したため、資源輸入国のインドは債務不履行に陥りIMF管理下に入った。当然その代償として緊縮財政・民営化・規制緩和の三点お約束劇薬を飲まされる。これがインド人民党台頭の端緒となった。まあ一言でいえばアメリカの傀儡
政権なのだが、口が裂けてもそんなことを軽々しく言ってはならないぞよ。インド人民党は「反英ではなく繁栄」「社会主義ではなくネオリベ」「世俗主義ではなくヒンドゥー至上主義」を(裏看板に)掲げている。ってな具合でインド国民会議とインド人民党の差分を掴めたのが大きな収穫でした。有難しである。
著者はNHKのニューデリー支局長を務め、テロに巻き込まれ生死の境をさまよったこともあるという。そうしたインド通ならではの多角的な見方を、モディという人物で縫合しスジを通した1冊としている。読みやすく、現在のインド事情を俯瞰するには適当な書だと思う。章末のコラムもカレーから映画やヨガなど生活密着のインドの姿を上手く描いている。ただ気になる点も。日本はチャンドラ・ボースのインド国民軍と共に戦ったので「味方」だったと書かれているが、シンガポール攻略戦でイギリス軍のインド兵と戦ったことも併記すべきではないのか。
先日、「今、世界で本当に主権国家といえるのは米、露、中、印に北朝鮮」という言説があったのを思い出しました。
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