読書メーター KADOKAWA Group

「私」は脳ではない 21世紀のための精神の哲学 (講談社選書メチエ)(Kindle版)

感想・レビュー
4

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
中村蓮
新着
前半の意識は歴史的に構成された概念なので自然科学で意識の実態は何々であるという本質の解明はできないということや、自然法則の連鎖で結果が一意に決定される「世界」は存在しないということ、条件充足原理という命題は納得できるところではあるけれど、固い原因と理由の分類など腑に落ちない点も多い。一見決定的でない理由も無意識の神経プロセスで実はそれに従うかどうかは決定されているというのが神経中心主義ではないのか。
中村蓮

そして、私たちの行為に私たちには脳神経があるという条件があることを著者も認める限り、「私たちがこの惑星で自由、繁栄、健康、正義の条件を改善しようと努め」る一環としてシリコンチップで我々の脳神経の処理能力を向上させることも認められるのではないか。

05/17 06:45
0255文字
kanaoka 57
新着
存在するすべてのものが、実際に科学的に調査可能であるわけでも、物質的であるわけでもない。そして私は脳ではない。自然科学により世界の全ては解明できるというようなイデオロギーに染まってはならない。私という概念、精神の自由という概念は大切にされなければならない。
0255文字
YASU
新着
世界をすべて包括する単一の因果体系などない,という前著をうけて,唯物論的,神経中心主義的な決定論を批判し精神の自由を謳う.前著ほどの「目からウロコ」観が少ないのは,もともと自分に決定論に批判的な考えが強かったからではあるが.わかりやすい比喩の数々に説得力はある.
0255文字
ハット
新着
ネタバレ「なぜ世界は~」は新しい実在論の話で、今回は筆者が批判的な態度を取っている、ニューロイズムや過激ダーウィニズムに対する考え、及び精神哲学についての内容の話である。哲学書は基本的に難しいが、それでもなんとか最後まで読めるような内容になっている。 ラストの自由に関する章が面白かった。自由意思のハードプロブレム、共存論、ライプニッツの充足理由の原理、などなど。人類が真の自由に対して向き合わないと「人間=脳」であると考える一派の主張のように、フェイドアウトしてしまうかもしれないという危惧を筆者は憶えている。
0255文字
全4件中 1-4 件を表示

この本を登録した読書家

「私」は脳ではない 21世紀のための精神の哲学 (講談社選書メチエ)評価80感想・レビュー4