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どこか、安心できる場所で:新しいイタリアの文学

感想・レビュー
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tom
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イタリア本で面白がって読んだのは、エーコの「薔薇の名前」だけ。少し前に話題になっていたフォンターネも、私にはさほどの面白さはなかった。須田敦子がいろいろ書いてあったけれど、メモに残しただけでほとんど読んでないい(読めない)。そして、図書館散歩でこの短編集を見つけた。イタリアに住む外国人、イタリアから出て行ったイタリア人などなど、国境のはざまで生きる人が多く登場。ちょっとしたファンタジーも。マージナルな状況で物語が生成されるのかもなどとも思いながら読了。この本、思いのほかの拾いもの。けっこう楽しく読む。
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kthyk
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タブッキやエーコ以降のイタリア人作家13人の短編集。姉と別れ、ロンドンのカムデン・ロード、ヴィクトリア朝時代の薄暗い貧者のフラットに住む若い女性。ある日、年老いた男の天使と出会う。後に洪水の年と呼ぶ1987年の6月、ヴァルテッリーナ街道を北にむかって走る白いフィアット。愛人を持ったばかりの父と母と12歳の僕。森、草原、渓流、岩々は何時もの年と変わらない。トレーラーハウスが数十棟並ぶキャンプ場、僕は父と異なる男と出会う。どの物語もどこか不安定な人間世界とファンタジー。然し、書名どうり、どれも読ませる小説だ。
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風地
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21世紀イタリア短編アンソロジー。移民、格差、LGBT…どの作品からも不安や不和を感じる。だからこその、このタイトルなのか。イタリアにイメージする明るい日差しのような眩しさは感じられなかったけれど、これが現実なんだなと妙に腑に落ちた。コニェッティの「雨の季節」は、両親の不仲な家庭に子供時代を過ごした人には刺さると思う。ひと夏の山での暮らしとその幕切れ。コニェッティならではの細やかな自然描写が、いつもながら素晴らしい。彼の作品で邦訳されているものは全て読んでしまい、寂しい限りだよ。
八角屋

パオロ・コニェッティ祭りだったんですね。この本は知りませんでした(・。・)

10/16 22:18
風地

八角屋さん、こんにちは。コニェッティの邦訳は3作品(うち一つは短編)なので、あっという間のコンプリートでした😭

10/17 12:08
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キムチ
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イタリア文学への確固たる概念を持っていない私。エーコー、モラヴィア位しか読んでいない。彼らの後のイタリアを感じさせるアンソロジーがこれ。13人の作家が15編の短編をプレゼン。コニエッティのみ、単行翻訳本を出しているが他は日本ではお初。掛け値なしにさすが欧州、イタリアを感じさせる中身ばかり。アンソロジーの良さを存分にかっちりと!・・主張が凄い、声高。でも決して其々 邪魔をせず、いい意味で共立して21C 今のイタリアを感じさせている。混迷の移民問題、経済格差、性的マイノリティ、アイデンティティー等多々のテーマ
キムチ

を多様な味付けで。序文を飾るのが小野氏。これがめちゃ上手く、先に読まない様に!端的にきっちりの評。日本は「単一民族単一言語」だから考えもしないテーマが殆ど。人種が異なればこういう思考、こういう表現をしなきゃねという事が確と伝わる。ソマリア人の姉妹でも育った地が異なったり、拠って立つ民族意識が異なったり。ユダヤ系伊人の妻と仏人の夫‥そこに義理の親たちが絡むと・・≪捨て子≫子を産んで去った女の子を引き取り処女懐胎の再現の形をとった院長は驚いた。概念が芒洋として苦手なのもあったが面白く「今」の伊が垣間見えた

09/06 20:44
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藤月はな(灯れ松明の火)
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まず、図書館で手にした時、刊行社に驚いた。装丁に拘る国書刊行会でフランス装版造りが出版されるなんて思いもよらなかったからだ。これは軽量化して持ち運びに便利だし、初めての人にも手に取りやすいかもしれません。現在のイタリアを代表する作家さんたちのアンソロジー。「雨の季節」は山をモチーフとする小説が多いパオロ・コニェッティ氏の作品。冷却期間として離れて暮らす事になった家族。友達としては最高だが、親としては狡く、信用ならない父ではなく、山男のティトに理想の父親像を見出すが・・・。拒絶された後で自分の母親と親密な姿
藤月はな(灯れ松明の火)

そして手一杯な妹へ自分の尺度に従わせようとする姉がこの上なく、鬱陶しいが、ラストで会心の笑みを浮かべてしまった。能ある鷹は爪を隠すってこの事ね。「捨て子」は修道女の献身が貫かれる。赤ん坊を産み落とした少女は蒸発してしまうが、残された赤ん坊の為に修道女は還俗し、普通の母親となるのだ。こういう人がいたなら人生、捨てたものじゃないと思える。「違いの行列」は『恐ろしきフィルの時代』を彷彿とさせる。軽やかな文章なのに陰々滅滅とする内容なのだ。特に立場が弱いとラベリングされた者達が互いを貶め合う姿は他人事ではないのだ

08/30 23:34
藤月はな(灯れ松明の火)

「隠された光」は一方は寂しく、温かい物語である。生涯、優等生だろうミリアムは両親と共依存関係である。夫、セルジュはそれを疎み、家庭ではない新たな居場所を探す中、愛する人、ジャックに見出される。ミリアムの両親は家庭の幸せを第一に思っているが、それが逆に娘の幸せを遠ざけたのは皮肉である。最後の離婚した後のセルジュの恋人へのメールはある意味、不実かもしれないがもう、孤独ではないという晴れやかな喜びに充ちている。「回復」は麻薬常習者の女性の語りは本当なのか?幻視の地に墜ちた天使は生々しい醜悪を持ちながらも美しい。

08/30 23:43
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千景
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ネタバレ『雨の季節』。一夏の、少年と中年男性の出会い。幼年期の家族の悩みに、一抹の雨と死の匂いが鼻腔をくすぐる。 『虹彩と真珠母』。4ページで終わるシラノ・ド・ベルジュラック。 『違いの行列』/『王は死んだ』。寓話……今の日本にも刺さる気がする。世界中でこんなことが起きているのだとしたら苦しいけど、こんな文学があるのだから、まだ捨てたもんじゃない、と思う。信じたいね。 『回復』。この話が一番好きかも……(『虹彩と真珠母』と争うか?)。ドラッグで家族からも見捨てられた女性の出会う、天使の生々しさ、悍ましさ、美しさ。
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Jamila
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表紙に一目惚れして買った。短編ひとつひとつが個性溢れ、満足。現代のイタリアが抱えていると想像できる問題(移民とか)が中心的で、イタリアものを読んでる気がしなかった。グローバルな世界線だからこその葛藤や、古典とは違う物語の空気感が新鮮だった。ただ、イタリア語を知らないからなのか言葉として読みにくい箇所もあった。 素敵な作品に出会えたと思う。とても満足
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oo8wy
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イタリア本16冊目。「今」のイタリアにある15の物語の短篇集。どの物語もなんというのか、ざらざらしていて、美しい、楽しい、というのはなかった。でもどれもが独特で、他の作品も読んでみたい。...と思ったけれどあまり翻訳はされていない模様。パオロ・コニェッティは関口英子さん訳で『帰れない山』が出ているらしい。読んでみよう。
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横溝ルパン
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13人のイタリアの現代作家の作品が収録された、短編集です。その中では、パオロ・コニェッティさんの「雨の季節」が一番好みでした。 中には、自分の好みじゃないなあと感じる作家さんもいましたが、普段あまり触れる機会の少ない、現代のイタリア作家のさまざまな作品を読むことができたのはよかったです。
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 本の紙魚
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作者も翻訳者も多様な短編集。どうも読了に時間がかかってしまったのは淡々とかなり残酷なイタリアの現実を突きつけてくるだろうか。観光旅行でイメージする明るい海も陽気な人々も美味しい料理もない。いや、別の見方でいればそこにはあるのかもしれないが、取り上げられる心象風景は全体的に暗い。移民も売春も離婚もジェンダーも戦争の傷も、すべて今のイタリアに存在している問題。でも、もう少し美しい風景を見せてくれても…と思うのは、外国人が日本にフジヤマゲイシャを求めるのと同じなのだろうか。「違いの行列/王は死んだ」が結構好き。
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neko
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イタリアというと、どこまでも逞しい明るい気性と気候に、美味しい食事に・・・ というイメージだったけど、それは旅行先として捉えていたからか。今回は『イタリア』という特質はなく、他の国と同じ感覚だった。
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のん
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「いま」が凝縮された新しいイタリア文学アンソロジー13編。そこにあるのは貧困、労働、自由、宗教、恋愛、移民、人種とまさしく多様なテーマ。序文で作品解説、巻末の作家紹介、編者あとがきと丁寧に納められた作品を紹介してくれるのが良い。『雨の季節』は不仲な両親に悩む少年の夏のキャンプ場での管理人との交流が描かれる。日本でもありそうな話で読みやすい。『わたしは誰?』は肌、言葉、生まれによるアイデンティティに悩む女性が主役、「わたし」が「わたし」に気づく朝は力強く清々しい。
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olive
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ネタバレコニエッティの「帰れない山」、アバーテの「風の丘」「ふたつの海のあいだで」のような文章が好きなので期待、想像していた作風とは大きく違った。けど、なぜ今この作品たちがこうして翻訳されて届けられたのか分かる気がする‥‥。物語の背景を知らずとも序文のおかげで理解を深めることができるし、彼らと同じでなくても共感を覚え、自らの視野が広がることもある。「identitàーわたしは誰?」の “どうしてそんなに頑張る? よく知りもしない相手じゃないか” という台詞が心に響いた。
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泉を乱す
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短編集。アンソロジー。イタリアの現代作家を知るきっかけになった。気になって他の作品も読んでみたい作家ができたが、翻訳されてるものがほとんどないのが残念。
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kibita
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ネタバレ一作目コニェッティ『雨の季節』、冒頭から引き込まれた。両親の不和で、母と二人キャンプ場で過ごす少年。出会った管理人との交流など、映画でよくある成長物語のようだが…。『ママの親戚/虹彩と真珠母』、あっさりしてるがクスリと笑える。あと「働く男」が短いが好き。目覚めた男だ。明るい光のイメージのあるイタリアだが、文学にふれるとそこには日本とは違う、移民や労働者等の社会的背景がうかがえるアンソロジー。
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YVI
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『雨の季節』と『捨て子』が好きだった。絵画や、映画のように感じられる作品もあって、それは何でかなと考えた。作中の時間の進み方に関係がある感じがする。『わたしは誰?』は移民問題の話を読んだのが初めてだったのでとても興味深く読んだ。
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水無月
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表紙に惹かれて手に取った本。日本ではあまり紹介される事のない、現代を生きるイタリア作家13人の15作品を集めた短編集。作家の出自により見えてくる題材の捉え方から、世代や国境を越えて訴えてくる共通の感情など、主題も切り口も違う作品が揃う。移民問題を扱った中では「捨て子」と「わたしは誰?」。個人的に好きなのは「恋するトリエステ」と「隠された光」、幻想的な「回復」と少女の性と純真さが眩しい表題作も良かった。特に面白くなかったけど「あなたとわたし、一緒の三時間」は抽象画を観てるみたいで、印象に残った。
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うらぬす
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3.7/5.0
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金糸雀
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いろいろ 今熱いイタリアの作家の作品が詰まった一冊。私は「働く男」がピカ一でした。会社で働く男つまり社蓄から社会に働きかける男として、働き始めた男の話。こういうのが最も抽象的な具象。
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きゅー
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2000年以降に発表された作品を集めたイタリア文学アンソロジー。イタリア文学といえばエーコ、タブッキ、カルヴィーノ、ブッツァーティなどいずれも前世紀に活躍していた作家。だから、いまを生きるイタリア作家の作品を紹介するという。コンセプトは理解できるが、今のイタリア作家はこれくらいなのかなとむしろ不安になってしまう。あるいは丁度よい長さの短編小説を集める、ということで漏れてしまった作品が多くあるのだろう。また、本作の表記だと『どこか、安心できる場所で』の著者がパオロ・コニェッティだと勘違いされないだろうか。
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矢野
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2000年以降に発表されたイタリア文学から選び抜かれた、短編アンソロジー。どれも面白かったけど、短編集だからか全体の印象が薄くなってしまったように思う。特に好きなのは、「雨の季節」「隠された二人」
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アン
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21世紀イタリア短篇アンソロジー。両親が互いの関係を見つめ直すため、ひと夏を山のキャンプ場で過ごすことになった少年の戸惑いが印象的な『雨の季節』パオロ・コニェッティ。義理の両親の干渉に不満を抱き家を出た夫の予期せぬ想い『隠された光』リザ・ギンズブルグ。田舎の祖父母の家で妊娠している母親に秘密で年上の少女と遊ぶ表題作フランチェスカ・マンフレーディなど15篇。テーマも作風も多様ですが、社会問題を背景に人との交流を通し自分自身を見つめる作品も多く、日本では未紹介の作家がほとんどなので興味深く今後が楽しみです。
ことり

🇮🇹イタリア好きなので、イタリア作家さんはけっこう好きなんですけど… ひと昔まえの作家さんたちなのかもしれません꒰⑅ˊ͈ ˙̫ ˋ͈⑅꒱ パヴェーゼ、ナタリア・ギンズブルグ、ブッツァーティ、モラヴィア、ロダーリあたりは大好きです♡︎ʾʾ この本も読んでみたいです♡(๑′ฅฅ‵๑)

08/06 20:15
アン

編者のあとがきに創作のピークは20世紀とあり、このアンソロジーはイタリアの現在を表現する文学を紹介する試みのようですよ。本当にヴァラエティに富み、良かったなと思った『隠された光』という短篇は、ナタリア・ギンズブルグのお孫さんの作品です。機会があれば、ぜひ!♡(*^^*)

08/06 20:33
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miyu
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小野正嗣氏の序文がまず素晴らしい。確かにイタリア文学は昔から政治色や社会性のあるものが少なくない。読み終わった後「なにこれ?!」と感じたりする。だから今回も身構えつつ頁を繰ったが一作目コニェッティ『雨の季節』から既に魅了された。自然や人の心うちの描写がとても繊細だ。父母の間に些細な亀裂が入っていることに少年は気づいている。なぜなら大人が思うほど子供は鈍感じゃないし知っていることを悟らせずにひとり逃げ道を探るものだから。彼にとっての道標ティトとのいきなりの別れのリアリティが妙にイタリアらしくて好きな作品だ。
miyu

この1つ前にブッツァーティの短篇集を読んだせいか、実は若干物足りなさもあった。良い作品は年月がいくら経っても色褪せることがない。そして自分は複数の著者の作品を集めた短篇集があまり得意ではないことを思い出した。実際、中には「どうなのこれ」と感じるものも。それでもこの作品集は案外読み応えがあった。 『エリザベス』『捨て子』『回復』『どこか、安心できる場所で』あたりがお気に入り。逆に『わたしは誰?』はイマイチだった。こういう、周囲と人種(?)の違う人物がアイデンティティを突きつめる話は難しいな。

07/17 01:24
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ぞしま
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著者13名中11名が本邦初翻訳の熱いアンソロジー。選定に際して設けられた条件は2000年以降に発表された作品であること、著者の男女比がほぼ均しくなること、訳者も幅広く紹介されること、など編者の意思と尊い姿勢が感じられる。 寓話、超現実、ブラックユーモアなどの作風もある中で、みずみずしい叙情性のある巻頭作、表題作、加えてリザ・ギンズブルグ(ナタリアのお孫さん)の作品が良かった。イジャーバ・シェーゴ、ヘレナ・ヤネチェク、キアラ・ヴァレリア、アントニオ・モレスコなど読みたい作家が増えた。装画も素敵、良書。
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mick
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それぞれの作品が全く違う色合いで、イタリアの現在の多様性を知った。単純に面白いというものではない、文学と社会性の関係の強さが感じられる。小野正嗣の序文に同感。
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tekka
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本邦初の21世紀イタリア短篇アンソロジー。中でも、ヴィオラ・ディ・グラードの「回復」が素晴らしかった。薬物中毒が原因で、身内からも見放された主人公が、新たに引っ越した部屋で、ある「生き物」と出会う。あらすじ自体に新鮮味はなく、似たような内容の小説や漫画は沢山あるが、驚いたのはその描写力。余分なものを削ぎ落としているにも関わらず、瑞々しさがあふれてくる文章。鮮やかでありながら、同時に心地よい余韻を残す幕切れ。日本では初めての翻訳とのことなので、これを機に他の作品も翻訳してほしい。
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かもめ通信
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21世紀イタリア短篇アンソロジー。13人の作家(うち11人が日本初紹介)による15の物語だ。テーマは様々ながら、いずれも社会性のある“正統派”文学という印象をうけた粒ぞろいの作品。それぞれの作品の傾向や作家紹介も含んだ小野正嗣氏により序文も興味深かった。
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みつけるちゃん
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世界がネットで繋がり海外旅行が気軽な現代でも、遠い国の人々が何に関心を寄せてどんな問題意識を持ち生きているのか、画面越しや短期滞在では見えない。そこを埋めるような気がして私は語学を齧るのが好きなのだが、ある国の今この時代の書き物に数触れるというのも一つなんだろう。共通点は現代のイタリア文学というだけで主題の異なる作品群。だけど通して読めばどの作中にも、社会に居場所を探す姿が垣間見える。同時にその背後には、等身大の自分を脅かすものが控えている。移民や天使などモノは見慣れずとも、惑いの末の安心には覚えがある。
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micamidica
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21世紀のイタリア語作家によるアンソロジー。とても良かった。 パオロ・コニェッティ「雨の季節」、ヘレナ・ヤネチェク「恋するトリエステ」、ヴァレリア・パッレッラ「捨て子」、リザ・ギンズブルク「隠された光」、キアラ・ヴァレリオ「あなたとわたし、一緒の三時間」が特に好き。 作家のルーツも様々で、イタリアのいまを表しているのだろうな。上に挙げた作家さんのほかの作品も、まだまだ読みたい。第2弾を待っています。
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おさむ
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イタリア文学といえば、須賀敦子さん訳のアントニオ・タブッキぐらいしか読んだことがなかった。21世紀の作家達の短中編をまとめた本著は新鮮でした。「わたしは誰?」や「エリザベス」など移民や差別、格差と言ったいまのイタリア社会を感じさせる作品も多い。とはいえ、個人的に印象に残ったのは「雨の季節」や「どこか、安心できる場所で」などの幼き頃の記憶を描いた、万国共通の作品でした。あとは、ナタリア・ギンズブルグの娘さんのリザさんの「隠された光」も秀作でした。
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ophiuchi
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日本で紹介されることが少ないイタリア文学の短編集。日本ではほとんど知られていない作家の2000年以降の粒ぞろいの作品が集められている。
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yum
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仏文学が苦手な私はイタリアもダメかなと思っていたが、いやなかなか良かった!余計なものがない淡々としている短編ばかり。お気に入りは『雨の季節』『ママの親戚/虹彩と真珠母』『捨て子』『回復』かな。予想外に楽しく読めた。
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ハルト
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読了:◎ 2000年以降に発表され、新しいとついているだけあって、現在のイタリア文学の波が伝わってきました。さまざまなアイデンティティーの揺らぎが書いてあり、どれもよかったです。中でもお気に入りは「雨の季節」「ママの親戚/虹彩と真珠母」「わたしは誰?」「捨て子」でした。
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アヴォカド
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パオロ・コニェッティ読みたさに買ったが、パオロ・コニェッティやはりよかった。『ママの親戚』は吹いてしまった。全体的には政治的なものが多かったかな。たまたまかもしれないが、日本の作家で今のアンソロジーを編んでも、ここまで主張が強くならないだろうなと思う。日本の作品ももっと主張が強くてもいいのにと思った次第。
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未然
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叢書化してほしいくらい企画としてはすばらしいんだけど選りすぐられた作品が小粒すぎて印象は薄い。
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刳森伸一
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2000年以降に発表されたイタリアの短篇小説を集めたアンソロジー。そのほとんどが日本では知られていない作家の作品ながら、いずれも高水準で、日本語で読める作家は本当にごくわずかだと再確認する。移民や格差などの社会問題を扱った作品から、家族関係や恋愛、性といったものを描いた作品まで、テーマの幅も広いが、個人的には、社会問題を扱った短篇が印象に残る。特に、移民問題と個人の生き方の問題を高度に融合させた「捨て子」に心打たれた。
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ズー
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序文の海外文学についてがなるほど!どんな短編のラインナップか最初で書いてくれたのもかなり助かった。中国SF短編読んだ時にも書かれていたが、色んな作品があるから、これが〇〇文学だ!と決めつけないでほしいってこれも書かれていて、だよねと思った。何かでイタリア人は回りくどい表現の本が好きだから、吉本ばななが人気ってのをみたけど、なるほどこうゆうのね!ってのがあったり。そうゆう語り口が苦手で、うっサクサク端折って進んでほしいと思ったり、回りくどすぎて何のこといってたんだっけ?と思う話も。とはいえ好みの話もあった。
ズー

「わたしは誰?」「捨て子」「ママの親戚」「回復」が好き。

01/13 12:20
0255文字
belle
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2000年以降に発表されたいまを生きるイタリアの文学を紹介する短編集。既知の作家はパオロ・コニェッティのみ。まさに新しい出会いの本であり、現代イタリアを映すテーマが様々に描かれる。家族。恋愛。移民。格差。性。作家それぞれにより表現方法も異なり、それも面白く存分に楽しめた。地続きのヨーロッパだが、海を隔ててアフリカを目前にするイタリアの地理を思い浮かべる。昨年秋のヨーロッパ文芸フェスで購入。多和田葉子とこの本所収の「恋するトリエステ」を書いたヘレナ・ヤネチェクとの対談を聴いた。ふたりの母語の外へ出る旅。
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