形式:文庫
出版社:新潮社
18歳でドイツ王に選定され、ロンバルディア同盟の北イタリアを少人数で逃避行し、ドイツで戴冠された。パレルモの大司教ベラルドとチュートン騎士団の団長ヘルマンの助けにより、8年間でドイツの支配を確実なものとした。1220年にローマで戴冠して南イタリア・シチリアの経営を始める。カプア憲章で法治国家による中央集権化を宣言する。巧みな人選でほぼ紛争も無かった。海軍を再興させ、官僚育成のため国立のナポリ大学を開校した。卒業生には部下の子のトマス・アクィナスがいる。法王ホノリウス3世から第6次十字軍の要請を受けていた。
エジプトのスルタンのアル・カミールと書簡で遣り取りする。1227年夏に十字軍が出陣。だが疫病で中止。これに怒った法王グレゴリウス9世がフリードリッヒを破門にする。翌年破門の身で出陣する。更に破門される。戦うこと無くスルタンと講和が結ばれ、イスラム地区を除くイェルサレムを譲渡され目的を成就した。再婚先のイェルサレムの王位に就く。戦わなかったことへの非難が多い。法王の侵略もある。帰国して領土を安堵し、メルフィ憲章を好評して法治国家を目指す。息子ハインリッヒの反乱を抑える。ロンバルディア同盟との戦争が始まる。
第6回十字軍(無血十字軍)ぐらい、ローマ法王庁とフリードリッヒ二世の宗教観の違いを象徴するものはない。ローマ法王庁にとって流される異教徒の血が問題で聖地奪還は結果としてついてくるものだった。だがフリードリッヒ二世は聖地奪還さえ出来れば戦争は必要無いと考えた。
塩野氏の著書は初めて読んだけども、氏のフリードリヒ2世への熱量が強く感じられる上巻。下巻はその生涯のかなり後半に差し掛かったところに筆を割く配分なので、今からわくわくしてしまう。また、読んでいて思い出したのは『薔薇の名前』、舞台そのものはフリードリヒ2世死後の100年くらい後だけども、主人公がフランチェスコ会修道士、確か後半登場する異端審問官がドメニコ会修道士だった。正直太刀打ち出来なかった読書だったけども(映画は好きで何度も見てる)今ならもう少し掴めるだろうか。
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18歳でドイツ王に選定され、ロンバルディア同盟の北イタリアを少人数で逃避行し、ドイツで戴冠された。パレルモの大司教ベラルドとチュートン騎士団の団長ヘルマンの助けにより、8年間でドイツの支配を確実なものとした。1220年にローマで戴冠して南イタリア・シチリアの経営を始める。カプア憲章で法治国家による中央集権化を宣言する。巧みな人選でほぼ紛争も無かった。海軍を再興させ、官僚育成のため国立のナポリ大学を開校した。卒業生には部下の子のトマス・アクィナスがいる。法王ホノリウス3世から第6次十字軍の要請を受けていた。
エジプトのスルタンのアル・カミールと書簡で遣り取りする。1227年夏に十字軍が出陣。だが疫病で中止。これに怒った法王グレゴリウス9世がフリードリッヒを破門にする。翌年破門の身で出陣する。更に破門される。戦うこと無くスルタンと講和が結ばれ、イスラム地区を除くイェルサレムを譲渡され目的を成就した。再婚先のイェルサレムの王位に就く。戦わなかったことへの非難が多い。法王の侵略もある。帰国して領土を安堵し、メルフィ憲章を好評して法治国家を目指す。息子ハインリッヒの反乱を抑える。ロンバルディア同盟との戦争が始まる。