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皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上巻 (新潮文庫 し 12-102)

感想・レビュー
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Hiroshi
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ネタバレフリードリッヒ2世は皇帝フリードリッヒ1世(バルバロッサ)を祖父に、皇帝ハインリッヒ6世を父に持つホーエンシュタウヘン家の者。1194年に生まれた。3歳で父を亡くしシチリア王になる。4歳で母を亡くす。法王インノケンティウス3世の後見のもと育つ。正教のギリシア人、イスラム教のアラブ人、カトリックのノルマン人による支配のあったシチリアで育ったフリードリヒはラテン語・アラビア語・イタリア語等6カ国語を操る。皇帝は暗殺された叔父からザクセン公オットー4世に移っていた。14歳で成人宣言をしてアラゴン王女と結婚した。
Hiroshi

18歳でドイツ王に選定され、ロンバルディア同盟の北イタリアを少人数で逃避行し、ドイツで戴冠された。パレルモの大司教ベラルドとチュートン騎士団の団長ヘルマンの助けにより、8年間でドイツの支配を確実なものとした。1220年にローマで戴冠して南イタリア・シチリアの経営を始める。カプア憲章で法治国家による中央集権化を宣言する。巧みな人選でほぼ紛争も無かった。海軍を再興させ、官僚育成のため国立のナポリ大学を開校した。卒業生には部下の子のトマス・アクィナスがいる。法王ホノリウス3世から第6次十字軍の要請を受けていた。

01/27 17:02
Hiroshi

エジプトのスルタンのアル・カミールと書簡で遣り取りする。1227年夏に十字軍が出陣。だが疫病で中止。これに怒った法王グレゴリウス9世がフリードリッヒを破門にする。翌年破門の身で出陣する。更に破門される。戦うこと無くスルタンと講和が結ばれ、イスラム地区を除くイェルサレムを譲渡され目的を成就した。再婚先のイェルサレムの王位に就く。戦わなかったことへの非難が多い。法王の侵略もある。帰国して領土を安堵し、メルフィ憲章を好評して法治国家を目指す。息子ハインリッヒの反乱を抑える。ロンバルディア同盟との戦争が始まる。

01/27 17:02
0255文字
ロビン
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教科書ではなぜかさほど大きく扱われないのだが、暗黒の中世にあって、らい病患者に対する奉仕などを行い宗教観に革命的な変化をもたらしたアッシジのフランチェスコとともに、ルネサンスを先取りしたような英邁な君主がフリードリヒ2世である。中世キリスト教の狂信とは無縁の、柔軟にして寛容な宗教政策を始め、第六次十字軍では無血でスルタン相手に講和を勝ち取る。「メルフィ憲章」を制定して法治国家を目指し、高級官僚育成のため欧州初となる国立大学であるナポリ大学を創設、奨学金制度をつくるなどした。ちょっと秦の始皇帝を彷彿とした。
0255文字
かーこ
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「ローマ亡き後の地中海世界」を読み終えて本作に取り掛かった。やはり主人公がはっきりしていると読みやすい。世界史の授業で習ったギベリンとグエルフィという言葉を何十年ぶりかで目にし、こういうことだったのかと思いを新たにした。それにしても、長い人類の歴史には時々こういう時代を先取りしたような人物が現れるんだな。下巻も楽しみ。
0255文字
氷菓子
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塩野七生さんの著作に興味はあるけど敷居が高いと思ってた頃に読んだのが本書。ローマ人の物語文庫全43巻は厳しいけど上下巻だけならなんとかなるだろうと。結果、塩野七生さんにどハマりし、ローマ人の物語、ローマ亡き後の地中海世界、海の都の物語、十字軍物語と読んだところでもう一度本書を読みたくなり再読。巻頭に、書く順番が来たからフリードリヒ2世について書いたとあるが、その通りで、上記の著作読破後に改めて読み直したらバックグラウンドの知識が増えた分、前回の数倍楽しめた。
0255文字
ミハル
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観劇に合わせて読んでいたのですが、上巻なんとか読めた。 フリードリッヒ二世については、あまり知識がなく焦った。 南イタリアとかシチリアの辺りの政治?はもう読んでも観ても(オペラとか)なかなか頭に入ってこない。 塩野七生さんの標的(笑)?興味があって書かれる人物は、魅力あり過ぎて、良くも悪くも、主人公側でその政治や戦争を見ることなってしまう。 さて、上巻だけフリードリッヒ二世をどこまで理解したか? 舞台はどんな感じになるのか楽しみ。
0255文字
山目
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中世欧州は正直なところイメージがわかない時代である。ルネッサンスまでのつなぎで何となくただ停滞しているという感じであった。そんな中で異世界転生のような近代的な思考が実践されたのか非常に不思議である。帝王学ではなく庶民感覚が優れた政治を産むのはよくある話である話である。下巻でなぜこれが続かなかったを読み進めるのが楽しみである。現代の感覚で中世を論じるのは間違いだとは思うが、法王派の正義と愛が胡散臭いのは現代でも同じように思う。
0255文字
つっきーよ
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フリードリヒ2世はシチリア王と言えども、幼く孤児の身分で、友好的でないローマ法王インノケンティウス3世が後見人になっていた。また、当のシチリアは実質無政府状態になっており、フリードリヒ2世の権力はないに等しかった。けれど、教育的には自由にやらされ早熟だったフリードリヒ2世は14歳に成人式を行い独り立ちをする。なんの権力基盤もないに等しい少年がゆくゆくはルネサンスを先取りし、中央集権国家を実現させる。異世界転生のなろう系主人公のような爽快感があって面白かった。
0255文字
yabazo
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十字軍物語でも十分な活躍ぶりが描かれていたが、このフリードリッヒ二世は、塩野さんがかなり初期の頃から書きたいと思っていた人物のようです。物語はかの人の幼少期から始まり、若くしてシチリアと神聖ローマ帝国を手中にし、第六次十字軍にてイェルサレム王にもなり、そして法治国家の形成を進めていく姿を描く。法王グレゴリウス九世やアッシジのフランチェスコなども語られる。最後に第二次ロンバルディア戦役の大勝が語られるが、その最後の一文で勝利の女神の嫉妬深いことに触れて上巻は閉じる。パクス・フリデリチアーナは成るのか。
0255文字
ぱにーに
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戦闘ではなく外交による解決を目指した、尊敬すべき皇帝の話。それでいながら、単にユートピア的に平和を説くのではなく、抑止力として、とでも言うのであろうか、背後に軍備を持つことの重要性はしっかり認識した上での外交交渉を行なった。ただ、当時としては異端な、異教徒との外交による和解という画期的なアイデアは、君主制同士だったが故の賜物だろう。そういう意味では、現代の民主制にはそこまでの柔軟性はないと思う。当然ながら、君主制がピンキリであることを踏まえれば、民主制は最も「マシ」なのだが。
0255文字
かわ
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面白かった。歴史小説あるあるで、前日読んだ説明を忘れていることが多いが、繰り返し説明してくれるためありがたい。フリードリッヒの人柄は分からないが国の統治者としては立派な人だ。
0255文字
あずさ
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再読です。
0255文字
p-man
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ネタバレシチリア王国・神聖ローマ帝国・イェルサレム王国の皇帝として生きた男の生涯。リアリストで有用であれば何でも取り入れて使ってしまうような男だったのではと思う。印象深いのは第6回十字軍。法王に盾突いて、出発前に2回も破門にされていながらも、外交によって無血でイェルサレムを取り戻す。幸運だったのは相手のスルタンがアル・カミールというこちらもリアリストだったこと。異教徒と講和したことでキリスト教の敵とまで言われた。また法治国家を目指しメルフィ憲章を制定。「皇帝のものは皇帝に神のものは神に」
0255文字
ありうす
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 初期はマンガのような少年王だったのに、いつしか(本人も意識するように)アウグストゥスを思わせる賢帝に成長していった。『十字軍物語』のスピンオフのつもりで手を出したが、むしろこちらこそが本編のようだ。
0255文字
健
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フリードリッヒ二世は西欧の歴史ものを読むとよく登場する人物。通史だと割かれるページ数に限りがあるけど、今回はその人の生涯の物語。伝記ともなると細かいところまで描かれていて、その人物像がより具体的に立ち上がって来て面白い。同時にグレゴリウス九世の人物像も明確になって来るし、中世の社会の在り様とか、ローマ帝国時代との違いなどにも触れられていて興味深い。塩野さんの語り口調に拠るところも大きいのだろうけど下巻が楽しみだ。
0255文字
チャス
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Yotubeで世界史通史を見てたらこの本を紹介されていたので手に取りました。神聖ローマ帝国皇帝でなんでシチリア育ち?「中世初の近代人」この人1人でほんがかけるの?なんて何も知らない状態でした。面白い人物ですね。教会権力と世俗権力がせめぎ合っている中世というのが、なんとなあく分かってきました。神聖ローマ帝国がよくわからない人は読むといいのかも。
0255文字
日々是ご機嫌
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ネタバレ中世ヨーロッパ史について無知でこの人物について知らなかったが、いつもの塩野節で楽しく読むことができた。ローマ教皇を中心とした聖職者の権力が世俗の世界でも巨大な中、信仰と世俗の権力を分離して、イスラム教までも包容しようとする開明的なフリードリッヒ。現実主義者ともいえよう。生まれた時からの苦難の道がそうさせたようにも感じる。無血の十字軍のパートの交渉の粘り強さといざという時の準備の抜かりなさは、現在の政治家に参考にしてほしい。本書の一番の格言「情報とは、その重要性を理解できたものにしか、正しく伝わらない」
0255文字
ジキル
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神聖ローマ皇帝フリードリッヒ二世の生涯。最近読んだ、チェーザレより、性格がいい気もする。ちょっと、文章が同じこと繰り返したりで冗長と感じる部分もあったけど、フリードリッヒの自由な発想が面白かったです。しかし、フリードリッヒ目線で書かれてるけど、ローマ法王や北部の都市は、酷い書かれようかも。でも、異端裁判始めた法王では、仕方ないか。
0255文字
green
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立花隆がヨーロッパを理解するには神聖ローマ帝国→ドイツを理解すること、といっていたので、神聖ローマ帝国関連の本の中から選んだ。史実との違いはあるのだろうけれど、その時代の雰囲気を味わわせてくれる塩野さんの本はとても読みやすい。イタリアとドイツ、皇帝と教皇の関係がどうであったか、十字軍のことなど、楽しんで読むことができた。
0255文字
さっこ
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下巻へ続く
0255文字
UNO
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上下巻読了。その当時の時流に乗って、自由で合理的な人物として書かれている。作家の目線はずっとフリードリッヒ二世に好意的だ。勝利して、勝利して、勝利する。本を読む前にウィキを読んでいたけど、顔をしかめてしまうようなエピソードは描かれていない。現代の感性でそのまま読めてロマンはあるけど、ちょっと都合が良すぎる。中立に距離を置いて人物の偏り書いても、いい具合になりそうなのに……。
0255文字
ヨードー
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塩野氏曰く、中世モノの「真打ち」が『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』。キリスト教内部対立であり、政権と俗権を巡る対決。登場人物が多いけど、その度に説明し直してくれるので分かりやすい。塩野節は徐々に炸裂。
0255文字
kametomo3
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フリードリッヒ2世。よく知らなかったが、混沌とした中世において時代の先を行き過ぎるほどの合理性を持ち、政教分離や法治国家を作ろうとしていた事に驚いた。 下巻も楽しみです。
0255文字
しましま
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ネタバレ3読目。…真面目な読者の方々よスイマセン、麗筆を存分にふるわれた塩野センセにゃ更にゴメンナサイ、私ゃ大笑いしまくりの再読タイムでしたとも、ええ!はっちゃけ伝説ここにアリ~☆いや~はっちゃけ天才コワいなあ、だ~れもストッパーにもブレーキにもなり得ないっ(・∀・)グレゴリウス9世にはちょっと気の毒だけど相手が悪すぎたねえ~、だってフリ2だもの😤あの世だか天国だかでイノケン3世さんはアタマ抱えてらしたことでしょーなあ😁オモシロ過ぎて読む手がとまんないよ~♪あ~もう、やっぱりこのひと大好きだ~(*^▽^*)
0255文字
cybertiger
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『年代記』でストゥポール・ムンデイ(世界の驚異)と呼ばれ、誤って中世に生まれたルネッサンス人とも言われたフリードリッヒ二世の生涯を塩野七生さんらしい筆致で描く。フリードリッヒ二世は、幼くして孤児となりローマ法王の後見の下で育つ。神聖ローマ帝国皇帝の地位を得ると政教分離を狙ってローマ法王庁と対立し、絶対王政を志向して北イタリアの自治都市と対立する。上巻はフリードリッヒ二世の自治都市に対する勝利で終わる。塩野さんの文章は初期に比べるとこなれて読み易くなっている分、緊張感が失われている気がするがどうだろう。
cybertiger

第6回十字軍(無血十字軍)ぐらい、ローマ法王庁とフリードリッヒ二世の宗教観の違いを象徴するものはない。ローマ法王庁にとって流される異教徒の血が問題で聖地奪還は結果としてついてくるものだった。だがフリードリッヒ二世は聖地奪還さえ出来れば戦争は必要無いと考えた。

04/23 16:03
0255文字
やす
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目的を達成するための発想が多分シンプルなんでしょうね。やるべき事は旧弊にとらわれず一番当たり前の方法で実現する。信仰はあったのだとおもいますが、法王の権威に意味を感じなかったのでしょうね。 こんなリアリストの政治家、日本にいないなぁ。。
0255文字
Running Kez
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中世のデビッド・ボウイとあえて言いましょう!ボウイのベルリン公演が東西冷戦終結の遠因になったように、宗教に縛られた中世を穿ち、ルネサンスへの道を切り開いたのがフリードリッヒ二世だ、と。なんといっても絵になりますよ。黒髪のイタリア人や浅黒き肌のサラセン人との交流を楽しむ皇帝は肌白き紅毛碧眼のゲルマン人なんだから。十字軍を率いては敵も味方も一滴の血も流さずエルサレムを解放。その手法が文通だと言うのだから、呆れてしまう。こんな自由な人が中世にいたことが驚きで、励みにもなります。
0255文字
piyo
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読み始める前は、帯の「この男を知れば中世が解る!」というのが、どういう意味か全くわからなかったけど、読んで納得。 あらゆる意味で中世らしくない男の思考や行動から、逆に中世という時代が浮き彫りになる爽快感。もしもっと遅い時代に生まれていたら……と思わずにいられない。
0255文字
生活相談屋
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いやぁ面白かったなあ。この本を読むまでフリードリッヒ2世という人物のことは全く知らなかった(もしかしたら世界史で習っていたかもしれないが)が、こんな頭脳明晰で、胆力のある人物が13世紀のイタリアに存在したんですね。しかしこんなに大変な思いまでして、神聖ローマ帝国まで支配する必要があったのだろうか?でもまぁあったんだろうな、多分。果てしない権力闘争を勝ち抜いていく知恵を、彼は一体どこから仕入れ続けたのだろう。後半は波乱の予感。
0255文字
kaze
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塩野七生の思い入れが強いなあ。フリードリッヒ2世が傑物なのは異存がないけれど、こうも持ち上げられると少し冷めるところもないでもない。しかし自分の歴史の知識が薄い時代を1人の人物に焦点を当ててじっくりと読めたのは良かった。グレゴリウス9世がめっちゃ悪役みたいになっているけれど、彼にも言い分はあるだろう。とはいえ、異端審問がこんな形で始まったのはやるせない。
0255文字
姓名
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この人がヴェネツィア貴族にうまれていたら、とか、古代ローマのユリアヌスの頃に生まれていたら、とか、色々想像してしまった。早熟で、継続する意志が強く、頼れる同士が居た…。確かにアウグストゥス。
0255文字
Copper Kettle
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神聖ローマ帝国皇帝を父に、シチリア王国の王女を母に持ち、ゆえに今のドイツとシチリアを含む南イタリアに君臨したフリードリッヒ二世。キリスト教が絶対の中世に生まれ、幼い時にはローマ法王が後見人だったのに、まあ言うことを聞かない人だね。古代ローマの初代皇帝アウグストゥスに憧れ、中央集権型の法治国家を築こうと奮闘したみたい。この人の生涯も面白いけど、その過程において出てくる封建諸侯や十字軍、ロンバルディア同盟とか法王派、皇帝派の抗争なんかが当時の社会の様子を理解するのに役立つ。なんだか不吉な言葉で下巻に進む。
0255文字
Asa
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上巻はフリードリッヒ二世43歳まで。15歳でパレルモ大司教ベラルドとチュートン騎士団長ヘルマンの忠誠を得て、ローマ法王との駆け引きもしながらシチリア、南イタリア、神聖ローマ帝国の皇帝に。第六次十字軍を率い無血でイェルサレムを奪還、キリスト教と離れた国立ナポリ大学の設立、ロンバルディア同盟の解体と功績は多々。封建社会から中央集権の法治国家設立を目指すフリードリッヒの方向性は一貫している。異端裁判が罷り通る中世の時代に、新たな時代を想像し実現していく実行力たるや、まさに時代を変えた人ですね。
0255文字
のんびり
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歴史書というものを読んだことがなかったのですが、この本で歴史書の面白さをしりました。 まだ15.6歳ですでに皇帝としての資質があって自分の目指すものをどんどんと実現させていくフリードリッヒにワクワクしました。最初の頃は周りの大人たちに守られながらではあったけど、それをうまいこと利用していくのは彼にそれだけの魅力があったんだろうなと、とくにローマ法王とのやり取りが面白く、宗教って一体何なんだろう?と不思議に思うことに
0255文字
てんつく
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十字軍以外も色々凄いフリードリッヒ二世。破門でしか対抗できないローマ法王が滑稽。
0255文字
岡田zenjiro
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十字軍物語を読んだ際に、法王の十字軍遠征要請を再三断っていた皇帝として記憶に残っていましたが、非常に近代的な人物だったのですね。それが故にグレゴリウス9世と対立し、破門を2度喰らいながらも無血でエルサレムを奪還し、その後中央集権国家を作り、メルフィ憲章に基づく政治を行った。そして敵対するロンバルディア同盟をも打ち破ったところで上巻は終わり。続きが楽しみです。
0255文字
マキ タリオーニ
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世界史で聞いたような聞かなかったような…という程度のフリードリッヒ2世が、生き生きと迫ってくる。キリスト教的世界観に縛られた中世に生きながらもルネサンス的現代的センスを持つフリードリッヒ。生まれるのが早すぎたのか…。 神のものは神へ、カエサルのものはカエサルへ。この言葉の意味がやっと理解できました。
0255文字
佐屋
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藤沢氏の著書で読んで以来、その先見性、徹底した合理主義に惹かれていたフリードリヒ2世。高校の世界史で触れた記憶は朧気にあるけども、その決断力、軸の揺るがなさに紛れもない政治者の資質を見る。中世において、政教分離を進め、異教徒との共存を実現し、エルサレム無血開城を成し遂げた傑物。この人は殆ど戦わないので(状況が許さなかった部分は多いにしても)その点だけでも、中世で如何に傑出した、そして異質な存在だったかが読み取れる。とかく近代的な精神の持ち主なのだ。対立する教皇との駆け引き描写は、戦争にはない面白さ。
佐屋

塩野氏の著書は初めて読んだけども、氏のフリードリヒ2世への熱量が強く感じられる上巻。下巻はその生涯のかなり後半に差し掛かったところに筆を割く配分なので、今からわくわくしてしまう。また、読んでいて思い出したのは『薔薇の名前』、舞台そのものはフリードリヒ2世死後の100年くらい後だけども、主人公がフランチェスコ会修道士、確か後半登場する異端審問官がドメニコ会修道士だった。正直太刀打ち出来なかった読書だったけども(映画は好きで何度も見てる)今ならもう少し掴めるだろうか。

05/16 12:00
0255文字
Tsuyoshi  Iijima
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塩野さんの認める偉人フリードリッヒ2世の話。流石、超合理的で魅力的だ。交渉方法などとても面白く読めた。下巻も楽しみ。
0255文字
Yoshito♐
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我が国の織田信長も、旧体制の破壊者という意味では日本史におけるエポック的存在だけど、やはり世界は広い。信長より300年は昔にこういう人物が現れている。われわれ日本人には”暗黒の中世”というイメージしかないけれども、一陣の涼風を感じさせるFriderich The Second。
0255文字
s
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文章の熱量と恍惚に追いつけなくて、少しずつ読み進めました。中世後期を分かりやすく解説してくれます。個人個人への考察は小説として理解して読んでいます。 最近は電子書籍で読むけれど、これは紙で行きつ戻りつしながら読まないと分からなくなりそう。
0255文字
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皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上巻 (新潮文庫 し 12-102)評価71感想・レビュー129