読書メーター KADOKAWA Group

蚕と戦争と日本語—欧米の日本理解はこうして始まった

感想・レビュー
3

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
むっち
新着
ネタバレ蚕は、富岡製糸場が出来た頃にヨーロッパで流行った微粒子病でヨーロッパの蚕が壊滅状態となったため、絹を重要な産業としていたフランスイタリアで、日本の養蚕業の技術を得るために日本の「養蚕秘録」がさかんに翻訳され、日本産の商標の真贋を見極める漢字の商標の知識が必要だったから日本語を習得する動きが急速に広がったことに由来し、戦争は、日清、日露、世界大戦の最中で大国に蹂躙されていたアジアやヨーロッパの小国が日本に学ぼうと親日が広がったことや、敵国が研究のために習得しようとしたことを示している。
むっち

そして今はアニメや漫画を知りたい外国人が日本語を勉強しているが、オランダに限定した鎖国時代から、経済活動等がきっかけで、優れた日本の製品を得ることが動機となった外国の方々が、粘り強く日本語を学んでいたこと、そうした方々が日本の文化を紹介していたことは知っておくべきことだろう。  後半の戦争目的での日本語研究は、無味乾燥な印象をもつのは、戦争がきっかけという国をあげての事業として営まれたからだろうか?それでもそうして学んだ人たちが日本文化を紹介した話や各国で日本語教師が各国でスパイ容疑をかけられた

07/19 13:59
むっち

エピソードなど興味深い話も多い。アメリカの日系二世たちが、武士道(=藩への奉公)としてアメリカへの忠誠を示そうとした話など個人と国家の問題も考えさせる材料となった。日本語を学び外国人のために個人的交流をもった日本人との交流、国と国ではなく個人と個人の交流エピソードが一番ほっこりして楽しめるエピソードです。

07/19 14:02
0255文字
Nobu A
新着
1億2千万人の母語であり世界で学習者数約4百万人の日本語。欧州のように陸続きに国が隣接せず、しかも長い鎖国も経験している日本。日本語がどのようにして今日の普及に至ったかを日本語教師(大学教授)の著者が紐解く。文化複合。言語と文明は共に伝播。それぞれ日本語に対する時代の需要があり様々な興味深い歴史が見えてくる。教科書もない時代に懸命に語学学習に勤しむ外国人、戦時中の日本語教師の使命感と葛藤等、当時の人達がどんな思いで日本語を学び、また教えたのか思いを馳せ浪漫を禁じ得ない。日本語教育の視点からの稀有な言語史。
ホシ

読みたい本に登録させていただきます!

07/07 08:08
Nobu A

ホシさん、コメントありがとうございます。映画化されないかなとすら思ってしまいました。とても興味深く先人の方々の生き様が浮かんでくるような本でした。2020年2月新刊ホヤホヤ。お薦めです。

07/07 09:26
0255文字
全3件中 1-3 件を表示

この本を登録した読書家

今読んでいる読書家全0件中 新着0件

登録しているユーザーはいません

積読中の読書家全2件中 新着2件

蚕と戦争と日本語—欧米の日本理解はこうして始まった評価80感想・レビュー3