形式:単行本
出版社:みすず書房
本書は全体として現在の経済学主流派の理論である新古典派を批判しています。新古典派の理論は純粋な数学モデルの理論としては良いのかもしれません。しかし、現実への適用可能性を欠くため、我々が知りたい「金持ちはなぜ金持ちで、貧乏人はなぜ貧乏人なのか」、「経済危機はいつおこるのか」、「失業者はなぜ存在するのか」等の問いの対する答えを提出できないことを著者は問題視しています。こういった問題に対しては、現実と対決した(しかし現在では忘れ去られてしまった)スミス、マルクス、ケインズから学べることがあると著者は言います。
首もげ同意の感想、ありがとうございます。(お礼を言ういわれはないですけど)主流さんたちの言説は、学問でさえないと僕は思います。せいぜいが、政治的マニュフェスト。
そもそもきゃれらさんのレビューを拝見して本書を手にしたものであり、こちらこそ良書をご紹介いただきありがとうございました。仰ることよく分かります。もう一つ挙げておくと、ロナルド・コースの「新古典派は、森のはずれでイチゴとナッツを商っている一匹狼しか分析できない」というコメントも面白かったです。
なんで経済学を追いかけることになったかというと、佐藤優氏の「いま生きる資本論」がきっかけで、原典を四苦八苦の末読んだところで、今度は出口治明氏に著書内で「国富論は読むべき」と強烈に勧められ、解説本を検索するうちこの「スミス・マルクス・ケインズ」を見つけて、「ケインズも読むか」となった次第。でも、この本のほかの方の感想でも書かれてましたが、この3人は現代の経済学では無視されていると知り驚愕。何もできてないくせに、なんなんだよ現代の経済学って。
忙しい人は、この本(高いけど)読むと、3人の行ったことのエッセンスはわかると思います。ただ、原典を読んだ後だったから、より理解できたのと、この本の著者の要約・主張を多少批判的に読めたのも確か。この3人は、主張を要約されることで歴史的には大きく誤解されているところがあるのだし。そのこと自体も、この本には書かれてますけどね。
国民の誰も「エボラ並みの2類」とは思っていないと思います。やはり政府の説明不足・発信不足・認識不足としか思えません。
ケインズ「一般理論」の要約を今読んでいます。なんかすごい、と思ってしまっています。コロナ禍の経済の行方を読むにも有効な気がして。これを読まないで、経済学やってるとかちょっとあり得ないんですが、そういう経済学者がいっぱいいたりするんでしょうか。おっそろしい。
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