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スミス・マルクス・ケインズーーよみがえる危機の処方箋

感想・レビュー
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おせきはん
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スミス、マルクス、ケインズの生涯と経済学に果たした貢献がまとめられています。人物としてのマルクスの姿が、勝手に抱いていたイメージとあまりにかけ離れていたのが私にとっては大発見でした。
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trazom
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こんなに面白く読めて、こんなに何度も目から鱗が落ちるというのは、そもそも私が、経済学の基本を全く理解してなかったということなのだろう。それにしても、ドイツの経済ジャーナリストである著者が新古典派経済学に抱く敵意は徹底している。自由市場を盲信し、マクロ経済がミクロ経済から連続的に構築できるとする傲慢さを厳しく糾弾する。だからこそ、「資本主義は人類が作り出した唯一の動学的な社会システム」だとして、経済活動が個々人の意図と異なる現実を生み出すパラドックスと格闘した三巨人の謙虚さを、今振り返る意味があるのだろう。
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Nao WOLF
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面白い本でした。印象深かったのは、スミス、マルクス、ケインズの生涯が書かれた章です。スミスは自分のアイディアが誰かに奪われないか気にするあまり、大学での講義中に学生がノートをとることを禁じたというびっくり仰天のエピソードがあります。マルクスは学生時代に仕送りはあるだけ使ってしまうという浪費家で、両親から仕送りだけでなく苦言ももらうという始末です。しかも生涯にわたって浪費家で、エンゲルスからの資金援助を頼りにしていました。ケインズは公務員?のような仕事に就いたもののあまりに暇すぎて博士論文を書いたそうです。
Nao WOLF

本書は全体として現在の経済学主流派の理論である新古典派を批判しています。新古典派の理論は純粋な数学モデルの理論としては良いのかもしれません。しかし、現実への適用可能性を欠くため、我々が知りたい「金持ちはなぜ金持ちで、貧乏人はなぜ貧乏人なのか」、「経済危機はいつおこるのか」、「失業者はなぜ存在するのか」等の問いの対する答えを提出できないことを著者は問題視しています。こういった問題に対しては、現実と対決した(しかし現在では忘れ去られてしまった)スミス、マルクス、ケインズから学べることがあると著者は言います。

02/26 17:28
0255文字
numainu
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評価C
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孔雀の本棚
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Encounter Scopes 経済学史をビッグスリーから読む。スミスを導いたヒューム、マルクスのプライベート(数学嫌い、浪費癖、タバコと原稿)、ケインズとウルフの接点、哲学好きにはたまらない切り口。ケインズ≒マクロ経済学のイデオロギー的敗北、資本主義の真の再生には新古典派による誤読・僭越を乗り越えねねばならない。 Unclear Next Comments
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Sam
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著者はドイツの経済ジャーナリストとのこと。一応「経済学士」の自分としては「経済学という学問分野を創設し、変革したのはこの三人の理論家だった。この三人だけが自分の学問分野の座標軸を新たに定義した」という評価に深く頷く。そして著者は返す刀で舌鋒鋭く新古典派(と現在の主流派経済学)を批判していく。フリードマンもルーカスももうボロカスである。一つの視座からこの三人を描くという、ありそうでないコンセプトが見事に成功していると思う。今まで知らなかった三人のエピソードも満載で、文句なく楽しめた一冊だった。
きゃれら

首もげ同意の感想、ありがとうございます。(お礼を言ういわれはないですけど)主流さんたちの言説は、学問でさえないと僕は思います。せいぜいが、政治的マニュフェスト。

01/13 16:36
Sam

そもそもきゃれらさんのレビューを拝見して本書を手にしたものであり、こちらこそ良書をご紹介いただきありがとうございました。仰ることよく分かります。もう一つ挙げておくと、ロナルド・コースの「新古典派は、森のはずれでイチゴとナッツを商っている一匹狼しか分析できない」というコメントも面白かったです。

01/13 16:46
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Q
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数学に傾倒して現実を無視している主流派経済学への批判と、経済学史に残る巨頭の生涯・思想・著作を振り返る本。 最近増えてきた数学オタク主流派批判。個人としてもずっと抱えてた違和感が社会的にも認められてきていてうれしい。
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きゃれら
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経済学の歴史を追う読書の区切りとして、読んでよかった。圧倒的良書。資本主義そのものに正面から向き合い解明していった過程を、3人の偉大な経済学者のパーソナルストーリーから語り起こし、その理論のエポックメイキングなポイントをわかりやすく読ませてくれる。また、3人それぞれが解決できずに無視した点や今となっては誤りだったと言わざるを得ない点についても、遠慮なく指摘してくれる。現在も経済学界を席捲しているという新古典派・新自由主義者が、危機を予見できず、ほぼ何もできていない現状を鋭く批判。
きゃれら

なんで経済学を追いかけることになったかというと、佐藤優氏の「いま生きる資本論」がきっかけで、原典を四苦八苦の末読んだところで、今度は出口治明氏に著書内で「国富論は読むべき」と強烈に勧められ、解説本を検索するうちこの「スミス・マルクス・ケインズ」を見つけて、「ケインズも読むか」となった次第。でも、この本のほかの方の感想でも書かれてましたが、この3人は現代の経済学では無視されていると知り驚愕。何もできてないくせに、なんなんだよ現代の経済学って。

01/13 15:19
きゃれら

忙しい人は、この本(高いけど)読むと、3人の行ったことのエッセンスはわかると思います。ただ、原典を読んだ後だったから、より理解できたのと、この本の著者の要約・主張を多少批判的に読めたのも確か。この3人は、主張を要約されることで歴史的には大きく誤解されているところがあるのだし。そのこと自体も、この本には書かれてますけどね。

01/13 15:30
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mkk
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現代の主流派経済学が資本主義を主な分析対象にしていないことが理解できる。スミス、マルクス、ケインズは専ら社会思想史や経済学史の分野で議論されているのか。
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風に吹かれて
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現在、三人の経済学を教える大学はほとんどないそうだ。確かに私が大学で学んだ経済学の科目は限界効用論などの新古典派経済学を内容にしていた。生産を増やしても価格が下がり売り切れる。供給と需要は均衡するし商品の価格も均衡する、という均衡理論だ。しかし、貨幣を持っていても貯蓄し買わないということがある。社会保障の不備による将来不安がそうさせるのかも知れない。そもそも貧しいのかも知れない。だから、全く自由な経済活動は社会を貧しくするし、そこに公共的な政策が行われなければ、貧富は拡大する。➡
風に吹かれて

国民の誰も「エボラ並みの2類」とは思っていないと思います。やはり政府の説明不足・発信不足・認識不足としか思えません。

12/16 07:44
きゃれら

ケインズ「一般理論」の要約を今読んでいます。なんかすごい、と思ってしまっています。コロナ禍の経済の行方を読むにも有効な気がして。これを読まないで、経済学やってるとかちょっとあり得ないんですが、そういう経済学者がいっぱいいたりするんでしょうか。おっそろしい。

12/23 18:31
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羊山羊
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タイトルはこうだが、経済学史の要点をピンポイントでまとめてくれている良解説本。スミス・マルクス・ケインズの名はやはり偉大なのだと再認識。最後の方で経済を科学の領域に落とし込んだ新古典派を激しく糾弾して、経済学を動的な人間社会を相手取る、資本主義の研究学問とするべきという主張が印象的。経済学は真理を追い求めるだけでなく、時代によってその内容を変えてゆく必要があるのだ。
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