[2023年に読みたいと思っている本]
◎小林秀雄全集。『世阿弥 最期の花』が面白かっ
たので、藤沢周をいくつか。『MISSING 失われ
ているもの』が良かったので、村上龍もいくつか。
◎『神曲』や『ドン・キホーテ』などの古典。アイ
スキュロスの『縛られたプロメーテウス』が面白
かったので少しギリシャ悲劇も読んでみたい。
◎歴史や民主主義に関するもの。
◎積読本を更新すること。もちろん、積読本を読ん
で新たな積読をすること。
≪2022年の読書の主なもの≫
◎小説以外から。ゼ―バルト『空襲と文学』(鈴木
仁子訳、白水社)。第二次世界大戦でのイギリス
空軍による無差別絨毯爆撃。爆撃による人々の苦
しみの真実を伝える文学の意義。アメリカがいく
つもの戦争で行った無差別殺戮を検証する『戦争
の文化』(ジョン・W・ダワー、三浦陽一監訳他
、岩波書店)とともに大国の帝国的差別的攻撃を
考えさせられた。
◎日本の小説から。『世阿弥 最期の花』(藤沢周
、河出書房新社)。佐渡ヶ島に島流しされた世阿
弥。島の人々が彼と共にひとつの能の舞いを作り
上げる。世阿弥が天空に舞うかのような藤沢周の
描写の冴え。感動した。
◎海外小説から。翻訳本も原書も読んだ『クララと
お日さま』(土屋政雄訳、早川書房)& “KLARA
AND THE SUN” (faber)。観察したことから学
び考えるクララ。『恋するアダム』(イアン・マ
キューアン、松村潔訳、新潮社)
(原題:MACHINES LIKE ME)のアダムはイン
ターネットを通じてあらゆる情報から学ぶ。アダ
ムは限定生産のうちの一台。人間のあらゆること
を学ぶということは人間の矛盾も学ぶということ
なのだろう。矛盾に耐えられないからか生産され
たアンドロイドの半数ほどが自らシャット・ダウ
ンする。太陽をまっすぐな心で信じるクララと好
対照。AIロボットを生かすも殺すも、人間がど
う生きるのかにかかっているのかもしれない。
《2021年の読書の主なもの》
◎日本の小説は二人の作家を中心に読んだ。夏目漱
石の全小説再読、遠藤周作の所有本を再読。充実
の読書だった。
◎エミリー・ブロンテ『嵐が丘』がこのような作品
だとは想像していなかった。一気読み。シェイク
スピアの戯曲は永遠のmasterpiece。コルソン・
ホワイトヘッド『地下鉄道』は小説的想像力によ
って構築した希望。ジャック・ロンドン『火を熾
す』、また読みたい。
◎再読であったが、ジョン・ダワー『敗北を抱きし
めて 増補版‐第二次世界大戦後の日本人』で、
日本人として知っておくべき日本の姿を改めて見
せてもらった。
◎池澤夏樹が時間をかけて訳出した話題の詩集『カ
ヴァフィス全詩』、古代の歴史に人生を読み込ん
だ詩に感銘を受けた。
《2020年の読書の主なもの》
◎漱石の俳句、文学論、評論、安部公房の小説を読
む。安部公房の『方舟さくら丸』は傑作だと思
う。
◎フォークナーの土地と人間の深い結び付きと人間
が生きることの生々しさに感銘。特に『八月の
光』。
◎小説以外では、宮本ゆき『なぜ原爆が悪ではない
のか アメリカの核意識』は教えられること多か
った。
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