形式:ライトノベル
出版社:KADOKAWA
ようやく走り抜けました~。 “若干残念だったところ”が、見事なほど同じ意見で、書ききれなかったこと全部書いてある! ってなってました笑
今作ダークな世界観が良くも悪くもきっちり作用してますよね笑良い意味でラノベらしからぬ陰鬱さを楽しめる一方で、ラノベでは半ばお決まりの完全ハッピーエンドにはならないという絶妙な塩梅の終わり方を迎えて、でもそれが癖になってしまうんですよね…笑きぃさんの感想を読んで私もまた今作を再読したいなぁと懐かしい気持ちになってました笑
あと、カイトがアリスの虐殺で力を蓄えていたってところで、うわぁ…と思ったのは自分だけじゃないはず。確かに前から引くほど惨劇に慣れてきっているという感性の狂いはあったけど、虐殺が起こる事を前提として計画を組み立てるほど、真人間離れはしてなかったよ。見えにくいけど、こういう所で美しく綺麗な聖人ではなくヴラドのマイディアだなと感じさせてくれるわ。
前半の王都戦でエリザベートの救済は完成してるから後半でアリスの物語が描かれると思ったけど、あっさりしてたなぁ。別に誰もが大事な物のために戦っていたあの世界で、アリスがやってきたことは他の皆と同じで何も間違ってない、他者から責められるものではないんだよ。それでもカイトの言う様に、罪は存在している。この罪というのは所謂悪い事をしたというものではなく、何かを為す時に生じる必然の反作用。自覚無くこの罪を重ねているのがアリスであり、等身大の人間として成長する事によって初めて自責するべき罪なんだよね。
やはりカイトは自己犠牲の男で、終わりも一瞬であっけなくて読んだ時は困惑したが、そこを上回っていく御嫁様すき。最初の出会いを再現するのオタク好きっていうのよくわかってんじゃん、エリザベート様(というか作者様)!!
あの寄せ書き…エリザベート愛されてるなぁ…。
かったのは少し辛い。せめて最後くらいもう少し協力して闘う〜みたいな流れを見てみたかったなと思う。あと、アリスの処遇。確かに彼女も物語の被害者ではあれど、犯した罪の数々は決して許せるものではなく、九巻終盤のあの人物の死は美しく儚くもどうしても残念な結果であったので、この辺りを踏まえて見てみると少しもやもやが残ってしまう。また、そんな死を迎えた人物のその後ももう少し描いて欲しかった。決して生き返らせて欲しいという訳ではなく、エピローグの雰囲気的になにか救済措置があるのかと思わず期待してしまった…まあこの辺り→
は完全にこちらのワガママなので、あくまでそんな展開を迎えていたら良かったなというくらいのものだけど… 兎にも角にも最後までこの物語を読むことが出来て本当に良かった。次回作もきちんと追いかけようと思う。
これまで読んで「人形」としか思えなかったアリスも、エリザベート(と櫂人)やジャンヌと向き合う中で、愚かでも哀しくても「選択」をした。最後は彼女も愛しいキャラクターの1人であった。
結末の仕掛けは、なんとなく予想の範囲内ではあったが(というか、他に着地点が存在しないだろ、っていう)紅い部屋の意味は読めなかった。最後まで慄然とさせられる小説だった。
また彼女との約束も破り、それもこれも彼女が生きているがために、愛する彼女の世界を護るため全てを終わらせた。 これ以上ないくらい綺麗な終わりかたを見せてくれた これ以上ないくらい見事に原点へと舞い戻った そして、夢見た先の小さな願いの物語は心に刻まれるはずだ(感涙) ほんとよかった!エリザベートへの寄せ書きが、前後の話のせいでほんま愛されてたんだなぁと伝わるからの微笑ましさとだから思わず泣きそうなった!
最期まで一緒だったあの二人のシーンは涙で続きが読めないほど。そしてラスト、パンドラの箱に最後に残っていたのは希望だったように、これでもかと読者を絶望と悲哀のどん底に叩き落しておきながら、ちゃんとあの形で締めてくれたことに胸が一杯です。本当にいいシリーズだったー!!
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