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ポスト・スポーツの時代

感想・レビュー
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すいか
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AIの進化によってパフォーマンスのデータとして、また資本主義的原理に支配されたオリンピックなどの巨大スポーツイベントにおける商品として、アスリートをあくまで「身体」として叙述することで、商業主義の客体としての「身体」に閉じ込められ、欧米植民地主義のもと、人格を無視された「モノ」としてアスリートが扱われる現代スポーツの問題を厳しくえぐり出した上で、「ポストスポーツ」とは「物言うアスリート」たちが社会的活動の中にパフォーマンスの場を求める「新しいスポーツ」運動であると述べる。
すいか

第Ⅲ部を読むと、「オリンピックなどクソだ」と言いたくなるが、商業的価値のみを追求し、人権問題に背を向ける現代オリンピックであるが、まだ存在意義があるとすれば、物言うアスリートたちの利権集団に対する戦いの場としてではないかとも。

04/10 20:31
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ときわ
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難しかった~。日本語なのにほとんど意味が分からない文章もたくさん。でも自分でも不思議なんだけど読み切った。最近は堪え性が無くなって、つまらないと思ったらすぐに読むのをやめてしまうのに。ここ何年も競技スポーツについてもやもやしたものを感じていた。自分でもちゃんと指摘できなかったもやもやを、ちゃんと考察してくれていた人がいたのだ!と思えてすごく嬉しくなった。ものすごくたくさんの情報が詰め込まれていてアップアップだったが、こういう学問の仕方があるんだと知ることができ、感動した。
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Masaki Sato
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データ革命やe-スポーツから見るスポーツの身体性、メキシコ五輪のスミスとカーロスなどのアスリートのソーシャルな意味付けなど。ベースがあるので全体として散らばってる感じがしたが一つ一つはとても興味深い。スポーツと身体の論考はやはり多木浩二が一つの到達点なのかな。
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fs_htnk
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著者は反東京2020な書籍をいくつか出してるようで、自分にとってはいま生活する上ではまったく役に立たないであろう論文ではあるんだけど、「ビッグデータと変容するスポーツ競技」「前ー個体性のスポーツ」でまとめられた第一部は、日ごろ漠然とイメージしてたものとわりと近くて、それを言語化したらこうなるのかもなあ、学者スゲーなあ、と。これが名著かどうかは第二部以降が自分にはクソ難しくて評価のしようがないものの「岩波らしい」な一冊だとは思う。
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土橋俊寛
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ポスト・スポーツとはスポーツがテクノロジーやデータを取り込んでいく現象である。『マネーボール』を思い浮かべると分かりやすい。 本書はポスト・スポーツをキーワードとする体裁を取りながらも「ポスト・スポーツ」という用語の意味が章によってだいぶ違う。そのため本書は全体としてのまとまりを欠く。競技大会やスポーツそのもののあり方を考察するにあたって1章と2章の内容はとても示唆に富む。それだけに、この2つの章だけを1冊の本(新書など)にまとめなかったのが残念に思えてならない。
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Jey.P.
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近代スポーツの変化を多角的に論じている。ビッグデータによる主体の変化、政治参加するアスリート、習慣の解体と社会のスポーツ化、X Sportsの批評性…スポーツだけでなくゲームやカルチャー論にも援用できる論点が多い。
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しんさん
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パラスポーツやeスポーツの隆盛、データと融合する新しい身体性の模索、人種差別とアスリートの政治的主張などの事象と、デリダ、フーコー、ドゥルーズら哲学者、社会学者の論を使って未来のスポーツのあるべき論を考える、なかなかに難解な本でした。 イチローが引退会見で「プレーの主人公は誰なのか(人なのかデータなのか)」と発言していたのは知らなかった。
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K.C.
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非常に示唆に富んだ本。たぶん書評で引っかかって手に取ったものだが、スポーツをめぐる様々な問題を取り上げていて非常にタイムリー。障害者スポーツが障害によって区分けされすぎる弊害、ビッグデータ、eスポーツ、BLMをはじめとするソーシャル・アスリート、マスコミによる神話、ライフスタイルとの融合。社会学の用語はいちいち辞書を引くしかないが、視点が変わる一冊。2月の脱稿、3月の刊行だが、全米オープンにおける大坂なおみの一件も織り込んでいたら、さらに身近になったかも知れない。良書。
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松宇正一
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データ革命がもたらした野球の変化。「フライボール革命」や「マネーボール」における出塁率と長打率。そして象徴的な2番坂本。アフリカ人ランナーたちの強さはその「高い身体能力」によるのではなくその走り方にあり、大迫傑は彼らの走り方「フォアフット走法」を会得したことで彼らと肩を並べるスピードを手に入れた。厚底シューズはそれを可能にするためのアイテムだった。など、ビッグデータによるスポーツの劇的な変化と、ソーシャルなアスリートたちによる闘いの歴史といった様々な「ポスト・スポーツ」について学べる良書。★★★★つ。
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ああああ
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哲学や社会理論を使って「ポスト・スポーツ」を説明しようと試みている。それ自体、理論的な当てはまりはあるし、「説明してくれた」感じにはなる。しかし、いかんせんエッセイちっくになってしまっているのが何とも。すなわち、実証的じゃない。岩波書店からスポーツ関連の本はあまりでていないので、今後後発する書籍が出てくるのを期待したい。というより、岩波の伝統としてこういう本やっぱ多いなとつくづく実感。それがいいところではあるんだけどね。
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