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冬雷 (創元推理文庫)

感想・レビュー
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山内正
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鷹が椋鳥の群に飛び込み追っ払った 代助の仕事は終わった 帰る道でイベントの打合せとガラスの駆除の調査があると 三森龍の妹愛美が首を吊ったのは二年前 代助に遺書を残して 兄の言う事に拒み 続けた チャイムが鳴り警官が来た 千田さんの遺体が見つかりました 神社の氷室の中で死因はまだわかりません 十二年ぶりに神社のある町に来た あんた何しに今更てを合せに来たか? 代助を追ってこの町出たが結局この町に戻り死んだ 妹に手を合わせてくれたな 真琴に会えば何と言えば! 真琴か疑われてると死体発見者だからな
0255文字
Satoshi
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古くからの因習に縛られた一族に養子として迎えられた主人公。追われるように出ていった村で行方不明の義弟の遺体が発見されたことから、物語が始まる。一部の人だけが拘る儀式に縛られる若者の姿は現代社会の縮図にも見える。伝統や面子のために殺人事件まで口をつぐみ真相が埋もれるのはやるせない。あと、主人公とバディ組んでた龍の扱いはもっと丁寧にしてほしかった。
0255文字
kee
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閉鎖的地域のミステリー。王道の設定なんだけど、 どことなく華やかさ美しさが目立つ因習だなと思う。ミステリーとしては薄め、探偵役が登場するでもなく、顛末も予想がつく。心理的な揺れ動きも、若干鮮やか過ぎるというか、物語過ぎるというか。でも、話がもたつくことなく、特に中盤ぐらいから怒濤の展開をみせてのめり込むように読んだ。ということで面白かった笑。今回読んだ文庫版は加筆があるらしいが、どこの部分かすぐわかった、ほっこりする。
0255文字
葉月
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ネタバレ傑作だ。孤児院出身の養子の少年と巫女の少女の悲恋を描いた作品。運命の美しさと残酷さを写しとる筆致が素晴らしく、特に山場で同語をあえて重ねて使う表現に迫力がある。ミステリとしての結末もどうしようもない人間の業を感じさせるものでやるせない。最後の最後に救いを用意する幕切れがあざといのだけれども尊くてずるい。
0255文字
ヒマジン
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毎度の事だが、この作者は読者を裏切らない本当に稀有な作家の1人なのだと今作でも思い知らされた。 物語、キャラクター、ストーリー、その全てに感服。 未だ未読のものはあるが、同じパターンはない様に思われる。 唯一共通しているのかなと言えるのは、主要登場人物にこれでもかと試練を与える、いや与え続ける。だからこそ最後に光を見い出せた時に得られるカタルシスは半端ないのだろう。 この作品もご多分に漏れず、主人公に課せられるものはとにかく半端なかった。 と言う事は・・当然読了後のカタルシスも半端なかった。
0255文字
tamazou
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ネタバレ古き風習に縛られた田舎の描写が綿密。閉鎖的な人間関係とは対照的に、開放的な自然の情景が美しかった。/ミステリーの要素は弱め。特に解決シーンは、状況が状況とはいえサクサク進んでオマケみたいな感じ。主人公の不遇な少年時代に、まともな大人が周りにいなかったのが悲しい。/エンディング後は色々ごたつきもありそうだが、終わりが爽やかなのでヨシ!
0255文字
ばんぎらす
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★★★★★
0255文字
Rada
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ネタバレ初読み作家さま。日本海沿いの地方の古いしきたりに縛られた者たち。 正直な感想として、あまり後味のよい作品ではなかった。主人公は親に捨てられ施設で育ち、養子として引き取られ、家族ができたことを素直に喜ぶ。弟が誕生したことで突き放され、弟の行方不明事件では殺人犯に仕立てられ、町を出て行く。時を経て真犯人がわかり、周囲の人間関係のドロドロさ。少し前のお昼のドラマのようだった。
0255文字
かぷち
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なんで今まで読まなかったのかと思う程素晴らしかった、鳥肌。主人公は11歳にして伝統ある鷹匠の家に養子入りする。田舎独特の閉塞感と街に面する日本海の荒々しさが感情を揺さぶる。ヒトってこんなに愚かなのか?因習で雁字搦めの町の中で一人の人間が追い詰められていく様は迫真、やり場のない怒りが諦観へ、やがて他人事に変わっていく心理描写が凄まじく圧倒的で、ドロドロの世界観に否応なしに引きずり込まれる。誰でも何かに縛られているとは思う。そんな楔を断ち切って鷹のように自由に飛んでいきたいと願うのは間違っているのだろうか。
ふじさん

彼女の作品は、人間の醜い部分に焦点を当てたものが多いですが、人を見つめる視点に温かさを感じることが多々あります。読むのは辛いですが、読みたくなるのはそんな所にあるかもしれません。大好きな作家です。

03/03 08:54
かぷち

ふじさんさん、ビックリするぐらい良かったです!たしかに辛くなる所はありましたが、心理描写がほんとに凄くて言葉で表現できません。遠田さん実はこれが初読みでした、追いかけたい作家さんになりました!

03/03 09:05
0255文字
オスカー
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主人公は鷹匠として働いている。ムクドリを追い払うのに鷹を使うというのは市の広報で読んだことがあった。社長の名前はやはり戸川幸夫からなのかな。孤児だった彼は名家に引き取られるが、そこは因習の残る港町で閉鎖的な場所。親に捨てられて拾われてまた捨てられて…私の祖父も養子に入った後に実子が産まれたので奉公に出されたと聞いたことがある。詳しくはわからない。遠田作品には因習にまつわるものが多く登場人物のほとんどがどこかおかしい。歪んでいるというよりオカシイ…殺人事件の真相は「はぁ!?」だったが、最後の言葉に救われた。
0255文字
てん
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人間関係が深く古い因習の残る村。独特の雰囲気に浸るうち、一気に読了。
0255文字
ロクハナ
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閉塞感のある話が読みたくて。解説で「嵐が丘」モチーフを扱ってると読んで納得しました。息苦しいくらいの結びつきが面白かった。殺人の容疑をかけられた主人公に「会社を乗っ取るつもりだろう!私の財産目当てだろう!」とか的外れなこと言い出す人を見るといつも「いや…あなたが価値あると思ってるものって、他人から見ると大して魅力的ではないんですよ…(むしろ笑われてるか哀れまれてる場合の方が…)」と思ってしまうんですが、それは案外本人も分かってるのかな?それにしても迷惑ではある。光が差し込むようなラストで良かったです
0255文字
はな
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ネタバレ町人がよってたかって冤罪でっち上げはあかんだろう。
0255文字
リュウジ
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★2 家族になれた!と思ったら家族になれなくて。家族を作りたりたかったのに家族を作れなくて。・・・といういつもの遠田ワールド。今回の舞台は、伝説から生まれた古いしきたりに雁字搦めになった海辺の町。その町を支配するのは古い神社と結びついた名家。跡継ぎが生まれなかったその家に孤児を迎えたことで静かに動き出す町と住人たちの運命。横溝正史ぽいともいえる展開なのだが、ただ足りない。主人公が咽び泣きたいのに泣けないとか、言いたいのに言えないとか、その臥薪嘗胆さ。遠田さんの他の作品の方が「もっと面白い」と思いつつ読了。
0255文字
なおぱんだ
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横溝正史の世界を彷彿とさせる地方の旧家を舞台にしたミステリ作品です。物語を現代に置き換えて、疑心暗鬼になった土地の人間たちがよそ者である青年に対して殺人の嫌疑をかけて徹底的に排斥しようとする姿は、血との濃さと地縁の強さによって結び付き、他者を排斥する陋習から逃れることのできない人間たちの弱さを根底にしています。その陰で誰もが心の奥に抱えた闇を恐れており、その姑息さの中でしか生きることができずに自分たちを守るために他者を排斥しようとする世界でしか生きざるを得ない人間たちの悲劇にやるさなささえ覚えます。
なおぱんだ

追記です。そんな閉鎖的な土地で起こった神隠しの謎が12年後に明らかになった時、残された人間が新しい生き方に踏み出そうと決意するという、因習を乗り越えた先にある若者たちの希望を描いた作品です。

09/15 22:18
0255文字
eternap
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薦めてくれた友人に感謝。 本を読みながら涙を流したのはもしかすると初めてかもしれない。
0255文字
Mac
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こんな社会があるんだ という感じで読み進めると入り込めない。伝統という名の洗脳に、怖くもあり力も感じた。
0255文字
相田うえお
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★★★★★23024【冬雷 (遠田 潤子さん)】遠田さん作品にハズレ無し!これも間違いなしの凄い話でした。。。《概略》その地域には何百年もの昔から伝えたれた悲劇があった。人々はそれに纏わる禍いを畏れて、鷹匠による放鷹と巫女の舞を神へ奉納するという慣わしを守ってきた。神に支える鷹匠として伝統ある千田家は子に恵まれず孤児園から大助を養子に迎えて鷹匠として育てる。大助と巫女の真琴はこの神事継承から逃れることが出来ず、運命に苦しめられる。更にはある事件に隠された謎が!という感じです。最終章は特に良かったですよ!
相田うえお

◯害鳥駆除などをする鷹匠もいるんですか?◯神社によって違うかもしれませんが『二礼、二拍手、一礼』◯本作品による鷹は、一羽、二羽ではなく、一居、二居と数える◯夏目漱石の『それから』ちと、読みにくい◯夏の雷は入道雲が発生源であることが多いが、冬雷は地面から放電するとか◯たしかに家業を継がなければならないという縛りはキツいと思う。自由な職業選択が出来ないからね◯本作品、オススメです!

04/12 00:14
相田うえお

第一回未来屋小説大賞受賞の長編ミステリ作品!

04/12 00:15
0255文字
しゅうほう
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閉鎖された町とその伝統を重んじるが故の悲劇。プロットは大好物でした。純粋に先を楽しみにしながら読めましたね。この話に救いはあったのだろうか。。。
0255文字
ts0818
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主人公の夏目代助の元に、かつての同窓生の三森龍が訪ねてきた翌日、刑事が来訪し、12年前に消息を絶っていた義弟である翔一朗の遺体が見つかったと告げられる。代助は葬儀に出ようと町に戻るが、代助に対する町の人々の態度は頑なに心を閉ざしたものだった。宿泊先の取れない代助は、龍の元に世話になり、やがて過去の回想になり、代助が町の人々から拒絶されるに至った経緯が明かされる。代助は翔一朗の死の真相を探り、遂に、閉鎖的な村社会の歪んだ環境で醸成された狂気と理解に苦しむ不条理さに隠されていた真実を明らかにする。面白いです。
0255文字
オルツィ
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ネタバレ地方の名家と神社のしがらみが何組もの恋人たちを別れさせ、自殺や殺人までが起こってしまう。ラストがどうなるのかハラハラしながら一気に読みました。 それにしても、育ってきた環境って大切だよね…気づかないうちに染められているというか、他の選択肢もあるのに見えなくなるというか。
0255文字
miho
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★★★★⭐︎ 今も残る田舎の因習。地元の有力者の顔色ばかり伺い「やったこともなかったこと」にしてしまう、また住民も実力者に時代錯誤な期待をし、地元から逃げられなくしている。最後の真琴の「今度は一緒に」の一言が希望。感情移入できる登場人物はいなかったが、特に愛美は嫌悪感を抱いてしまった。伊野尾書店さんの選書。この作家さんとの出会いに感謝。
0255文字
阿吽
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常世に行けず、現世で拗れに拗れまくったうつぼ船。マスター役は、ゲームマスターでもありました。
0255文字
ももんた
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3.5/5
0255文字
朋子
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ひどい。冬雷閣に振り回されて町を追い出され、弟の葬儀に行っても拒まれる。閉鎖的な町、伝統風習に翻弄される代助が読んでいて辛かった。しかも名前…代助と翔一郎って。
0255文字
本屋が山田
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人情もない、希望もない、あるのは昔からの因習のみ。出てくる人間に救いもなければ、地位も名誉も恋人さえも失った主人公の境遇に、心をやられてばかり。遠田潤子は、蜘蛛の糸を最初から垂らさない。一度、徹底的に地獄のどん底へと叩き落とす。そこから、差し出す細くて短い蜘蛛の糸。ほんのわずかな希望の光。99%の絶望とたった1%の光を求めて、またいつか読みたくなる日が来るだろう。でもオラこんな村嫌だ。
0255文字
倉敷
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遠田さんの作品は読むのにとってもパワーが必要なのよね…。物語自体のエネルギーがめちゃくちゃ大きくて、こっちが弱ってるときに読むと負けるのよ…。でも、というか、だからこそ、作品は死ぬほど面白いです。本作はこれまで読んだ遠田作品のなかでいちばん好きかも。異常気象が叫ばれる6月の猛暑日にだらだらと汗を流しながら、それでも確かに、うす暗い氷室のひんやりとした冷気を感じ、北陸の冬の凍てつくような寒さを感じて震えました。
0255文字
オレンジャー
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序盤でそういう事が起こるから、過去の話で養子になったあと翔一郎はいつでてくるんだと気になった。大体のプロットはなんとなく読めたから、真実が語られるとやっぱりって感じだったが、それでもやるせなさと非情な境遇はは感情移入させられる。残酷でありながらも最後はキラリと一瞬の美しさと幸せが引き立つ面白さがあった。
0255文字
かなずちラッコ
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普通におもしろい。登場人物がむかつく。
0255文字
ポール
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ネタバレ明るい内容ではないが面白かった。主人公の芯の強さと田舎の閉塞感が印象に残った。最後の真琴の「今度は一緒に」があって救われた。
0255文字
baboocon
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ネタバレ単行本で読んだが文庫で再読。この作品は創元社から出ていることもあって、他の遠田さんの作品よりもミステリ風味が強めかな?日本海に面する田舎町の名家と神社の因習にまつわる騒動。主人公の代助が養子にもらわれてからの幸せな数年間と、その後養父母に実子が出来てからの酷すぎる仕打ちによる絶望との落差はザ・遠田潤子だ。過去の事件の解決編で代助が急に名探偵ぶりを発揮したり、解決の糸口を引き出した騒ぎのキッカケになった彼や真犯人がやや狂言回し感が強かったが、エンターテインメントとしては楽しめた。
0255文字
うーたんパパ
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★★★
0255文字
まさ
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ストーリー全般を通して暗く、重苦しい空気感がずっと続いていた。日本海側の雪の街が舞台だからなのか。人物像もしっかり描かれていてとても重厚感があって読みごたえがあった。主人公の2人、代助と真琴の運命に翻弄され続ける2人をハラハラしながら応援していた。息が詰まるような展開で一気に読めてしまった。面白い1冊だった。
0255文字
YH
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相変わらず、昼メロの様な濃ゆい設定。でも、もう少しゴシックな重厚さが欲しいところ。とにかく、雄一郎の身勝手さが鼻につく。代助がちょっと大人しく、物足りない。龍の方がヒースクリフっぽいかな。
0255文字
茶坊主
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図書館本。 「鷹匠」を生業とする家にまつわるミステリー、 という設定にひかれて手に取ったけど・・・ 横溝正史的、地縁、血縁、ドロドロの世界 無理矢理感が気になってなんだかなーーー 登場人物、いちいち極端すぎ・・
tama

「いちいち極端」は最近の漫画の影響でしょうね。

02/08 14:18
茶坊主

極端な設定さえしとけば、とりあえずそれっぽくなるという・・・

02/12 09:07
0255文字
takaya
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凄まじいトラウマを抱えている主人公は、ほかの遠田潤子作品と共通ですが、この作品は血縁関係も人間関係もドロドロして、横溝正史のミステリーを思わせるものがあります。ダークな物語ですが、引き込まれ一気に読んでしまいました。
0255文字
ふじさん
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孤児だった代助は、古い因習が残る名家千田家に養子として入り、跡継ぎとして暮らしていたが、義弟の翔一郎の失踪が原因で、恋人も家族も失い、町を出て行くことになったのだが。義弟の翔一郎の訃報が届き、町に戻ることになる。そこで、語られることのなかった事件の真実が次々と明らかになる。日本の地方集落メステリーの伝統を忠実に継承しつつ、ミステリーとしての面白さも兼ね備え、登場人物一人一人の心理描写・感情表現が鮮烈な印象として残る、さすがは遠田潤子の筆致が冴えわたるベストの作品だ。
ヒロト

ふじさん、遠田潤子さんの世界、いいですよね〜。本書に限らず、この著者のファンになっています。

10/28 20:52
ふじさん

読んでいて気持ちが重くなるのにたまに読みたくなる。不思議な作家です。

10/29 10:17
0255文字
yakko
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冬雷の起こる海沿いの名家の養子になった施設育ちの代助と、神社の娘真琴の青い恋を縦糸に、業の深い大人達や同級生を横糸に、殺人や自殺が絡み一気に読みました。恋、カレー、名前等作者の作品のデジャ・ビュがあり、冊数読んで確認してみたい。
0255文字
オドリ
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閉鎖的な土地に住む、千田家に養子に選ばれた代助。親を知らない代助にとって、千田夫婦は大切な人となっていく。しかし、千田夫婦に実子が誕生したことで、代助の立場は一転する。閉鎖的な土地柄なのか?周りの人々の対応は、冷たいものえと変わっていく。代助の義弟:翔一郎が行方不明となったことで、代助の居場所は無くなる。そして12年後…。 物語は、読んでいて切なくなる。代助の捨てら時に一緒に置かれていた夏目漱石の「それから」が、親と繋がっているのだろうと最後まで気になった。
0255文字
yamakujira
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捨てられて施設で育った代助は、港町の名家に養子に迎えられた。神社のひとり娘との叶わぬ恋に悩み、千田夫妻に実子が生まれて後継の座を失い、幼い義弟の失踪で嫌疑を抱かれ、高校卒業を前に町を離れた代助は、12年後に義弟の遺体が発見されたと聞いて町に戻り、紆余曲折の末に真相を知る。因習が招いた狂気は絵空事とは思えなくて、光さすラストに救われる。暗い過去を背負った主人公、閉鎖的な地域、因習に縛られた家、今作は「カラヴィンカ」とあまりにも似た雰囲気を感じた。作風は好みだけれど、そろそろ変化が欲しいな。 (★★★☆☆)
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