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根の場所をまもる―沖縄・備瀬ムラの神人たちと伝統行事の継承

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Utsuro
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ネタバレ沖縄島北部の本部町備瀬の祭祀をめぐって、それを支える人々の世界と支える意義について、社会心理学の立場から探る内容となる。 なお社会心理学は、「歴史的制約を見据えながら、人・社会・文化の有機的統一的把握を目指す」(p5)ものと言い、そのため徹底して、語りや時に霊的な世界を含む個人の世界から、社会や文化を視ていく方向性で一貫している。その点では、文化や社会のあり方そのものを捉えようとする、人類学や民俗学とは毛並みが確かに異なる。 学術上のスタイルの違いも興味深いが、時間をかけて通いかつ徹底して地元の個々人と
Utsuro

向き合ったがゆえに出てくる伝承や証言が率直に面白い。 例えば、「北山の戦争」(※15世紀頃にあったとされる沖縄島北部での戦争)をめぐる地域伝承の数々で、戦争時に内陸側の山に男達がいて、海側の端の聖域に女達が隠れていたとの伝承は、まさに防衛ラインと避難先ではないか。 平民層では近代にはじまったウタナ(御棚)という、遠い先祖を拝む祭壇について、霊的な世界からの指示で作ったとの証言に、新たな時代に合わせた霊的な動きを思う。 地元から対岸にある伊江島に税の通知へ行き、かつ地元では塩漬けの魚を税として出したとの伝承

01/24 21:04
Utsuro

。地元で続けられた芸能(ウシデーク)について、都市部の那覇で暮らす女性達が市内の与儀公園で1か月間練習して、地元での当日に踊ったとの証言。 個人を徹底して視ていくことを通して、社会や文化を視ることに繋げる作法と、そこから様々な歴史や時に霊的な世界も垣間見る事につながる可能性、この2つを思う1冊である。

01/24 21:07
0255文字
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