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わたしに無害なひと (となりの国のものがたり5)

感想・レビュー
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toriaezkore
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7作品を収めた短編集。著者のチェ・ウニョンは1984年生まれ。「84年生まれ」をタイトルにした小説が頭をよぎった。登場人物たちは、社会の慣例とか常識とか風潮などに生きづらさを感じている普通の人々。それは、幼少期や青年期の記憶に何か傷跡を残していて、大人になっても消えることはない。それは、ある時は言葉であったり、表情や態度であったり、無言や無視さえ、未熟な心には暴力に値する。純粋であるがゆえに、相手を思うがゆえに、幼い心は葛藤し、自身を責め立てる。辛い話が多いけど、最後の2篇は心に灯りが灯った。
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やきなす
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差別や辛い過去が描かれていて少しずつ読み進めました。過去を振り返ってゆっくり噛みしめるような、寂しい味わいのお話が多かったですが、でもその中にも大切にしたい思い出もあって、何ともいえない気持ちになりました。この物語の人物たちは、過去も抱きしめて生きていくんだなと思えるところがよかったです。
0255文字
むい
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誤解を恐れずに言うなら、ありふれた傑作小説。褒めようとしても凡庸な褒め言葉でしか表現できないんだけど、そういう他者にとってはくだらなくて自分にとっては大切な気持ちの小さな一欠片ひとかけらを昇華させて紡がれた端正なフィクションというかな。覚えていよう、私たちが行けるいちばん遠い場所まで行ったのだということを。
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くさぶえかんの
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辛すぎて一話づつしか読めなかった。こういう体重の乗った(?)作品がすき。
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Apollo
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英題の「Someone Who Can't Hurt Me」の方が読後の気持ちになじむ。強き者が小さき者に与える暴力に怒りを感じるのは当然だけど、自分を守るために、自分と同等と感じる友人や兄弟を無意識に傷つけてしまう、その心の痛みからは、生きている限り付きまとうものだろうか。
0255文字
takao
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ふむ
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み
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ネタバレ愛し合った女の子たちが別れるまで(家庭環境の違い)優秀な兄に暴力を受ける妹(男を産めなきゃ意味ない)母に育てられた仲良しではないが愛し合う姉妹、パソコン通信でつながって2年過ごした私たち(家庭環境の違いと依存)レズビアンだと告白した友達を拒絶した罪を修道士の元恋人に話す、叔母さんに育てられたのに置いて行かれた私が叔母さんの年齢になった、親の脛をかじり続けた弟が家族の犠牲になり続けた韓国人の姉とアイルランドで出会って別れるまで。苦しいけどあるんだろうし、話は忘れても感情は残る。
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よみ
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ネタバレこちらもまた、お気に入りの短編集。初めて読んだ時、私は友人との別れを経験したばかりで、過ぎ去ってしまった人たちを思ってわんわん泣いたけど、今回はそんなことはなく、しみじみと人の心の機微に震えた。特に、「砂の家」の3人の痛々しくも確かな友情の在り方よ…。 「差しのべる手」の叔母さんの「私は朗らかな人、深刻じゃない人、軽い人、そういう人でいないと捨てられるし、関係を結べないと学びながら育った」という生き方は共感性が高く、そして辛い。
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simple_person19
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恋でも愛でもない心に刻まれた秘められた存在への慎ましやかな回答。規定された関係性の外にある心奥で、繋ぎ合っている手のような、誰にも(相手にも)明かされない、沈黙のなかで燃えたぎる真実に触れたよう。
0255文字
n
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ネタバレ誰かに傷つけられるということだけでなく、誰かを意図的にあるいは無意識に傷つけること、自分を守ることや責めることがたくさん描かれていた。外から見て合理的とは見えない方法でも、それぞれが自分なりに折り合いをつけている。慰めは、自分は絶対そうならないという確信のもとにかける言葉なのだろうか、そしてそれは悪なのだろうか。がんじがらめになりながらも人と繋がったり救いを求めたりしながら、みんな生きているのだろう。一番刺さったのは砂の家。
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てまり
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双方向のコミュニケーションを真面目に志すことはこんなに苦しいのだな、という作品集。しかし苦しいことだけではなく、その時その時のかけがえのないきらめきが印象に残る。
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よる
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小説ならではの構成や描写のうまさに唸った。が、テーマの重さがちょっとしんどかった。
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sau
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エモいなんて言葉でまとめたくないけど、なんかぎゅーーっと心が締め付けられて泣きそうなのに涙は出てこないようなぐちゃぐちゃな感情。 なんとなく味わったような感情がそこかしこにあってメランコリックな気持ちになる。すごく好きな作風だった。 2024/08/22
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風祭
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とても面白かった。共感したり、心が痛くなったり、読んでいて色々考えさせられる作品だと感じた。人生を描いているのに、時には恋愛小説にも思えるし、この作家さんの作品を沢山読みたい。作家さんからのメッセージも何かいいなあ・・と思いました。
0255文字
mmm
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★★★
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DEE
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七篇からなる短編集。そのどれもが過去にまつわる話であり、傷ついたり傷つけたりしながら今が過去に変わっていく。「またね」が来ないことは分かってるのに、「またね」と言ってしまう。誰もがそんな過去の一つや二つ持っているんだろう。
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りんご
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これはきっと誰にでもある、心の奥底にしまっていた繊細で忘れられない記憶の数々。曖昧で、葛藤を含む関係性がリアルだった。
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お砂糖
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どの作品もそれぞれ静かに重く苦しく、少しづつでないと読み切ることができなかった。「あの夏」と「アーチディにて」が映画を観てるように情景が浮かんできて、特に好きかな。
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そろろ
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ネタバレあとがきの、「ストーリーは記憶には残らなくても、感情は記憶に残るから」って言葉がものすごく心に刺さった。読書をしていて苦しかったり、気持ちが分からなくて一生懸命理解しようとしたり、そういう過程を大切に本と向き合い続けようと思いました。
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おにぎり
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無害な人になることで自分を守って生きている。辛い話が続くので最後まで読めないかもしれないと思った、けれど四話目の「砂の城」で引きずり込まれてしまった。砂が少しずつ形を変えていき、形がなくなっても砂粒としては残る、そんなイメージを起させるこのタイトルはすごい。ただの物質として残るなんて素敵なことだと思っていたけど、この物語ではそれが悲しくてたまらなかった。一人なのと誰かがいたのとではきっと全然違うんだろう。全編通して、ここまで心の機微を感じ取り、何気ない情景描写で刺さるように表現してしまうのは才能だと思う。
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みい
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再読。以下メモ。『スイと別れるとしたら、その状況下にあるイギョンを完全に慰められる唯一の人間はスイのはずだった。矛盾する過程だが、もっとも真実に近い仮定だった。』『ただ最後まで善い人として残りたいという欲と偽善でしかなかったことに当時のイギョンは気づけなかった。スイはそんな安っぽい嘘をつかれていい人間なんかじゃないという事実にも。』『大人になってからの人生は、どんなに待っても来ないものをひたすら待たなきゃならなかったから。』『重力と摩擦力のある世界に生きているからラッキーなんだ。』
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あめのひ
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「明るい夜」が面白かったので読んだ。著者は心の痛みについてとても深く描くのが得意な人なんだなと思った。描写が素晴らしいゆえに辛くなって休憩しながらどうにか読んだ。
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かしこ
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韓国の小説は何冊か読んだが、社会状況はハードで、感情のやり取りがキツく、読んでて疲れがちになったものだが、この本は良かった、とても気に入った。 若者の恋と別れ、幼い頃の寂しさ、考えが足りず過ちで人を傷つけてしまった悲しみなどを題材にした短編集。 果実が傷つけられて匂い立つように、人の心の悲しみが表現されている。
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Momoko Nishikawa
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古書店で購入。主に若い女性の家族、友人との関係、進学、仕事、生き方のプレッシャーなど身近にあるようなことを、言葉にしていて共感した。家族の中での支配や暴力にさらされる若い女性の姿は痛々しい。でも自分は違うとそれを見てないことの方が、もっと痛々しい。
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Goma
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友情や愛情が登場人物の数だけ全く違う形で美しく書かれている素敵な短編集。 たくさんの生命が息吹いているなか、私はLGBTQ+を友人に理解されずに死んでいった少女のお話が1番胸に刺さりました。 1人1人を2択3択で区別せず、どんな仲でも出会いと別れは必ず一緒に来るというのを韓国文学から何度も教えてもらいました。
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町田
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ネタバレウンジみたいな人いるよね…ほんのりと好意を出してきたかと思って、こちらは心を動かされ、いざ付き合ったら「前付き合った人が忘れられなくて…」みたいな。全体的に心の奥が痛む作品だったように思います。また読み返したいな。
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HISA
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☆☆☆「明るい夜に」がとても良かったので手にした。特に最後の短編が好きだった。お互いの人生が交差しないとわかったとき、関係を断つ決断。すごく切ないけど、こんな思いやりもあるのかも。
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イカロスのつばさ
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・著者は1984年生まれ。NHKラジオのハングル講座に「過ぎゆく夜」が採り上げられたので、この七編の中短編集を読んだ。男性中心の社会、家族制度など女性差別、生きづらさが描かれている。悲しく寂しい後味の作品ばかりだ。 ・「過ぎゆく夜」母子家庭のユンヒとジュヒ姉妹、「あの夏」のイギョンとスイの同性愛、「601,602」隣家の同級生ヒョジンが受けた家庭内暴力、「告白」感受性豊かなジニと一緒にいると、ミジュの心には安堵感が広がり、ジニは自分にとって“無害な人”だった。ジニのレズ告白を聞いた同級生ミジュとジュナは…
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ayah
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家父長制や男尊女卑。日本の女性以上に韓国の女性も生きづらそうだと、韓国の女性作家の作品を読むといつも感じる。人と人の関係を描いている中でも、家族の中の姉妹の関わり(過ぎゆく夜、アーチディにて)が心に残った。
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押さない
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10/10 『あの夏』『六〇一、六〇二』『過ぎゆく夜』『砂の家』『告白』『差し伸べる手』『アーチディにて』 傷ついたと思っていたら自分が周りを傷つけてきた。 何かを我慢し諦め飲み、そうして折り合いをつけながらでないと私達は前に進むことができない。 変化しない環境や人はいない。ある時は悔恨と共に、ある時は誰にも触れさせない重要な領域の《あの頃》を思い出す。繊細にして執拗。
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ちはるん
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誰に対しても無害な人間でいるというのはめちゃくちゃ難しいことだし、相手に「無害な人間でいてほしい」と願うのもめちゃくちゃ身勝手なことなんだな… 私は姉の妹なので、『過ぎゆく夜』で死ぬほど泣いた。
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Moka
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短編集で少しずつ読んだ。 幼馴染、恋人、友達、姉妹、親代わりだった叔母、あの夏出会った彼女… 大事な人だったはずなのに傷つけてしまう。いつも一緒にいたのに距離ができてしまう。傷つけられたのは自分だと思っていたけど、そうじゃなかったかもしれない。人の本心に気づけなかった。自らの残酷さに気づく瞬間。そんな苦しみと後悔。どこかに置いてきた苦々しい感情が蘇ってくるようで、痛い。 「砂の家」「アーチディにて」が特に好きかな。良い本だった。
0255文字
あゆ
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短編集。短いはずなのに全て重力感あり。でも繊細。同性愛、いじめ、暴力、家族関係、男尊女卑…ずっしり、一つ一つがドラマみたい。
0255文字
えりまき
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2023(116)「となりの国のものがたり」シリーズ第5弾。短編集。同級生・イギョンとスイの16歳の「あの夏」。公営住宅のお隣さん・ギジュンとヒョジンの「六〇一、六〇二」。ユンヒとジュヒ姉妹の「過ぎゆく夜」。オフ会で意気投合したモレとコンムの「砂の家」。修道士のジョウンと元カノのミジュの「告白」。ヘインとジョインの「差しのべる手」←一番好きです。ハミンとラルドの「アーティデイにて」。
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碧
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スイとイギョンが恋に落ちた時の描写がきれいだった。日本でいうと、三浦しをんさんみたいな感じ。抱きしめると波長がぴったり合って、もともとその姿で生まれてきたみたいだった。というのがよかった。
0255文字
tarobook
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理解したかった、理解してほしかった。その願いの裂け目からこぼれ落ちた涙の一滴一滴を結晶化させたような短編集だった。一番近くにいる人間がとても遠くに感じたあの瞬間。これまで蓋をしてきた感情が静かに打ち震える読書だった。
0255文字
nightowl
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姉妹の雪どけ「過ぎゆく夜」精神的な基礎を培うきっかけになった人との思い出「差しのべる手」そして圧倒的に刺さる一文の多い孤独な三人のさびしい青春「砂の家」が個人的好み。生きづらさとどうにか折り合いを付けて、諦めながら時を過ごさざるを得なくなる過程が遣る瀬ない。
0255文字
fantamys
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息が詰まるような苦しい世界を諦めながら必死に生きる人々を淡々とした文体で静かに描く。
0255文字
ankowakoshian11
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短編6作品収録。【601、602】旧弊な家父長制・男尊女卑の描写が辛い。結婚した女性は男子を産むことが必然とされている圧力が辛い。【砂の家】パソコン通信で出会った3人の成長と環境により変化してゆく友情譚。コンムが撮る自分の心象のような写真、モレを親愛しつつも彼女の無邪気さが"自分達とは違う生活レベルの育ちだから"苛立つジレ、3人の危ういバランスと君達がいたから耐えられたという救い。【告白】残酷な結末と懺悔。【アーチデイにて】ハミンが"壊れた"経緯と"彼女からの支援を当然"とする家族→
ankowakoshian11

その柵というか、連連と"それを当たり前"とする風潮はいつ変換をするのだろう。世代が変われば変わるのだろうか。母国を離れてその柵から抜けれたハミンはきっと強く生き抜いてゆくと思う。

10/20 19:22
ankowakoshian11

【砂の家】より引用→目の前に死という選択肢ひとつだけが置かれている状況で、彼はどんな気持ちだったのだろう。彼を死ぬまで苦しめた加害者達はどんな人間なのだろう。処罰されずに再び民間人に戻って、自分がどんな罪を犯したのか死ぬまで自覚できないまま生きてゆくのだろうか。そうでなければある瞬間に気づくのだろうか。

10/20 19:25
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わたしに無害なひと (となりの国のものがたり5)評価93感想・レビュー200