形式:Kindle版
出版社:幻冬舎
形式:単行本
形式:文庫
形式:その他
出版社:Audible Studios/幻冬舎
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ドラマ化もされた人気作品とのことだが、ラノベのような密度で、正直文章はあまり上手くない。タッチも淡々として、医療現場の緊迫感が伝わってくるという感じでもない。 それでも本職だけに、命を預かる医者の仕事の壮絶さは、その行間から滲み出ている。手術の時には患者の人格は関係ない、ただの精巧な肉の塊という真実。病状説明=ムンテラの無慈悲さ。胃の液体を吸い出すドレーンという管、病歴、薬歴を意味するアナムネ、BT=体温、BP=血圧、腹膜浮腫=腹に散らばったがん、呼吸状態改善のための気管内挿管等の専門用語等々。
非医療者としての感覚的な命への態度から、冷徹かつ専門的な医者として移り変わる研修医の姿を、分かりやすく伝えた良書ではあると感じた。 こういう小説を読むと、あらためて、自分は医療従事者になるのは絶対に無理で、そもそも医者も含めて人間は全員が命を博打に晒されているが、せめて迷惑をかけないように、出来るだけ長く健康に生きたいと思った。
注・フィクションです。 手術室前。医者の元へ患者の夫が駆けつける。 夫『先生!!嫁は…嫁はどうなんですか?』 医者「嫁はね…さっきLINEがあって友達とご飯食べに行くとか。」 夫『いや、あんたの嫁やなくて、私の嫁さんや。』 ピッピッピィィィー…。 看護師『先生!途中ですよ。早く戻って下さい。』 夫『無事なんだろうなぁぁ。』 医者「まことに申し上げにくいのですが…私、耳鼻科担当なので。」 夫『なんで手術室にいるんだよ!!』 医者「ご安心を奥様の手術は先ほど成功しました。では機器の点検途中なので失礼します。」
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