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誰にも言わないと言ったけれど (「黒人の炎」を受け継ぐために ―― 黒人神学の泰斗、その人生のすべて)

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Xi wang chan
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ネタバレ十字架に吊るされたイエスはリンチされて木に吊るされた黒人なのだ。 解放の神学の成立過程を学ぶとともに、阻害された者達を排除する十字架は本物なのだろうかと思う。またコーンの言葉に、我々はアジア人であることを、その美しさを誇りにしているだろうか。白人になりたい!と思ってしまっていないだろうかと思わされた。私たちの黄色人種性を誇ろう!私達の細い目、低い身長、でかい頭、長い胴を美しいと言おう!
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読書ノオト
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強烈なビンタ。叱られている。そのきまり悪さと恥ずかしさから、決して逃げてはならない。それは愛だからだ。愛の叱咤なのだ。黒人たちが味わってきた苦難は、人間性の否定であり、心身の文字通りの破壊である。攻撃と流血と搾取、逃げようのない恐怖。私が味わっているきまり悪さと恥ずかしさ、しかもそれは愛に基づいているというのに、なぜそれから「逃げよう」などと考えられようか。マジョリティであること、その無自覚な権力行使と無敵バリアとして機能している透明性を破壊しなければならない。それは、人間性の否定ではなく回復なのだから。
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いとう・しんご singoito2
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'18年に亡くなった黒人神学者の神学的自伝。K.ウェストつながりで読んで見ました。自らの神学をブルースと自称する彼のキリスト教理解は、おそらく現代にあって最も的確、適切なものでしょう。また、古くはベッシ-・スミスやビリー・ホリデー、新しくはプリンスまでたくさんの黒人ミュージシャンの名前が登場するのも、ブラックミュージック大好き人間の私にはサイコーでした。でも、けっして軽薄でポップな本じゃ在りません、念のため。
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今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
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この本を知ったのはビーター・バラカンさんの番組で。ジャズ、ブルース、それらを母とするロックンロール、エンタメとしてこれらを消費するだけの身が恥ずかしくなる。黒人奴隷が登場する物語で生きる支えとして信仰が描かれることは多いけど、なぜ黒人が白人のイエスの教えで救われるのか、黒人とか白人という分類は超後付けの理論で、元々は「太陽は暖かい」ぐらいの普遍的な教えだったのだろう。出エジプト記で描かれる解放こそがキリスト教の真髄なのに、白人の侵略の歴史において解放ではなく囲い込みのツールとなってしまったことが最大の悲→
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

→劇では。「真理の条件とは苦しみが言葉を発するのを助けること」、苦しんだ人の言葉こそが真理を示しているならば白人に対しての黒人、男性に対しての女性、虐げられ度の高い所からこそ真実は炙り出される。そして残念なことに虐げられてからでないとその言葉は表に出てこない。音楽というのはその言葉を広く行き渡らせるために最良のツールなのだろう。やはり下まで降りないと見えないものばかりだ。上から見えているものだけで分かった気になってはならない。

09/08 09:04
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比丘尼坂
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訳が平易で読み物として読めるのだが、神学の本なので、平易な文章の奥にある深い意味までは理解した出来なかった。
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Eu
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2020年で最もよい影響をもたらしてくれた本。自分自身の問題に取り組むこと。自分が何者であるのか、その者であることによって負っている問題は何か検討すること。
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ころりん
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「悲劇の中に美しさを見出すこと、それは気の遠くなるような挑戦である。そのためには、神学的な目が必要なのだ。表面に現れている事物の奥に入り込み、その根源に触れることのできる神学的な目」247頁 「黒人神学」の巨匠、J・H・コーンの絶筆。 四百年の奴隷化・非人間化をそのままにして、何が「キリスト教神学」だ、と白人神学を一蹴した。 ニグロ、奴隷、呪われた人種とスティグマを押しつけるアメリカで、尊厳と力をもたらしたのは、皮肉にもキリスト教の福音。 福音は「ブルース」。 頭の中で、なんか重低音が響き続けてる。
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lamontagne
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ピーター・バラカンさんのラジオに訳者の榎本空さんがメッセージを寄せていたので、読んでみた。狭い意味で「学問」を捉えるなら「黒人解放の神学」は学問とはみなされないのだろうけれど、むしろこのような学問とその外部との摩擦にこそ、新しい形の学問が生まれる可能性があるのだろうと考えた。上野千鶴子先生が「学内に多様性がなぜ必要かと言えば、新しい価値とは〔…〕異文化が摩擦するところに生まれるからだ」と言っていたことと通じるものがある。
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