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ユタの境界を生きる人々: 現代沖縄のシャーマニズムを再考する (アカデミア叢書)

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Utsuro
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ネタバレ沖縄の霊的職能者であるユタ(本来は蔑視的なニュアンスのある言葉だが、もちろんその意図がないうえで以降に用いる)をめぐって、従来のユタのあり方ではとらえられない霊的な世界が伴う諸相を、一人の女性とその周囲の人々の語りから、分析し解説する内容となる。 証言された方の神から筆者に依頼があったのが、本書執筆の発端で、かつそうした世界への霊的な理解をお持ちらしい筆者の素地が本書の前提となる。それゆえに霊的な語りのアプローチに変に距離を感じさせず、身近な話を咀嚼して話されているかのような近さがある。
Utsuro

迫害されるなかでの生き残りもあるためか、先行研究にあるように、時代に合わせてユタが存続していくあり方の一端として、今日としての様々な属性を持つとのことであろうか。 あと個人的にやはり眼を惹くのは、霊的に授かる品々の数々で、戦前を含む従来から言われている各種の帳簿(チョーブ)(p43)だけでなく、剣や巻物、許可書といった紙にまつわるものは、近世以前からの文書の世界からの投影があるではと思い、大変興味深い。もしそうだとすれば、どのように投影があったのだろうか。少なくとも占書は重要な位置を占めている気がする。

08/28 21:39
Utsuro

「しかし、水樹さんが(※ユタとそれ以外との)境界を行き来しながら果たしているのは、まぎれもない、ツヅ神様からの指示によるものである。そのために必要な技術もまた、セラピストの講習を受けたこと以外は、水樹さんが自ら選択し獲得したというよりは、すべてが神仏によって与えられたものである。つまり、水樹さんにユタ以外の新たな役割を生きることを許しているのは、ツヅ神様にほかならないといえる。」(p176)

08/28 21:43
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0255文字
おかっち
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宮古島滞在の時に紹介して貰った一冊 宮古島の海、植物、森の中では他にはない特別な空気と時間を感じる。それは、自然と繋がる文化の営みが何千年と重なり続き、祈り合わされているからかなと私なりの解釈。そんな宮古島だからこそユタという存在や神と繋がる人が今も沢山引き継がれているのかな。 エネルギーを感じる場所は命の歴史がたくさん重なる所。この一冊で神という存在を身近な暮らしの中に感じれるようになったかな。
0255文字
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