形式:単行本
出版社:創元社
迫害されるなかでの生き残りもあるためか、先行研究にあるように、時代に合わせてユタが存続していくあり方の一端として、今日としての様々な属性を持つとのことであろうか。 あと個人的にやはり眼を惹くのは、霊的に授かる品々の数々で、戦前を含む従来から言われている各種の帳簿(チョーブ)(p43)だけでなく、剣や巻物、許可書といった紙にまつわるものは、近世以前からの文書の世界からの投影があるではと思い、大変興味深い。もしそうだとすれば、どのように投影があったのだろうか。少なくとも占書は重要な位置を占めている気がする。
「しかし、水樹さんが(※ユタとそれ以外との)境界を行き来しながら果たしているのは、まぎれもない、ツヅ神様からの指示によるものである。そのために必要な技術もまた、セラピストの講習を受けたこと以外は、水樹さんが自ら選択し獲得したというよりは、すべてが神仏によって与えられたものである。つまり、水樹さんにユタ以外の新たな役割を生きることを許しているのは、ツヅ神様にほかならないといえる。」(p176)
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迫害されるなかでの生き残りもあるためか、先行研究にあるように、時代に合わせてユタが存続していくあり方の一端として、今日としての様々な属性を持つとのことであろうか。 あと個人的にやはり眼を惹くのは、霊的に授かる品々の数々で、戦前を含む従来から言われている各種の帳簿(チョーブ)(p43)だけでなく、剣や巻物、許可書といった紙にまつわるものは、近世以前からの文書の世界からの投影があるではと思い、大変興味深い。もしそうだとすれば、どのように投影があったのだろうか。少なくとも占書は重要な位置を占めている気がする。
「しかし、水樹さんが(※ユタとそれ以外との)境界を行き来しながら果たしているのは、まぎれもない、ツヅ神様からの指示によるものである。そのために必要な技術もまた、セラピストの講習を受けたこと以外は、水樹さんが自ら選択し獲得したというよりは、すべてが神仏によって与えられたものである。つまり、水樹さんにユタ以外の新たな役割を生きることを許しているのは、ツヅ神様にほかならないといえる。」(p176)