読書メーター KADOKAWA Group

感想・レビュー
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かげろふ
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たしかにこれはすごい本。メインテーマが現れてくる最終章でどうしてこんな作りだったのかが見えてくるし、最後の頁の最後の段落がたったひと段落で神性を帯びた深い問いになり得るのはそこまでの積み重ねがあるからなんだろうと思います。最後まで読んで良かった。一方で演劇や神話に対して知識のない私は本来の愉しみの半分しか味わえていないような気がして、少々歯痒い思いも感じています。簡単に勧められる本ではないですが、すごいと驚ける人に届いてほしい本です。
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湖都
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ネタバレなんじゃこれは。妻を惨殺された男・ワハシュが、殺人犯を追うところから物語は始まる。語り手は、その場に居合わせた動物や虫達。先住民族達の中へ入り、政策の悲劇を知り、狂気の殺人犯から逃げ、対峙する。敵は犬になり、ワハシュと行動を共に。ワハシュは幼少期の記憶を取り戻し、故郷と家族の悲劇を知り、父の正体を知り……という、終始重たいながらも「何の話だったっけ?」となった最後。動物や虫達がワハシュに近かったのも理由があったのね。悲劇や苦しみを集約したような、叫びのような本だった。ワハシュはこの先…?
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metro
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すごい本だった。初めの方は動物や昆虫の視点で語られるぶつ切りの文章に戸惑っていたが、途中からページを捲る手が止まらなくなった。語り口調が動物ごとにうまくイメージされていて、猫の飄々とした感じ、馬の気高い感じ、蛇のねっとりした感じ、蝶の儚い感じ、そして犬の荒々しくも主人への愛が大きい感じ。著者の出身のレバノンやパレスチナ、イスラエル関係のテーマもありかなり重いが、読み切った後に神話のような感動があった。
0255文字
ボウフラ
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妻を惨殺された男が犯人を追って警察も立ち入れない先住民居留地に踏み込んでいく。視点が動物から描かれていて凄惨な描写が多い。惹き込まれる展開で面白かった。87点
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サダルメリク
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まるで神話だ。
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akanishi
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「スゴ本」で紹介されていたので手に取った。ううむ、簡単に手に取ってはいけない、難解な著作である。レバノン、仏、英の訳がみごとだった。
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スパイク
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ネタバレ残虐な殺され方をした妻を主人公のワハシュが発見した場面から始まり、犯人を探す旅に出るという物語だが、物語で良くある目的が復讐では無く、余りにも大きい喪失感ゆえか、犯人の顔が見てみたい、犯人は自分では無いのか?という幻覚を見る理由、何故か思い出される幼い頃のパレスチナでの記憶がどう繋がるのかとアイデンティティを探すという内容もミステリアスだし、物語を語るのがワハシュが、移動する先で居合わせる動物や虫、鳥などの生き物の視点で、重い内容なのに少し引いた感覚で語られるいうのが斬新な作品だと思いました。
0255文字
榊原 香織
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破壊的パワーを持った小説。 ただ、かなりグロくて凶暴なので要注意。 猟奇的殺人から現代史の闇に。様々な動物が物語を綴っていく。 インディアンの英知、でもこの場合はちょっと問題あり。 本来レバノン人の作者 舞台はカナダ、アメリカ ハードボイルドというよりは文学
0255文字
まる
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友人に勧められて読んだ。動物の視点で物語が進んでいくのが斬新。ひたすらに先が気になる。展開が読めない。グロ注意だが、最後まで面白く読めた。原文はフランス語だが、時折英語とか他の言語も織り混ぜられているらしいので、原文で読めたらまた楽しいだろうなと思った。
0255文字
a.k.a.Jay-V
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ベルカ吠えないのか?の同工異曲作品。こちらの方がエグみとポエトリー感あり。あとがきにあったカタストロフの言葉遊びからなる悲劇を語るのは猫と言うのは猫好きにとって、なかなかキツいものがある。
0255文字
えっこ
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勧められて手に取ったのだが、暴力的な描写についていけなかった。いろんな生き物の視点で、物語が進んでいくのは、面白かったけど。
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igrsnao
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主題、表現、翻訳、全てが凄まじく、重い。生命、魂、精神とは、結局なんなんだろう。答えも正解もないけれど、考え続けて、感じ続けなければならない。この世界はある種、不確かなものだと思わされた。ものすごい体験をさせてもらった。余談。最後の最後、肖像画がこわすぎる。めちゃくちゃ不安になる。夢に出てきそう。
0255文字
イコ
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妻を殺した犯人のただ「顔を見るため」に物語は始まる。あまりに残虐に殺された為、通常なら魂が燃え尽きるような怒りに捕われるのが普通だが、数々の生物から語られる物語は現代に打ち立てられた神話のようで超然としている。語り方も独特だが、終わった後振り返ってみると、話の筋がウロチョロしていると思っていたが話の芯が通っていたなーと言う不思議さ、物語のドライブ感はありつつ文学として外して無かった。表紙がとてもクール。
空猫

イコさん。ナイスありがとうございます。不思議な読書体験でしたね。

04/07 22:53
0255文字
_ke_mu_ta_
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10/10。「灼熱の魂」の原作者と聞いて読む。小説ならではの表現を使っていても「灼熱の魂」と同じく息もできなくなるような重い空気感。傑作。
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空猫
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読み始めて、語り手が誰なのか分からず混乱。帰宅すると妻が酷い殺され方をされ、犯人を夫が独自で追う。節題が全て生物名でその視点と気付く…ネコ、イヌ、カラス、クモ…。舞台はカナダ(国境付近)。追跡はアメリカをほぼ横断するスケールの大きさ。先住民との歴史と夫の出自がとても複雑。三章以降はガラリと転じ再度混乱。犯罪小説ではなかった。映画『灼熱の魂』の原作(脚本)者だそうで妙に納得した。物語性というより描写(映像)のインパクトを重視する点が特徴なのかな。ともかくその熱量に圧倒された。
0255文字
中海
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粗筋はシンプルで惨殺された妻の犯人を捜し、彷徨う男の話であるが、真相は最後の方に出るが、動物の目線からさすらう男の描写が描かれる。勿論作者の意図はレバノン内線の悲惨な爪痕を表現、というか、世界的に発信することかと思うが。レバノンって丁度ムスリムとマロン流キリスト教が半分なんだって。その背景により、他国の政治的軍事的介入により、内線が悲惨になってしまって、国よりも、民族信仰が根強く反映されちゃったようだよ。しかしさ、何かされたわけでもないのにバス爆破とか、考えが違うだけでそれやっちゃ。本当人間は愚かだな。
0255文字
EMI
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妻を殺した犯人を探して旅立つ一人の男。物語は、語り手を、猫、スカンク、馬、蜘蛛、蜂と次々リレーしながら、男の姿をカナダからアメリカへ追いかけます。思いがけない場所を辿り、思いがけない出会いをする。それは封じ込めていた幼少期の、怪物という記憶と対峙していく道程でもありました。彼の魂と深く結び付いた動物達。死の淵から彼を引き上げたのは伴侶となるオオカミ犬。幾度も試練を重ね、闘う宿命の人間を描く新たなオデュッセイア。
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アナーキー靴下
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凄い作品に出会ってしまった。妻の惨殺死体から始まる物語は、終始理不尽な凄惨さに満ちているのに、気付けばじっくりのめり込むように読んでいた。主人公を取り巻く動物たちにより語られるという特異な手法は、離人症的な一人称にも思えてくる。他者を想像することは、他者の目を通した自己を想像することと同義であるなら、動物たちの眼差しの優しさは何故こんなにも胸に迫るのか。動物への没入は命の力強さも感じさせる。捕食者が獲物を喰らうとき、二者の間にあるのは運命的な結合、それは残酷さと官能を内包した、交尾を凌駕する生命の達成。
かげろふ

アナーキーさんのおかげで凄い本が読めました♪ありがとうございます!

12/22 22:03
アナーキー靴下

うわー、かげろふ様、読まれたんですね!! そう言ってもらえると嬉しいです! 私は気に入って購入したのに本棚に飾ってあるだけ…(^^;) また読みたいのにいつになることやらです。

12/23 00:15
6件のコメントを全て見る
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Sam
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著者はレバノン出身の劇作家、内戦で祖国を追われフランス、その後カナダに移住した経歴の持ち主とのこと(原書は英語、フランス語、アラビア語が混在している)。妻を虐殺された主人公が犯人を探す旅に出る物語ーといってもミステリーでは全くない。動物や昆虫の視点で語られる語り口はとても斬新だが、主題は失われた自らの出自や歴史を探し求めて主人公がどこまでも彷徨する物語であり、やがてたどり着く真相はとてつもなく重い。劇作家らしく緊密な構成で緩みなく最後まで読ませるのは間違いないが、正直なところ心底グッタリしました。
0255文字
のりすけたろう
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すごい小説だった✨主人公の周りの生物が語っていくんだけど、内容は、めっちゃ重い。いきなりグロめだったし💦主人公の真相に迫っていくにつれて、悪い予感が当たりそうですね(´;Д;`)ってなりながら読みました。レバノン、、全然、歴史など知らなかったので勉強になりましたが、重さにどんよりしました。
0255文字
ネコベス
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妻を惨殺された男が犯人を追い旅に出る。前半は様々な動物の視点から情景が語られ、後半は主人公の記憶の底に封じられていた幼少期の禍々しい記憶を求めて彷徨う物語。妻を殺された主人公ワハシュが復讐心は無く犯人の顔を見たいが為に旅に出るという心境は理解できなかった。生々しい暴力や人間同士の憎悪や野蛮な欲望が鮮烈に描かれていて只々唖然とする。強烈なインパクトを残す作品だが、あまりにも殺伐とした救われない世界に、読後感は重い。
0255文字
でぃましゅきー
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表紙の動物たちの絵が気になって、手にとってみる。 字がびっしりつまっているのを見て、元に戻す。 だけど、やはり気になって購入。 読み始めると、字がびっしりなのも気にならず、一気に読むことができた。 主人公を見つめる動物たちによって語られる、幻想的なロードムービーは、終幕を前にして語られる、レバノンで起きた虐殺事件により、別の質感の物語へと変わる。 現実に引き戻されるような感覚と言えるだろうか。
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廃墟
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感想をうまく言語化する術を今は持たない。心が揺さぶられ、思考がまとまらないから。 自分がもしこの男だったら、もしこの男のような過去を持ったとしたら、と考えること。その時に何を考えられるか、男の旅をどう見るか。「他人の中の残虐性を自分の中に見るなら、他人の中の勇気を自分の中に見ることもできるはずだ」という男の言葉。 エルサレムとガザの間で飛び交うミサイルがぶつかり弾ける閃光をニュースで見ながら、自分を含めた誰もがこの当事者になりえると考え、理解しようとすること。 素晴らしくそして衝撃的な読書体験だった。
0255文字
あっきょ
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この哀しき物語は史実を根底として描かれているようだ。ワハシュ・ドゥブシュ、後々この名前が重要な鍵となる。奥さんを惨殺されたワハシュ、前半は動物がこの男を俯瞰して語り、後半は彼が辿る地名毎に話しが展開してゆく。著者が劇作家だからなのか絶妙な構成だ。こんな作品を読んだのは初めて。アニマとはラテン語で生命・魂を意味するそうで、これは南北朝戦争、人種差別、レバノン内戦等々への鎮魂の作品なのか。はたまた同族で残酷に殺し合う馬鹿な人間達への動物からの蔑みなのか。重たい作品だった。
空猫

あっきょさん。ナイスありがとうございます。

10/30 22:25
0255文字
isbm
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★★★
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松本直哉
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まるで苦難の道行きの主人公に寄り添うギリシャ悲劇のコロスのように、残虐を極めた殺人と男の悲嘆を目撃してともに嘆くのは、イヌ・ネコ・ウマ・ヘビ・ネズミ・ゴキブリをはじめとする動物たちで、物語が彼らの視点で語られるうちに、男もまた動物を救い、救われる。自分以外の家族全員皆殺しにされて言葉も祖国も奪われても、動物はだまってそばにいる。レバノン内戦の、カナダ先住民の収奪の、南北戦争の分断の、いくつもの暴力の記憶の交叉と、英語と仏語とアラビア語の重層をくぐりぬけて、男は最後に忠実な犬とともに人間の世界から去る
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ハルト
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読了:◎ 妊娠中の妻が残虐に殺害されることから始まる。生き物たちの目線から語られていく主人公の行動。主人公は、妻を殺害した男を探していた。復讐ではなく、犯人のことを知るために。読み終わった後も、重苦しい気持ちが抜けない。残酷な場面が多いからだけではなく、『死』というものの軽さ、呆気のなさに呆然としてしまう。戦争によって奪われた祖国。快楽のためによって殺された妻子。大切なものを失った主人公の悲しみを通り越した空っぽさが痛々しくつらい。希望というものがない絶望の世界で、どう生きればいいのか。胸を突かれる。
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ヘラジカ
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妻を惨殺された男の探求と彷徨。素人目にもオデュッセイアが下敷きだと分かる壮大なストーリーライン、あらゆる動物たちの視点から俯瞰される神話的な語りに度肝を抜かれた。独創的であるだけでなく、カナダが抱える人種間の軋轢や、被害者と加害者の両義性など、込められたテーマも多層的で複雑だ。しかし、だからといって難解で退屈するわけではない。アメリカ映画のような動的な物語にも夢中になった。風変わりなだけでなく非常に強力な筆致。比類なき小説である。
Yuu I

定価4,290円(本体3,900円)って、値段=厚みですか?

04/29 19:55
ヘラジカ

厚みは400ページ少しなので、お値段はちょっと高めかもしれないですねえ。まあでも海外文学なので適正価格かなと思います。ちなみにハードカバーです。

04/29 20:16
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アニマ評価97感想・レビュー28