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奴婢訓 他一篇 (岩波文庫 赤 209-2)

感想・レビュー
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えっ
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ラジオで「労働に対する痛快な皮肉」みたいな紹介をされているのを聞き齧って読んでみたんだけど、その紹介はおかしくないか!?流し聞きかつうろ覚えだから多分その辺りも話していたんだろうかと思う。そういったきっかけでにやにや読み出した奴婢訓も、続くアイルランドの〜も、ちょっと吐きたくなるような露悪っぷりで困惑したんだけど、解説が大きな助けになった。時代背景とスウィフトに関する解説がないと危険な本。笑っても怒っても駄目な感じで読後感は悪くない。芸術のためじゃない文章のカラッと感も小説続きの読書の合間に良かった。
0255文字
魚京童!
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きっと、貴族も聞こえているのだ。聞こえてないけど。それを堂々と記載しただけ。事実をあるがまま記載するほうが空想に近くなる。穏健なる提案は「祖国の公共的利益のため、商業を振興し、幼児のため後図を策し、貧民を救済し、富者に若干の快楽を与える、それ以外になんの動機も私は持たない」だからこそ笑ってしまうのだろう。まじめに考えれば考えるほど、笑えてしまう。このくらいの毒を吐く人がいなくなったよね。世の中が平になって、つまらなくなった。みんな一緒でみんないいけど、ただの機械じゃん。
0255文字
ふみん
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新自由主義社会の奴婢たる一労働者には大変ためになる訓戒であり働き始める前の中高生に読ませておきたい名著です。少子高齢化移民社会に、スウィフトならどんな処方箋を書いてくれるでしょうかね。
0255文字
sakanarui2
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お屋敷に仕える使用人がいかに仕事をしている振りをしながら適当にサボリ、役得に預かりうまくやるかといった処世術を、バトラーやコックなど職種別にまとめている。ガリヴァー旅行記を書いたスウィフトの遺作(未完成らしい)。封建制度の中で差別されながらも、逞しくしたたかに生きる使用人たちの生態を面白おかしく好意的に描いた本…だとばかり思って読んでいたのだけど、解説を見るとどうやら全くそうじゃなくて、堕落した使用人たちの悪習を(権力者の側から)暴き立て告発する風刺だったようだ。
sakanarui2

読んだきっかけは、寺山修司がこの作品をモチーフにした演劇を、1980年にNYで公演していて、そのドキュメンタリー映像を以前見たこと。寺山修司の著作にも奴婢訓のことがしばしば出てきた。 その舞台は、白塗りの奴婢たちがナンセンスな機械を操作しながらナンセンスな訓示を叫び、主人の不在に好き放題やりはじめて屋敷を乗っ取っていく…というものだったと思う。 私はこの本をどう読んでも主人の側に立って風刺として読むことができない。この作品が書かれるに至った時代背景をもっと知りたくなった。

04/07 10:53
0255文字
Caracal
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召使が気持ちよくご主人様に仕えるための処世術がこれでもかというほど記載されている。楽しく読み進めていったのだが、「アイルランドの貧家の子女が・・」の篇はいただけない。ここでは真剣に課題対処の方法が説かれていると思いきや、いくら皮肉をこめるとしてもこれは気分が害されるほどほど辛辣すぎ、途中でギブアップ。
0255文字
矛
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貴族の家に奉公するもの、召使い。イメージとは裏腹に、この本が書かれた時代には主人を愚弄するような態度の者もよくいたようだ。呼ばれても返事をしない、客人に洗っていないコップを出す、彼らには忠誠という言葉は当てはまらない。同じ雇われの身として、会社員として奉公する自分の身にも近しいところがあると感じた。
0255文字
悸村成一
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読了39冊め。図書館本。1刷1950年。
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まどの一哉
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さすがガリバー旅行記の作者が書きそうな風刺譚。スウィフトという人は自身も従僕を務めながら牧師を目指し、絶頂期は稀代の論客として一世を風靡した人。よって下僕の務め方を事細かく解説することもできる。
まどの一哉

召使頭・料理人・従僕・馭者・別当・小間使・女中…その他各下僕たちが、いかに主人や奥様の目を盗んで労力を省き、自由な時間を捻出し、うまい具合に酒や料理のおこぼれにありつくかの手練手管が、果てることなく書き連ねられるが、そのあまりにしみったれた有様に感心する。 読んでいてすごく楽しいかというと微苦笑くらいだ。われわれは18世紀の下僕たちの暮らしをよく知らないので、その点勉強にはなるかも。

02/07 21:15
まどの一哉

併載の「アイルランドの貧家の子女がその両親ならびに祖国にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんとする方法についての私案」は、冗談とはいえカニバリズムなので、あまり良い気はしなかった。

02/07 21:15
0255文字
kanaoka 57
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当時(17・18世紀)のイングランド・アイルランドにおける状況、貴族、ジェントリ、その下僕、大衆の状況や生活実感、イギリス国教会と自由思想の新旧思想的対峙等々、そもそも理解できておらず、その風刺となると、余計に難しかった。イメージとしては分かるけれども・・・
0255文字
tyfk
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訳がきれいすぎて、なんかつまらない
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ひでお
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スウィフトの辛口な風刺がたっぷり効いた召使いのための指南書の体裁を取った召使をこんな風にしてはいけないという資産階級のための本なのかな。当時の時代背景にうといので、何とも言えないですけど、この時代の召使は相当に反逆精神が豊かだったのかもしれませんね。 なお、巻末に訳者によるスゥイフト論があって、これがなかなか秀逸です
0255文字
346
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当時の生活はなんとなく伝わるけど、皮肉さがどこまで本気なのかわからなかった。真顔で言ってる感じが怖い。 解説の方が面白かった。
0255文字
tomi
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「ガリヴァー旅行記」で知られるスウィフト晩年の未完の怪作。召使いのブラック極まる処世訓。失敗してもけっして認めず、如何にして自分の失敗を他人になすりつけるか。「コップ類は小便で洗う」など主人への嫌がらせの数々。皮肉が利きすぎて笑いというより怖くなる。併録の「アイルランドの貧家の子女(以下略)」は「ちくま文学の森」の「恐ろしい話」の巻にも収録されていて再読だが、痛烈さはやはりこちらが上。窮乏を極めていたアイルランド在住だったスウィフトの英国政府への痛烈な諷刺として書かれたようだが彼は本気で考えていたのかも…
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いなお
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奴婢訓はかろうじて面白がれるけどアイルランドの〜は本当に無理
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うたまる
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「コップ類は小便で洗う、御主人の塩の倹約のために」「便所へ行っても決して手を洗うな、手はまだこれから十倍も汚れるのだから」「従僕のままで老いぼれるのは大きな恥辱。だから、追剝仲間に入るがよい」……『ガリバー旅行記』のスウィフトによる下僕の処世訓。これが風刺や皮肉であるのは理解できる。が、ほぼ笑えない。時代が違う、国柄が違う、価値観が違うからか。いや、本書の根底にあるものが、ユーモアではなく怒りのように感じたからだ。人を人とも思わぬ驕った上流階級と白痴のように唯々諾々と従う下層民、その両者への怒りを。
0255文字
なし
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「奴婢訓」:奉公人のための処世訓。自分のミスは絶対に認めてはいけない。いかにして嫌いなやつを叩き潰すか、金品をちょろまかすか、等々。あまりにもブラック。「アイルランドの貧家の子女が〜」:貧しさのため、子を産んでも育てることができない。ならば、産んだ子を食料として売っぱらい、それで得たお金で豊かになれば万事解決。みんなそうしようぜ、という提案。こちらは再読だが、やはりぶっ飛んでいる。
0255文字
tom
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アイルランドの話は、皮肉すぎて辛い。全体的に重い。
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KBTM
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ネタバレ表題作は、内容はブラックユーモアに満ちた裏訓示的なものですが、当時の英国の生活の様子がうかがえて興味深かったです。そして、「アイルランドの貧家~」については、深町弘三氏が言うように「敵が使っている武器をそのまま逆用し、敵に同意している振りを装い敵に代ってその主張を陳述する、その結果笑うべき結論に到達することによって、読者をして敵の主張の間違いを自覚させる」という手法でかなりブラックですが考えさせられる内容になっています。
0255文字
藤月はな(灯れ松明の火)
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自分の思い通りにいかなさ過ぎて世をひねた人間嫌い、スウィフトによる絶対に真似してはいけない働く人の処世術。如何に気づかれずにミスを嫌っている奴に擦り付けるか、金をちょろまかすかがしっかり、書かれていて本当に身も蓋もねぇ(笑)紅茶党が失神しかねない紅茶の淹れ方(キャベツや魚の煮汁をぶち込め!)や女中と小間使いではずぼらな女主人のトイレ事情への対応が真逆なのに笑い転げる。後、「御虎子=おまる」という事を初めて知りました。そして最も題名が長い「アイルランド(以下略)」ですが、相変わらず、ショッキングな内容だ。
藤月はな(灯れ松明の火)

この中でもっともだなと思うのは「人の悪口を告げ口する奴は信用するな」だと思う。例え、上司でもそういう人は信用できないよね・・・(黒笑)

05/04 23:29
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なみのりピカチュウ
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ガリバー旅行記で有名なジョナサン・スウィフトの『下僕が心得ておくべき覚書リスト』 乳母の章の「赤子に怪我をさせても絶対黙っておく。赤子が死んだら問題ない」とか料理人の章の「スープに灰を落としたらかき混ぜる。フランス風になる」とかブラックユーモアがえぐい。やっぱりアイルランド人だった(褒めています)。 告げ口をする同僚は全力で叩き潰せ、だの、失敗は認めるな、だの、現代にも通じる所がけっこうある。ただ何よりも、当時の生の生活が覗けるところに価値があると思う。
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