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美術は宗教を超えるか

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かっくん
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ネタバレ佐藤氏がインタビュアーで宮下氏が話している内容が多かったです。お二人ともプロテスタントで、キリスト教のカトリック、プロテスタント、正教によってイコンに対する考え方、金儲け、キリストの弟子の好み、カラバッジョの絵の解釈など色々と考え方が違うことが興味深い。金儲けを良しとするプロテスタントの教会は質素とのこと、言われてみるとそうかもしれない。西洋美術は近代の作品も含めキリスト教と深く関わっている。西洋美術を理解するためにはキリスト教の事も学ぶことがやっぱり大切かな。
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Utsuro
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ネタバレ美術史家に元外交官の筆者が、キリスト教美術について話を聴く内容となる。 両者ともキリスト教徒で、それを前提にして話が進んでいくが、様々な方向に話が進む向きがあり、少しまとまりが欲しかった部分は否めない。 やはり大きいのは、宗教美術は偶像ではなく、「目に見えないもの」に通じる窓との説明である。 そのうえで、ユダヤ教やキリスト教の神は「動く神」(「存在」や「いる」ではなく、「来たりて」や「宿る」となる)で、それを表現してきたとの指摘には頷くものがある。 一方で、近世の日本ではキリスト教のイコンが「窓」ではなく
Utsuro

それ自体が神と考えてしまい、踏絵を足蹴にできなかったのはやりきれない。 それにしてもクリスチャンであることが露見し、拷問されて命を落とした藩医が、マリア画を竹筒に収めて家の壁に塗り込め、それが20世紀に発見され、画の苦難の歴史を伝えるために、折り目や痛みを直さずに専門機関で保管していること。 美術史家が撮影したロシアの美術館の写真にて、聖母画の前で、紫色のスカーフを頭にまとったジーンズ姿の若い女性が、跪いて祈りを捧げる姿。 この2つを見ることができただけでも、本書に接した価値があった。

08/21 15:36
0255文字
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