に死んでいる状態、ネフィーリアの魔法が発動する状態から、甦った魔法少女がいた。経験からいっても、知識からいっても、彼女が例外中の例外、理の外の存在であることはわかっていたのに、ひょっとしたらと思ってしまった。親しいわけでもない、趣味も好みも異なる、同じクラスにいても友達にはなれそうにない、そんな相手だったはずなのに、なにかの間違いでいいから戻ってきて欲しいと願ってしまった。膝の上に頭を置き、頬に手を当て、改めてマーガリートの顔を見た。弛緩している、と感じていた口元が、まるで微笑んでいるように見えた。
満足してんじゃねぇよ阿呆魔法少女、まだ仕事は残ってるってのにあんたがいなくなってどうすんだ、と自分にしか聞こえない小声で毒づき、いよいよクズさが戻ってきたかと微笑んだ。ネフィーリアはマーガリートの遺体を寝かせて立ち上がり、手首の付け根で目元を擦った。最善を尽くすという命題は未だ解消されていない。また踵を返し、皆のいる方へ走った。ポケットの中に手を入れ、恋々の羽を擦り、自分の口から出た彼女の声を聞いて「くしし」と笑った。(p441~443)
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