形式:文庫
出版社:宝島社
形式:Kindle版
文学作品を読みこむのは中々ムズカシイけどセンセイが課した「こころ」の課題で「先生」が自殺したときの3人の登場人物の年齢を推定させるのはなかなか妙手だと思う。表現、時代背景屋知識が無いときないから作品や資料を読み込むことになりかなり勉強になる。こういう姿勢で作品に臨むとどれもミステリィになるし読む面白さも拡がり、このテもアリだなと思った。
学生時代、読書は好きだが、国語は大の苦手でした。理数系の様な必ず答えにたどり着けないのがもどかしかったな。
悲しいことに高校生の時の授業は全然記憶に残ってない。これらの作品には、こんな意味が込められていたのか!めちゃくちゃ面白いじゃないか!という発見があり、まずは『舞姫』『山月記』『こころ』は読みたいと思う。
実際に辰巳先生の講義によって悩みが軽くなった生徒達はいるけど、それが彼女達の望む方向で、幸せになる形で解決したとは言えない結末の話も多かったし。だからこそ、教師と生徒の恋愛的な成就によって先生の抱えていた問題が解決された最後の結末は個人的にはマイナスだったかな。一度教師と生徒としてきちんと別れて、別離を経てから再び……のが物語としては美しかったと思うし。そもそも辰巳先生が円城に恋愛的に惹かれた部分が明確でなくてよくわからないというのもある。美幸の登場や、それぞれの詳しすぎる下調べなんかもご都合主義っぽい→
個人的にはこの作品の内容が「希望の物語」というよりは、あとがきまで読んで、作者が「教師をしながら小説を書きたい」という夢を、闘病の苦しみを経て叶えた、という現実のほうがよっぽど「希望の物語」なんじゃないかなぁ。作品本編よりもあとがきにじんわりしてしまったよ。
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