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京大現代文で読解力を鍛える (だいわ文庫)

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Yosuke Hashimoto
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福沢諭吉の学問のすすめからの出題が秀逸。江戸時代から明治時代になり、学問を積み、能力さえ発揮できれば、出世できる世の中になろうとしていた。そんな時代に「欲望を開放する」ことへの危険を危惧している。「一杯、人、酒を吞み、三杯、酒、人を呑む」という諺(一杯目は自分の意志で飲んだが、三杯目になると惰性から飲んでしまう様)を引用し、物欲につられていくとやがで物の奴隷となり本心の独立を保てなくなるということを警告している。
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虎哲
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三宅香帆を輩出した京都大学。著者の指摘する「自由の学風」は有名だが、この本を読むまで実際にどのような問題で選抜を行なっているかは全く知らなかった。これまで入試問題はそれが作られる辺りに発売された新書や学術書から出題されるイメージだったが、本書で扱われている京大入試問題の文章はたしかに「近代以降の文書」ながら、数年後に「古典」となりうるような力のある文章であり、「世界を「読み解く」ための広義の「読解力」を鍛える」ことができる骨太な内容だった。特に遠くで戦争が起きている現代、石原吉郎「望郷と海」は響く文章だ。
0255文字
ふじあつ
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★★★★☆ 京都大学の国語の入試問題なのですが、ただの入試問題ではなく、教養が深まり、世の中をしっかりと考えらえるように出題されています。ただの入試問題にあらずです。最後にこう締めくくられています。これまで読解してきた12の文章から、京大が求める学生像が見えてきたと思う。「常識にとらわれない自由な発想を持ち、虚心坦懐に学問に向き合う誠実さを持ち、世俗の権力から離れたところで、広い視野を持って思考できる人材」だそうです。行く学力は遥になかったけど、こうやって読んでみると行ってみたいと感じた。
0255文字
くす
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東大より京大の方が楽しそうという理由で手に取ったが、期待を裏切らなかった。テキスト、読解(整理)、設問1つの流れだが、出題者の意図を汲もうという姿勢が感じられる。考えすぎという人もいるだろうが、このくらいの方が入試も楽しいのではないだろうか。 最後に掲載された山口剛さんの文章が受験時に出題されたら真っ青になるだろうと冷や汗をかきつつ面白く読めた。こういう本のいいところは自分では容易に言語化できないことを簡潔に言語化してくれる点で便利だが、だからこそ流し読みができない辛さ、読み進めていく上での苦しさもある。
0255文字
しんえい
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たしかに、京大現代文の問題は深く読まなければ設問に答えられないようなものばかりなのかもしれない。入試問題を入試問題としてしか扱わないのは勿体ないよな。1番最後に収録されていた山口剛「南京新唱序」が1番好きだった。しかし、出口さんの思想というかなんというか、そんなもんが結構強めだった。
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WS
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偶然かもしれないが京大現代文の方が読みやすく、回答も東大よりできた。こういう文章を読んでいけるようになりたい。
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肉尊
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私たちはどんなに素晴らしい文章を読んでも自分の価値観や狭い生活感覚で再解釈し安易に評価を下しがち(p52)である。能における「型」は遥か昔の言葉で表せない普遍的心理作用を結晶化させたものを時解く芸術である。京大生の教養の下地を養成する良問を通じて、論理的読解力や人生の洞察力、京都という地に根ざした伝統文化への理解などを学ぶことができる。
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kumoi
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現代人には自由が与えられている。住む場所、服装、結婚相手に至るまで全てが個人の選択に委ねられている。これは同時に自分が何者であるか、どうなりたいのかを自分で決めなくてはならないということを意味している。近代以前であれば、生まれたときから身分階級や家柄によって社会における自らの役割が与えられていたため、自由はないが生きる意味を見失うことは少なかっただろう。周りを見ていても、一般的なライフプランに沿って生きている人が本当に多い。私は自分と真剣に向き合い、本当にやりたい事をやって生きていきたい。
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入江・ろばーと
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「右傾化が進みつつある現代日本」とか著者の思想がかなり出てるのが気になるし、「士農工商という身分制度」とかさあ……
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京大現代文で読解力を鍛える (だいわ文庫)評価53感想・レビュー9