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昭和の名短篇 (中公文庫 あ 96-1)

感想・レビュー
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月光老人
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高見順「草のいのちを」、中野重治「萩のもんかきや」、深沢七郎「おくま嘘歌」、耕治人「一条の光」、色川武大「百」などすごい作品ばかりだった。短篇ながら(いや短篇だからこそかも)それぞれ昭和の匂いが強烈だ。それぞれの作家の作品をもっと読みたくなるのであった。
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オスカー
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深沢七郎の「おくま嘘歌」が読みたくて購入。読み終わったあとはしばらく次の話を読めなかった。63歳のおくまは夫に先立たれたが、それなりに幸せに暮らしている。実年齢より大きな数を言って「若く見える」ことを喜んだりして見栄っ張りの田舎のおばちゃんなのかと思うが、読んでいくとせつなくなる。時々バスに乗り孫の顔を見に行くのだが、本音は娘が心配だから。重くなった孫をおんぶするのは辛いのだが、それを言ったら娘が気にするから大丈夫と言う。そういうやさしさがおくまの嘘には隠されている。最後の一文もまた彼女らしくて泣ける。
もんらっしぇ

オスカーさん、ここは深沢七郎の生家があったところで、このお店のご主人は甥っ子さんなんだそうです。 https://tabelog.com/yamanashi/A1901/A190103/19000139/

12/02 21:15
オスカー

情報、ありがとうございます😊 石和もずいぶん行ってないです😅

12/02 23:13
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ふうふう
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★★★☆☆志賀直哉「灰色の月」、一遍の詩を読んだ気持ちににる。高見順「草のいのちを」、まっすぐな人と心に触れる。小林勝「軍用露語教程」、わかる、わからないけどわかる。深沢七郎「おくま嘘歌」、七郎やっぱり素敵、私もおばあちゃん大好き。耕治人「一条の光」、心臓の真ん中貫かれた、息できずに読む。読んでよかった!戦後世界の選りすぐりの短編たち。好きじゃないのもあったけどそれぞれに良さがある。
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m_book
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タイトルに惹かれて購入。「昭和の名短篇」と言われてこの作品たちが選ばれているって、めちゃめちゃ渋い気がする。『軍用露語教程』が切なかった。
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美味しい渋谷
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タイトルに惹かれて手した1冊。編者名が明記されているのも嬉しく思えます。未読の大家の作品に触れ、また読書の幅が広がりました。
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フリウリ
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荒川洋治さんの選んだ短編集。志賀直哉、高見順、中野重治から、田中小実昌、野間宏、吉行淳之介、色川武大へと至る流れには、独特なものがあると思いますが、やはり詩人としての本の読み方が示されていると思い、おもしろかったです。近年、文芸作品の短編集などでは「書評家」「フリーライター」「エッセイスト」などを名乗る方が、編者を務めるケースを目にしますが、その選択や配列、コメントなどから、編者が作品をどのように読んでいるかが、その深さや広がりを含めて自ずと伝わってきてしまうので、生半可ではできない仕事だと思いました。7
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スリーピージーン
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あまりピンとこなかったが、『軍用露語教程』『百』『水』がすばらしかった。戦争や家族の結びつきなど、今よりもっと思い通りにはならない人生を描く短い純文学は、今の世ではいぶし銀のようだ。『灰色の月』『橋づくし』『ポロポロ』の他は初めて読んだ。恥ずかしながら、耕治人さん、小林勝さんって、お名前も知らなかった。佐多稲子さんの作品をもっと読んでみたい。吉行はやはり好きになれない。(ファンのかた、ゴメン)
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Aminadab
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駅前の書店で衝動買い。荒川はすでに4回にわたり雑誌特集等で1人1篇を選したことがあり、その中からさらに14篇に絞ったのがこの文庫。令和の読者を対象に、超有名な代表作でも構わず採用する方針。私の既読はわずか3篇(直也「灰色の月」三島「橋づくし」小実昌「ポロポロ」)。14篇ともそれぞれ選択理由は納得できるが私には嵌まらなかったのも2篇ほどあり。三島は再読ながら超名作でグーグルアース見ながら思わず再々読。最高傑作は巻末の色川武大「百」。表題も本文もぎりぎりまで濃縮しぬいた切実な父親介護小説。これだけで元取れる。
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naotan
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誰もが知ってるような定番ものでなく、目立たないところから選び抜かれた名作揃いで楽しめました。巻末の解説も〇です。
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広瀬研究会
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現代詩作家の荒川洋治さんによるアンソロジー。こういう企画は自分にとっての掘出物に巡り合えるのが醍醐味だが、今回は小林勝の『軍用露語教程』がそういう作品だった。予科士官学校のロシア語の講義で軍隊用語しか習わなかった主人公が、チェーホフの原書にふれるシーンが胸に沁みる。深沢七郎の『おくま嘘歌』はちょっとあざとい気がするけど、やっぱりめちゃめちゃ面白いな。中にはわかりづらいような作品もいくつかあるけど、巻末で読みどころを端的に紹介してくれているので親切です。
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読書メーター
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どれもこれも最高だ。おもろい。さすが荒川洋治というセレクト。
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ミミミ
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最後の庭に出るとこ好き
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冬樹
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戦後という時代の色が濃厚な短編14編。虚ろな死と索漠とした苦しみが、全体に横たわっている。(以下、特に印象的だったもの)中野重治「萩のもんかきや」街の片隅に戦争の痕跡を見つける。/三島由紀夫「はしづくし」四人の女性の願掛け。最後に残った彼女の願いは利己か、それとも。/小林勝「軍用露語教程」教育と教養と死地と裏切り。/佐多稲子「水」心情と情景をリンクさせるような、小道具の使い方が秀逸。/深沢七郎「おくま嘘歌」老婆の優しい嘘が哀憐を呼ぶ。/竹西寛子「神馬」"賢さ"の正体を少女は白馬に見出す。
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栄吉
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★★★☆☆ 戦後文学の短篇集。どの作品も当時の時世など現在のお話しと違い、色々な意味で余韻が残る。
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ましろ
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短編の潔さを思う。たちまち引き込み、短さの分研ぎ澄まされた一文一文に存在感を思う。そうしてはらはらと心揺らされるままに出来事は結ばれてゆく。あっという間に感じるほど儚いようで濃く、その余韻は格別だ。読む側の集中力もこの長さに対していつもより時を深く保てるようで、選び抜かれた作品ならではの濃密さを味わえた。これまで読んだことのある好きな作品はもちろん、ここでこの並びで読み知る読後の余韻が忘れ難かった。それぞれに魅力を放ちながら、物事を見つめる視点、わかりきれない人間の姿、その人生に何処か通ずる普遍性を思う。
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k.m.joe
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現代詩作家の荒川洋治さんが、1945年~1989年の戦後文学14作を選定したもの。①志賀直哉「灰色の月」、②高見順「草のいのちを」、③中野重治「萩のもんかきや」、④三島由紀夫「橋づくし」、⑤小林勝「軍用露語教程」、⑥佐多稲子「水」、⑦深沢七郎「おくま嘘歌」、⑧耕治人「一条の光」、⑨阿部昭「明治四十二年夏」、⑩竹西寛子「神馬」、⑪田中小実昌「ポロポロ」、⑫野間宏「泥海」、⑬吉行淳之介「葛飾」、⑭色川武大「百」。
k.m.joe

田舎の老女を書かせると抜群の⑦、真意と行動の微妙な差が味わい深い。 戦時中の生活の中で光を感じる⑧、海軍軍人だった父親の旧友からの手紙を元に、少年時代の父親に思いを馳せる⑨、神社で飼われている神馬の繰り返す動きに漂う哀愁⑩、小さな教会で唱われる祈りにもならないような言葉「ポロポロ」。タイトルを含めて独特の世界が面白い⑪、海面を失った海、そこに生きる海老の群れなどSF的な感覚もある⑫、老整体師の謎めき具合が絶妙な⑬、問題行動を起こす元軍人の九十歳代の父親と子供の人生が交錯する⑭。

04/29 09:23
k.m.joe

名を成す作家の厳選された作品集につき、文章表現の美しさやソリッドさは十分堪能できる。戦後から昭和の終わりまでという括りも活きている。音楽で言えば、時系列に並べながらリンクする部分も感じられる、良質なコンピ盤のような完成度だ。解説で、泣く泣く選から漏れた作品も上げられているのが、荒川さんの本気度を伝えている。

04/29 09:24
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チェアー
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言葉に厳しく、鑑賞者として楽しみに貪欲な詩人の選んだ短編たち。一筋縄ではゆかない。読み終わって、目をつぶって反芻してみる。なぞれるものもあれば、まったくたどらず、別の光景が浮かぶものもある。それでいい。いろんな感じ方、入り方ができる作品が「いい」短編なのだ。 短編はすっと世界に入って、読み終わっても心がその世界にとどまり続ける。読むほどに心に抱える小宇宙のような世界が増えていくような気がする。 小林勝は初読み。「軍用露語教程」は素晴らしい。田中小実昌の「ポロポロ」も面白い。
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KAZOO
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現代詩の詩人の荒川洋治さんが選んだ昭和の短編を14作品が掲載されています。すべて読んだことがなかったのですが楽しめました。やはり一番印象に残ったのは阿部昭さんの「明治二十四年夏」で父親の若き頃を友人たちの手紙から想像して見つめ返します。私は阿部さんのほかの短編はいくつか読んだことがあるのですがやはりいいですね。それと高見順の「草のいのちを」の中に出てくる詩が高見順らしくなかったのでやはり印象に残りました。
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森の三時
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荒川洋治さん編の昭和の短篇集。自分では存在さえ知らずに手に取らないであろうと思われた。戦中や終戦直後を描いた作品が多い。しばしタイムスリップして昔の日本人を見た。
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take
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別の短編集で読んだことがあったが、竹西寛子『神馬』が素晴らしかった。柔らかいのに中身が詰まっている文章。他には佐多稲子『水』も良かった。主人公の痛切な悲しみが溢れ、樋口一葉作品に近いものを感じた。
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Shinya Fukuda
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終戦直後から70年まで24篇が収録されている。初めて知った人もいた。解説には要約と発表された時の作家の年齢が記されている。三島由紀夫と吉行淳之介は上手いなぁと思う。田中小実昌も名前は知っていたが読んだことはなかった。これも独特。ポロポロというのは祈祷の時唱える言葉がそんな風に聞こえたから。持っちゃいけない。というより持てない。唱えた端から消えるという。不思議だかわかるような気もする。野間宏のは難解で唯一つ理解できなかった。高見順の詩もいい。志賀直哉の安定感。竹西寛子、深沢七郎のわかりやすさ。名作揃い、
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黒い森会長
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志賀直哉:灰色の月、高見順:草のいのちを、中野重治:萩のもんかきや、三島由紀夫:橋づくし、小林勝:軍用露語教程、佐多稲子:水、深沢七郎:おくま嘘歌、耕治人:一条の光、阿部昭:明治四十二年夏、竹西寛子:神馬、田中小実昌:ポロポロ、野間宏:泥海、吉行淳之介:葛飾、色川武大:百 全14編、荒川洋治編。言葉が最も輝いて頃の短編。もうこんな言葉遣いの文章は読めないと思う。解説の収録されなかった短編も読んでみたくなった。
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読書熊
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まさに珠玉が集められている。良い
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桃カステラ
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全篇良いけど、佐多稲子の「水」。
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びじゅぼん(ブクログ試行中)
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短篇アンソロジーがおもしろいのは、自分の好みだったら絶対読まないであろう作家や作品を知れるところよねー。『昭和の名短篇』と銘打たれているとおり、名短篇ばかりのアンソロジーであり、好きか嫌いかじゃなくて「うむ。名短篇だな。」と唸らざるを得ないからおそろしいぜ。ピンと来ないのも混じってるし派手さは全然ないが、短篇なのにじっくり読ませるのはなんなんかなー。深沢七郎と三島由紀夫は自分の中でおもしろさの説明がつくが、田中小実昌はおもしろさの理屈がサッパリわからんが、なんかなんとなく読ませるものがあるんよね。
k.m.joe

田中小実昌さん、正にそういうタイプなんですよね。彼の作品集を読みましたが、同じ話が何度も出てくる、でも、それでも読んじゃう。不思議な人です。

01/02 13:08
びじゅぼん(ブクログ試行中)

余人に替えがたい作家だと思います。

01/10 11:35
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昭和の名短篇 (中公文庫 あ 96-1)評価74感想・レビュー25