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ソ連兵へ差し出された娘たち (単行本)

感想・レビュー
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ゆき
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戦勝国や男性の側から語り継がれてきたものを自分たちは『歴史』と呼んできたのだなと思った。ここに書かれているのは、教科書や試験には殆ど出ず、自分で探していかないと出会えない『女の歴史』におけるひとつの時代の話。カバーのそでにかかれた数行の文章から、自分の意識が当時へと引きずり込まれていく。現地だけでなく帰国してからもまた辛い日々。忘れてはいけない出来事。
0255文字
Mint214
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ネタバレ戦争の影に、人権、青春、未来が蹂躙され、抗うこともできずに男たちの決めたことに従うしかなかった乙女たちの存在はもっと伝えなければならない。非常事態だったからと接待を免れた女は他人事のように語り、男たちも「減るもんじゃない」とセカンドレイプに匹敵する言葉で傷をつける。戦争は男たちがはじめた。現代でもウクライナやガザの影で女たちは不条理な扱いを受けていないだろうか。いや戦争自体が不条理だ。 読後は悔しさで胸が締めつけられた。
0255文字
みさき
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昔NHKか何かの特集で見たことがあるのでこの事実は知っていましたが、改めて本でじっくり読むと言葉が出てきません。こんなことがあっていいのか?という憤りを感じながら読みました。女性たちの芯の強さに甘える男性たちのなんと醜いことか。戦争を起こして結局一番被害を受けるのは女性なんだな、と実感しました。
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うたこ
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ネタバレこれは記録しておいてもらって良かった、と思いました。本当に一生忘れられない出来事。未婚の娘達が選ばれた。それはまだ夫の所有物ではなかったから、というあくまでも男目線の線引き。減るもんじゃない、非常時だから、男は新しいものがいい、など、やりきれない言葉。被害者ではない者達の認識がこれだと、また繰り返されてもおかしくないと思ってしまいました。だから、被害者側の証言を入れたこの本、貴重だと思います。
0255文字
60代でも思春期
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何とも壮絶な戦争ドキュメンタリーである。著者が女性だったからこそ、ここまで深く満州での不都合な真実をつまびらかにできたと言える。終戦時、ソ連の侵攻を受け大混乱に陥った満州開拓団。略奪、強姦、集団自決。ソ連兵に加え、元来住んでいた土地を追われた満人、漢人ら原住民等が襲ってくる。集団自決を避け、生き残り日本に帰国するため独身の若い女性が開拓団の中から選別され、接待のためにソ連兵に差し出された。それを取り決めたのは密室でカイタクダンの少数の幹部だった。多くの日本人が命を落とし、有るものは中国人に拾われ残留孤児
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1131you
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学生実業家のような著者の写真であまり印象が良くなかったのもあってか文章が合わなかった。悲惨な話ではあるのだがそれに酔ってるような感傷的な文体も、過去の描写と現在のインタビューと著者の主観がめりはりなく混在する構成も。 当事者の弟への断罪するかのような説教の件には嫌悪感があった。許せない気持ちはわかるし胸糞悪いと思うが戦後に生まれた赤の他人が英雄気取りで何を言っているのだろう。それも取材させてもらう立場の人間が。 これだけ感情的に肩入れしているのだからそれ以外もバイアスがかかっているんだろうと思わせられる。
1131you

せっかくの貴重な証言なのでもっと淡々と記述できる人に書いて欲しかった。ただこういう人だから壮絶な過去を語らせることができたのかもしれない。著者の記述自体は星1で十分だと思うが貴重な証言にもう1つ。 開高健ノンフィクション賞がこれに贈られる賞だということを覚えておきたいと思う。

12/06 18:46
1131you

このような状況のことを教訓としこそすれ、平時の道徳をもって断罪することは適切ではないと思う。ただ「犠牲者」に状況をよくわかってもいない子供が含まれて既婚者が含まれない建前が「出征兵士の家族はなんとしても守らなければならない」というのが飲み込めない。その時そこにいる子供より不在の兵隊さんが尊重される

12/06 18:46
0255文字
nando
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ネタバレ接待はレイプでない、に愕然とする。[接待 ]という表現が『減るもんじゃない』に通じるように思える。ここに男女の認識の大きな開きを感じてならない。 玲子さんの、半世紀以上前の出来事を今でも思い出してしまう心の中。帰国しても打ち明けられなかった、今、実名で語ってくれた勇姿を讃えたい。
0255文字
Naomi Araki
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戦争が起これば世界中で必ず同じ悲劇が起きていると思われ、生き残って帰国してみれば、無かったことにされたり、「減るもんじゃあるまいし」と言われたりする二重三重の暴力に遭う女性達。今現在、ウクライナやパレスチナでも現在進行形であろう。特に日本の場合、強姦された女性を「穢れ」と考える男性が多いと思われるのも具体的な記述でよく伝わった。これからもずっと繰り返されるであろう悲劇。自分をも含め、どうして人類というものはこういう生き物なのであろう。どうしたらもっと進化できるであろう。
0255文字
まると
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戦争で真っ先に犠牲になるのは女性だと実感させられる。満州でロシア兵の「接待役」をさせられ、従軍慰安婦と同様の辛い戦後を生きた女性たちに寄り添い、その証言から埋もれていた事実を公にした功績は多としたい。ただ、彼女らを過剰におもんぱかり、その証言と記録に推測を交える書き方が気になった。客観的な事実と自身の見方を整理しないと、ノンフィクションの質は高まらない。中国での日本兵の蛮行はもっと凄まじかっただろうし、彼女らを犠牲にした本当の戦犯は、移民を置き去りにして真っ先に逃げた関東軍だということも忘れてはならない。
kril

女性からはこのような論点のすり替えは出てこない。「中国での日本兵の蛮行はもっと凄まじかっただろうし、彼女らを犠牲にした本当の戦犯は、移民を置き去りにして真っ先に逃げた関東軍だということも忘れてはならない。」日本の男性こそ、正面から何が問題であったか向き合うべきでしょうね~

12/09 01:58
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もならのペンギン
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『男が始めた戦争で、女は棄てられるって知った』 立場の弱い人間に背負いきれない重荷を持たせておいて、さらに心無い言動をぶちまける人間に対しての憤りはもちろんわかる。ただしその憤りにも程度の違いがある。筆者は女性としてこれまでの人生の中でも性差別を実感して生きてこられたと思う。そのうえで感じる憤り。自分の憤りは自らの身上には起こっていない想像上の憤りである。この違いは相当大きい。その出発点の違いからか筆者のインタビュアーとしての恣意性に少し違和感は感じる。
もならのペンギン

また極限の状態に置かれた人たちの罪の軽重を、現代の目線で問うのは事後法でさばくような居心地の悪さを感じる。しかしそれらを差し引いても、なぜその言動になるのか。あまりの共感の気持ちのなさに愕然とするが、それも自分を含めた日本社会に生きる多くの人(特に男性)に少しずつ責任があることを自覚しなければならない。 問題が複雑なうえ、対案が出せるような問題ではなく考えても考えても沈んでいくが、結局副次的に人権侵害が頻発しさらに弱者にそのしわ寄せがくるから戦争はしてはいけないのだ。

08/22 16:53
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たけこけた
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アマゾンの★1,★2のレビューに同意する。内容は重要だけど、文章、構成が下手すぎる。編集者の責任もあるのだろう。売らんがなのタイトルも酷い。差し出されたのはソ連兵にだけではないと書いてあるし。
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Happy Chieko
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満州からの引揚者の話は聞いたことがあるが、現地でこのようなことが起こっていたとは全く知らなかった。戦争が起こす悲劇は二度とあってはならない。
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gourmet
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女性作家による満蒙開拓団の始まりから戦後の詳細なルポ。 歯を食いしばって、怒りながら泣きながら読みすすめた。 悔しすぎる。 女性の視点となるこの本が広く読まれるといい。
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wattey
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よく書いてくださった、そしてお話ししてくださったとしかいいようがない。 ほんとに、国とか民族かんけいない問題。
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Arte
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地元住民の襲撃から守ってもらうために、ソ連兵に組織的に未婚女性を派遣していた満州の開拓団の当事者の話をまとめたもの。満州の話を読むたびに思うのが、普通に耕作していた地元民を追い出して、いきなり家も土地も乗っ取った開拓政策の非道さ。この開拓団は引き上げ途中に八路軍にも未婚女性を差出し、集団帰国を果たしたが、後に性病で亡くなった女性もいたとか。
Arte

強姦された姉に面倒をみてもらって帰国したのに、帰国後できた恋人が満州で強姦されていたことを知って拒否する弟も酷いが、開拓団の幹部としてソ連兵に団員を差し出し、集団引き上げの先遣隊として都市に出たのに、報告にも戻らずに自分と家族だけ楽な生活を送り、挙句の果てに帰国後、犠牲になった女性に面と向かってロスケ好き呼ばわりをする「三郎」が最悪だった。それにしても、こういう時に未婚女性だけを強姦用に差し出すのが謎だったんだけど、既婚女性は夫という所有者がいるからなのか。その発想はなかったわ(白目)。

06/08 07:38
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惡い読書
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今の視点で過去の事件を批判的に見る。これは、現在のキャンセル・カルチャーと似たような問題があるのだろうか。それがいつも引っかかっている。■戦後、東京を中心にRAA, いわゆる「特殊慰安施設協会」を国が後押しして開設していた話、を知った時は愕然とした(大学生だった頃だし)。連合軍兵士から「日本の一般婦女子を守るため」の「防波堤」にするために「愛国心ある女性・男性」を何万という規模で募った。この関連で富を得た関係者(男たち)も多かったことがまた、何とも。■また、本書の後半を読んでいて『丸刈りにされた女たち‐
惡い読書

‐「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅』の、なんともやりきれない内容を思い出した。詳しく書くスペースはないが。■斯様に、「戦争と手をとりあって」どこにでも現出するが、決して一般化できない暴力‐それを「悲劇」と表現することが忘却の始まりなので慎重であるべきだが‐この本では、満州国壊滅直後からの、ある移民団にあった事件を丁寧な取材で掘り起こす。最初に「キャンセル・カルチャー云々」と書いたが、ここでは、過去の事件を「秘話」として検証するだけにとどまらず、それを「現在の事件、今も現にそこ・ここにある問題」として、

05/29 13:52
惡い読書

呼び戻す。むかしと今を繋ぐ。このもやもやと判然としない読後感を引きずっていこうと思う。はっきりとした感想は書けなかったが、今年もっとも読みたかった本である(出版は去年はじめ)。期待した以上の良書だった。

05/29 13:56
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ゆう
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敗戦後、満州開拓団のひとつ黒川開拓団で起きた人身御供と当時の生活、引揚者に対する冷遇ぶりがよくわかる一冊。 著者が犠牲となった女性当人や親族、関係者にインタビューした内容と他の資料と照らし合わせながら綴られている。 一番印象に残ったのは虎次の話。 恋人の鈴子が松花江で中国人兵に犯され処女じゃないと知り、ショックで傷つき別れたそうだ。 姉の善子があんな目に遭っててもこんな風に言えるのだから、彼女たちが傷物扱いされ疎まれてきたのも納得がいく。 表沙汰にならず語り手の減る事象を書籍に残してくれたことに感謝。
0255文字
風に吹かれて
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「家が貧しい者、親の立場の弱い者が強引に故郷から引き離され」、「現地の農民を追い出す形での日本人による集団移転が強行され」、満州各地が開拓された。ソ連が参戦すると当然のことのように女性が襲われた。開拓団を守るため、開拓団の幹部(男)は、「接待」と称する女性差し出しをソ連軍と取り交わす…。 帰国後も彼女たちは、処女でなければ嫁にはもらわないという、ふざけた常識を振りかざす社会の中での開拓団に属していた女性たちの悲惨を世に問えたのは筆者の努力のたまものだ。出版するに際しても様々な意見があったらしい。 →
湖都

戦時中は大和撫子を讃えて敵兵に捕まるくらいなら自死せよと教え、戦後は皆の為に身体を捧げろと言い、さらに時代が下っては売女の扱いをされ「お前も好きだったのだろう」と侮辱される……本当にこの男性達にはうんざりしました。風に吹かれてさんが仰る通り、この本が特例ではなく、この問題は現代に繋がる部分も少なからずあると思います。

05/18 18:32
風に吹かれて

湖都さんのレヴューを拝見していて知った本でした。過去を知ることは現在を知ることだと改めて思いました。著者の思いの深さと重さがつまっている本書が多くの人に読まれることを祈りたいと思います。

05/20 00:09
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0255文字
モルク
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満州で岐阜県黒川村民を忠心とした黒川開拓団。終戦直後取り残された彼らは地元の暴徒から逃れるため進駐してきたロシア軍に助けを求めるが、代償として18才以上の未婚の女性を性接待に差し出す。団の皆を守るという大義ではあるが団での親の立場により免除、軽減ありという差別を伴ったものだった。恋も知らず体を捧げた彼女たち。男たちは見て見ぬふり。帰国後も傷物扱いしかも接待の決定に関わった人が帰国後遺族会会長。接待などなかったかのように臭いものに蓋。読んでいて憤慨で胸が一杯になった→
モルク

Vancさん、強姦、慰安婦問題など戦争においては性被害がたくさんあることは知っていますが、自分達から生け贄を差し出すようなことが行われていたとは…ショックが大きい!

05/15 13:42
Vanc

そうですよね。しかも『臭いものに蓋』。どんな顔して生活していたんだろうか?

05/15 19:51
4件のコメントを全て見る
0255文字
kitakama633
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自分ならどうするか、どうしたらよいか。自分は死ねばよいのかもしれないが、妻や娘も死ねばよいのか、殺せばよいのか。結局は暴力で殺され、犯されるのか。それでも抵抗するのか。だから戦争はやめましょうね、または戦争で負けないように先制攻撃しましょうね、なのか。男女同権というが、男は女性を守られなければならないのか。結局は男は最後に女性、弱いものを犠牲にして逃げるのか。どうすればよいのか、分からない。
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たまきら
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渾身の取材。生きのびるために十代の女性たちを兵隊の酌婦として差し出した日本人男性のロジックに呆然とします。バタフライエフェクト「満州帝国 実験国家の夢と幻」を録画してあったので夫と観ながらこの本でいろいろ確かめました。夫も手に取り怒りが収まらなかったようでずっとブツブツ言いっぱなし。国策で満州に出た人々は国から捨てられ、女性は利用され、帰国後は「汚れた女とは結婚しない」と卑下され…。そして謝罪も反省もなきまま、またきな臭い時期にさしかかっています。戦争は本当にごめんです。女なめんな。秀逸。
yomineko@ヴィタリにゃん

どんどん真実が明るみになって行きますね、様々な事が。。。他にもありそうですね。

05/08 19:29
たまきら

すぱちゃんさん、ぜひ!感想待ってます。

05/08 21:38
10件のコメントを全て見る
0255文字
湖都
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ネタバレ終戦直後の満州で、命を脅かすソ連兵を宥めて団を守るために、説得され性接待に差し出された娘達について書かれたノンフィクション。同じ日本人に差し出されたこと、その選別に偏りがあること、さらに中国人にも売られそうになったこと、襲われても皆見て見ぬふりをすること、帰国後にも蔑まれ侮蔑的な言葉を向けられたこと、お礼も謝罪もないこと…怒りが込み上げる内容であった。特に昔の日本人男性に対する怒りが。そして同じ被害にあった女性でも、善子の強さに感嘆する。弱きを守り、生きぬき、帰国後も事実を闇に葬ろうとせず戦いぬいた。
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柔
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「頼む。団を救うと思ってウン、と言って欲しい」終戦後の満州でソ連兵から開拓団を守る為に取った手段は独身の若い女性を性接待に出すことだった。隣保共助の闇をみる。日本古来の美しいとされてきた精神の残虐さ。「乙女ささげて 数百の命守る 女塾で学んだ大和魂 音を立てて崩れ落ちる」何十年経っても夢に出てくるトラウマ。引き揚げ後も身分を隠し思うような人生は送れない。運命といえば運命だが、平和な時代に生まれ育った孫娘とも「なぜ、こんなに人生違うのだろう」と比べてしまう。誰にも話せない過去。しばらく胸のつかえが残る。
たまきら

柔さんの感想に心を打たれました。戦後の苦しみに男も女もなかったと思います。ただ、コミュニティの仲間・味方から強制され、言葉も通じぬ男たちによる輪姦で体を奪われた女性は、二重にも三重にも人権を奪われた苦しみを生きている間ずっと感じていたと思います。この地獄は多くの男性には共感しにくいかもしれませんね…。

05/08 06:54
柔

ありがとうございます。その人の立場になって、想像し考えること。これが大切ですよね。せっかく読書好きなのに己の浅さです。

05/24 13:42
3件のコメントを全て見る
0255文字
ヒロ姐
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黒川開拓団の娘達は団幹部や家族を守る代償にソ連兵へ身体の提供を強いられる。数年後辛うじて帰国するも接待という名の惨劇と功績は影も形もなく隠蔽されその犠牲の庇護によって生き延びられた同朋や遺族会の出版物からも抹消される。挙句ソ連兵を好きだったなどと命乞いの人身御供にされた事実も歪曲され負の烙印を生涯背負ったまま記憶が詰まっている自らの頭を恨みながら生きぬいた当事者達。かたや貞操を守って集団自決した他の開拓団の女達は慰霊碑に名前が刻まれるほど称賛された。これが戦争を招いた男達の現実なのだ。
ショースケ

戦争とはいかに愚かしいものだということが、ヒシヒシと伝わりますね。恐ろしい話です。

03/03 12:08
ヒロ姐

そうですよね。地球に永遠の平和を保証する日が早く来ますように。願います!

03/03 12:25
0255文字
ばんぶー
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まず、事実に圧倒されます。そして、この問題が、基本的には現代の日本においても全く解決していないこと。日本型のファシズムとでも呼ぶべきものが弱いものを押しつぶし、いなかったことにしてしまうことが、まったく過去のものではないこと、私たちが──特に男性が変わらなければならないことも、わかると思います。私のつたない文章ではまるで伝わらないと思いますので、是非読んでほしいと思います。
0255文字
michi44
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発売されてすぐ購入したのだが気が重くてなかなか手に取れず読み始めたのは一年以上経ってからだった。 性奴隷の話し自体は他の書籍でも何度か見聞きしたことはあったが、それ以後現在に至るまでの事を綿密に取材したものを読んで、男の性に関する思考の根底は変らないのだなと思った。所場所を考えず女性蔑視の軽口を叩く者、自分の正当性ばかりを主張し論点を逸らす者。 何十年かのち、この本の内容が「これは国の正式な記録ではない。一作家の記事でしかない」と言われる事を危惧する。
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まこと
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日本人の抱える種々の問題の謎解きは、この本が言わんとしていることに答えたがあろう。まさに集団移民の特殊性・凶暴性を暴いた正史といえる。満州開拓団は行政支援によって、自治体内で力を持つ村長、学校教師らが中心に作った集団。遺族会も同じ流れできていて、親に力のない娘を犠牲にして生き延びた側。村のボスと行政、教師、マスコミらの癒着も、戦時中とたいして変わらぬ流れである。今こそ知るべき内容。
まこと

著者はマスキングしているが、数々の暴言はおそらく団幹部の親族女性からではないだろうか。田舎の女性のキツーい感じをAmazonの難癖レビューを見て、ふと思い出してしまった。。。

05/19 23:25
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ピザドミノ
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ネタバレ後半、被害者の弟が「初恋の女の子が交渉材料としてレイプされていたことを後日知った。何年かプラトニックな恋愛関係を続けていたけど、それを知ってスッと恋が終わってしまった。女にはきれいでいてほしい。男はそういうもんなんだよ」と語るシーンがある。その価値観が、かつそれを姉である被害者にも隠さないことがどれだけ残酷か、インタビュアーである筆者に指摘されるまで気付かなかったという。 その呑気なほどの女性の性や人権に対する軽視は、程度の差はあれ、現代まで地続きだと感じる。女性地位向上を謳っても戦争が起これば女は弱者。
0255文字
EOEO
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戦争と性被害というのは、いつの時代もどの場所でもセットなのだろうと思います。遺族会の会長が放った言葉が一番衝撃的でしたね。怒りに震えました。「接待」をさせられた事実だけではなく、帰国後に彼女たちが受けた差別を知り、信じられない気持ちになりました。彼女たちの中にも序列のようなものがあったのも、また苦しい話でした。戦争の犠牲になるのは、どうして立場の弱い人間なんでしょうか…。どうにもできないのがやるせないですね…。彼女たちも他に選択肢はなく、どうすることもできなかったと思います。
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戴史乍書(読書記)
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図書館にて。
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遥かなる想い
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敗戦直後の満州で 起こった悲劇の物語である。 団の皆を守るために ソ連兵の接待を 強いられた女性たち…実名・顔出しの写真・描写が心に痛い。 戦争は弱い人間たちに何を強いたのか… 歴史に埋もれた悲しい真実が 現代に 蘇る…犠牲者の女性たちの 心の言葉が 籠ったノンフィクションだった。
0255文字
もちこ
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壮絶な体験に息が止まっていて、苦しい思いで読みました。ソ連兵への接待も本当にひどいし、その後の彼女たちが感謝もされず、汚いものとして扱われたり、ひどい言葉(好きものと言われたり、減るもんじゃないと笑われたり、非常時だったからと片付けられたり)を投げかけられるのがすさまじくひどい。そして「減るもんじゃない」という思考が今も社会の中で通用しているのがこわい。読み応えある一冊でした。
0255文字
kurousagi
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岐阜黒川開拓団が団を守るために人を盾にした話から、独身女性を所有者がいない奴隷と見なす日本男子の本質に迫る。嫌がって逃げる子を引きずり出す係まで揃えておいて、団とソ連兵の合意だから強姦ではないというクソ論法や、非常時だから仕方ないとクソを庇うクソ女までズラリ。武漢の慰安所跡を見た被害者が相似に気づき、団に合流した関東軍兵がソ連兵と合意を取り付け女の子の膣にホースを突っ込んで洗浄する一連の手慣れた手順と、地獄を「慰安」「接待」と表現する感性から、これが従軍慰安婦地獄の派生であることを看破したところは必読
0255文字
GO。
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『ノンヒクソンZ』152夜。書題通りの本。これほど胸が痛む、絶句してしまう書題があるか。このれびうも書いては消して、書いては消してを繰り返している。何かを言おうとするのだが、想いの塊は、いつも喉で突っかかって出てこなくなる。無理やり吐き出そうすると、耳障りの良い、どこかで聞いたことのある言葉に整形させられそうな塊だ。そのままの形で吐き出そうとすると、喉が裂けて血が吹き出しそうな塊だ。そして塊を生み出す俺自身の根源には、ソ連兵と同じ獣性があり、ムラ社会で女性を見下して姑息に生きる男達と同じゲスさがある。
0255文字
Yetina
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タイトル通りの内容。満州引き上げの際の壮絶なドキュメンタリーだ。自決か生き延びるために弱い者に犠牲を強いるか・・・男達の取った決断は・・・。戦争の犠牲になるのは常に弱い者達だ。このような記録は残していかなければならない。そして戦争は絶対に繰り返してはいけない。
0255文字
それいゆ
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読むのが辛かったです。自分の身近な人たちの出来事ではない読者たちは、どうしても他人事になってしまうのかな?と、いまいましい気分で読みました。高校の倫理社会の授業中に先生が急に満州からの引き上げ体験を話し始め、途中で奥さんを亡くし、そのまま置いて帰国したという話をしてくれました。これこそ自分の身近な人の話です。ショックでした。50年以上過ぎた今でもその時のことは忘れられません。
0255文字
まうんとふじ
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2023年の初本 当時の状況がそうさせた、だけでは済まされない男尊女卑の考え方、女性(特に独身女性)への社会的な考え方をミクロな経験談からマクロ問題へと拡張させる書き方が秀逸 自身の経験されたことを自身の口で語ること、そしてそれが社会から幾度もなく踏みにじられて捻じ曲げられた女性たちが報われる、平安が訪れる社会がいつか実現されますように
0255文字
天城
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終章〈現代と女の声〉でも述べられているように、「男が始めた戦争」によって心身ともに深いダメージを負ったのは母親や子どもたちであり、本書で扱われている黒川開拓団においては若い未婚の女性たちであった。今日、果たして同じ事態になった際に、この様な蛮行が絶対に繰り返されないと断言出来るであろうか。追い詰められたその先には「接待」「集団自決」の強制が間違いなく待ち構えているはずだ。戦争のリアルはミサイルが彼の地から飛んで来るだけでは絶対に済まない。この現実を我々は手遅れになる前にいま一度肝に銘じておくべきであろう。
0255文字
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
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(2022-82)開高健ノンフィクション賞受賞作。知って良かったと言う想いと、知らなければ良かったと言う想いが混在する衝撃的な内容。終戦後の満州、襲いかかる暴徒から開拓団を守る為にとソ連兵に「接待係」として「差し出された」若い娘たち。自分の子供達にも明かす事が出来なかった辛く悲しい過去。開拓団の為、生きて故郷に帰る為、必死の思いで耐え、日本に戻れば「引き上げ者」として白い目で見られると言う酷い仕打ち。男が始めた戦争で辛い思いをするのは女と子供。こうした思いをする人を二度と出してはならないと思う。★★★★
0255文字
まゆこ
新着
★★★☆☆
0255文字
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ソ連兵へ差し出された娘たち (単行本)評価72感想・レビュー132