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弱法師 (河出文庫)

感想・レビュー
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飛鳥
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初めて読んだ作家さんでした。 激しい切なさが、込められていました。 人を愛するって、こんなに重いんだなと。 片思いが1番切ないんだなとも。 成就するだけが恋じゃないんだとか、色々思う本でした。
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ぱ隹越九朗
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登場人物たちの切実さが肉薄してくる三つの物語。物語を物語として見下ろすように読んでいたつもりが気づけばいつの間にか彼らの隣でそれを目撃させられていた。全精神をズタズタに切り裂かれる一冊。心の本棚に安置します。
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あじぽん
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ネタバレ現代能楽集と名乗る中篇3篇。三島由紀夫『近代能楽集』へのオマージュであると同時に吉屋信子オマージュでもあるのかも。どの作品にも叶うことない恋の痛みを感じてヒリヒリする。「弱法師」医師である義父と失明する病に侵された息子の関係。ラストの心中は愛ゆえの当てつけだろうか。「卒塔婆小町」編集者に捧げる作家の愛。最期の最期で愛が報われたのかも。「浮舟」思春期の娘が知った父母と叔母の長年にわたる歪な関係。源氏物語の浮舟のように板挟みの愛に苦しみ二人の元を去っていく。ラスト、秋の空に吸い込まれる白い煙が儚く美しかった。
0255文字
松本直哉
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ギリシャ悲劇と同様、能もまた、その深さと象徴性ゆえに、無限の再解釈と語り直しに耐える芸術なのだろう。現代能楽集とでも名づけたい三つの中篇の中でも、とりわけ、二人の人に愛されつつ、自らは死への宿命的なまでの傾きを抑えられない源氏物語の女性に材を取った「浮舟」が、意外であざやかな換骨奪胎と、静かな狂気さえ感じさせる恋の深淵の探求において、印象的だった。愛する人のなきがらを病院からかつぎだして海辺をドライブする場面が鬼気迫る。読んでいるあいだ、シューベルトのD894のピアノソナタが脳内で無限再生していた。
0255文字
フラチキさんです
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★★★★★☆ 初読み作家さん。
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双海(ふたみ)
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能をモチーフに、現代の不可能な愛のかたちを研ぎ澄まされた静謐さと激情で美しく繊細に紡ぎあげた中篇小説集。収録されている三篇の中では「浮舟」がいちばん好き。二人に愛された挙句どちらも選べず破滅に向かう女性の悲劇を娘の視点から描いている。実に秀逸な短篇であり、絶版という本の墓場から河出書房新社が掬い上げてくれたことに一読者として感謝。
0255文字
きりん か まこ
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恋愛ものをあまり読まないけど、恋愛も人と人とのつながりの先にあるもんだもんなぁと思った。 なんだか純文学みたい。純文学がなにかしらないけど。 マリア様かナイチンゲールのような愛。慈愛。恋愛は慈愛じゃないんだなぁ。
0255文字
うずらのたまご
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今まで多くの恋愛小説を読んできたが、中山可穂の書くそれは「恋愛」なんて軽々しく括れないほど複雑で、血の滲むほど痛い。強く、深く、烈しい愛は、彼女の言葉で緻密に編み上げられ、あまりにも美しく切ない。3編それぞれに敷き詰められた、愛を表現する言葉が波のように迫ってきて、体を埋め尽くして、その濃密なエネルギーに息苦しくさえなる。肌に合わない人にはとことん合わないだろうが、この愛憎の海には一度溺れてみてほしい。
0255文字
めまい
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三島の能楽集が下地にあるらしいが、未読でも面白く読めた。ドラマティックな展開に、ジェンダーフリーの秘密の恋が散りばめられている。3編とも、人物相関図を書いてみたら相応に気持ち悪い(だからこそ倒錯的な恋愛快感が発生する)ので、好きな感じだなと思って読み進めるも個人的にはあまりハマらなかった。解決されすぎるのかなと思う。好みなので、読み返したら見方が変わるかも。
0255文字
楓
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ネタバレ好きな人が貸してくれた。 透き通っていて綺麗な水に見えるのに、底を覗くと血が溜まっているような文章を書く人だと思う。初めて読んだ作家さんだけど、肌に合う文章だった。読んでいて頭に浮かぶ映像がどれも綺麗。 「恋とは死に至る病である」その帯の通り、読んでいるこちらの心まで削られる気持ちになる。人を好きな気持ちを持っている時に読めて本当によかった、と思う。弱法師の子供たちは2人とも死んでしまう。卒塔婆小町では青年が死んでしまう。(最後は老婆も全うするが。)浮舟では母が死んでしまう。段々と年齢が成熟していく順番。
0255文字
ま
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恋がしたくなった。
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バーニング
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感想は色々あるが、まずいまの自分に正に必要な小説で、素直に読めてよかったという気持ちが大きい。3つの中編はどれも魅力的だが、中山可穂のエッセンスが凝縮された「浮舟」がもっとも優れていると感じる。元は源氏の一篇である浮舟を中山可穂が翻案するとこうなるのか! と興奮し、そしてドキドキしながら最後まで読んだ。恋愛や性愛を通してヒューマニズムや人生を書こうとしたのは、紫式部にも通じるところがありますね。
0255文字
ア・トイロッテ(マリポーサとも言う)(各短編の評価はコメントで)
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★★★★★10 中山可穂の作品を読んでいると、本当に魂を削っているようだと実感する。著者のあとがきに、「かなわぬ恋ばかり書いたのは、当時の自分がかなわぬ恋をしていたからに他ならない」とある通り、この作品は一種の私小説とも受け取れた。特にラストを飾る「浮舟」は著者の心情が作中の薫子に重なるようであり、ラストに近づくにつれて痛々しさを感じた。収録の三編はどれも心に対する影響が大きすぎた。傑作というほかない。
ア・トイロッテ(マリポーサとも言う)(各短編の評価はコメントで)

弱法師 ★★★★8 卒塔婆小町 ★★★★★10 浮舟 ★★★★★10

03/14 21:51
0255文字
みず
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ネタバレ身近にファンが多く、作家性は何となく知っていたものの初読。3篇中2編に登場人物がレズビアンだと発覚する展開があるが、それでも倦むことなく読めた。弱法師目当てで読んだけれど、浮舟も◎。気取らない表現で続きが気になる好みの一文があり、前評判から「過度に叙情的なんじゃ?浸っているような文章は好きじゃないんだよなぁ」と邪推していたけど、淡々とした書き口が想像の余地を与えてくれて、思ってたより随分とっつきやすい作家だった。近々土台となった能を見るので、それに触れてどう感じるだろうと思っている。
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にゃあ
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著者としては異例な作品らしいが、その世界観と言葉の美しさは他作への興味をつなぐ。
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龍太郎
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そういうシーンが一切ない作品でも中山可穂ワールドでした。
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あんなまん
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(中山可穂『弱法師』株式会社河出書房新社,2022年)
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モモ
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中山可穂さんの文章は本当に肌に合う
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真白(旧あかうら)
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「弱法師」「卒塔婆小町」「浮舟」の三篇から成る現代能楽集。元ネタ知識0でもめちゃくちゃ楽しめた。何となく能ってだけでダイナミック(≒大雑把)な心理描写をイメージしてたところを見事に裏切られた。能、ごめん。お気に入りは「浮舟」です。
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練りようかん
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ネタバレ人間関係を削り立場を削り命を削る。中山さんの描く愛はなぜいつもギリギリのところまで人を追い詰めるのだろうか。そしてその様に魅了されるのだろうか。表題作は妖しく儚さを湛えた少年、「卒塔婆小町」は修羅の過去を多分に滲ませた女性ホームレスに惹きこまれ、絡めとられれるように物語に入っていく。三篇ともラストの情景がたまらなく美しい。特に感情を揺さぶられたのは「浮舟」。祖父の造形描写は浮舟の父と重なって興味深い、端役の数行に他者とのディスコミュニケーションという本家の肝を織り込むのが凄いし巧みだ。とっても面白かった。
0255文字
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買う際に巻末の河出文庫版あとがきが目に入り、“これは絶対に読まないといけない一冊”と思った。文章がさらさらしてるのに読後がえげつないぐらい濃密。だからといって派手な描写は一切ない。表題作は似たような作品が溢れているけど、著者特有の儚い美しさにどっぷり浸れる。卒塔婆小町、浮舟は貪り読めるほどの力強さに酔う。なんの違和感なく自然に魂を持っていかれた。怖さと崇拝。間違いなくもっと早く出逢っていたかった作品(でも5年前に読んでいても絶対好きじゃない。というより絶対選ばないと思う)。
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確かに帯文が読みたい欲を半減させている。かといって“感涙100%!!”とか書かれていても気持ち悪いけど。著者あとがきに書いてある通り(『白い薔薇の淵まで』を読んでわたしのことを知ってくださった若い読者)だけど、まだそちらは読んでいない。とにかく河出文庫さん、復刊ありがとうございます。有吉佐和子の非色に続き、二回目の感謝。こういうところなんよね~出版社

08/28 20:37
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復刊嬉しいけど、なんでこんな表紙をまた地味にした?って、それだけずっと思ってる。本屋に並んでてもタイトルが薄すぎて見えねぇんだもん。文春文庫から出てる絶版になった方?もセンス悪いなと思うけど。単行本のおかめみたいなやつがいちばん好きやけど、内容と合ってる…とは思わん。あのキャッチコピーのせいだけど

08/30 11:43
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みゃお
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現代能楽集3篇。 すさまじいばかりの愛の物語。 改めて原作を読んでみたい。
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のあ
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愛についての短編集、すごく読みやすかった。 重く暗い愛なのに醸し出される切実さと儚さが純白の愛にみえる。 独特な読み応えと読後感でした。 卒塔婆小町が特に好きでした。
0255文字
ゴトウユカコ
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苛烈な愛は、ときに人を殺すものだ。それが本人たちにとって幸福なのかどうかはわからないけど、その激情のゆるがない強さは、とても眩しい。眩しい分、影も、死への近さも濃いように思える。能楽に題をとった3編の中編集だが、この作者の恋愛は、同性同士もあり、恋愛小説といってもすごく根源的な、本能に近い渇望みたいなものを描き出す。これまでのセックス描写ありきを封印しての今作ということだけれど、その行間からとにかく性愛が匂い立つのもすごい。少年と大人の男、作家の男とレズの編集者、男女の双子と1人の女。組合せも唸らせられる
0255文字
湊-みなと-
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美しい…とにかく美しかった。「愛する」ということ感情だけではなく、人間の深いところに刻まれている本能というか、魂を描いていたように感じた。(語彙力なくて上手く表現できないが)また、「愛」という形には一括にできないほど様々な形があるのだと改めて実感。切なく、苦しく、愛おしく、艶めかしく…様々な感情が読んでいて湧き上がってきた。何気ない描写でエロス感じた作者の筆致の凄さよ。能作品をモチーフにしているらしいが、原作知らなくても楽しめる。どの作品も好きだが、「弱法師」が好き。
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veriga
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2022年37冊目。能楽をテーマにした短編集。それ以上は言いたくはない狂気に満ちている。究極だけど、人を思いすぎるが故の感情に読んでいる自分も狂ってしまった。
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