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権力は噓をつく──ベトナム戦争の真実を暴いた男 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズⅣ)

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とし
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政府が真実を秘密にし、大衆に嘘の情報を伝えることで政府としての体裁を保つ姿が描かれている。一方で、主人公は自身のキャリアや命の危険を顧みず内部からの告発により真実を明るみに晒すことで政府の体裁よりも大事なものが何かを大衆に訴えかけるような構図が描かれている。 事の大小はあるが、会社でも本質的に似たような構図が発生しうるし、他人事ではないと感じた。
0255文字
61rsmma
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難しそうな本なのに、読み始めると止まらないくらい面白い。いろんな人の想いが錯綜し、物事がどんどん進んでいく疾走感があった。特に各大統領の心情表現は面白かった。 また、末にある訳者のあとがきと同じことを思った。世界は変わっていないのではないか、昨今の情勢を考えるとそう感じる。戦争は始めると終わり方が難しい。ベトナム戦争では、権力者のプライドのために多くの尊い命がなくなったと思うとなんとも言葉にし難い感情がある。
0255文字
no6
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袖に「推理小説のように一気に読ませる歴史ノンフィクション」とあるがまさにそのとおりで、権力者はここまでやるのか!と、むしろ小説だったらやりすぎで嘘っぽいと思ってしまうほど。泥沼化した戦争としてベトナム戦争のことはもやっと知ってはいたけれど、こんなにも悪手が次々と繰り出されていたのかと。また情報工作チームがなんともへっぽこ…。現在起きている戦争もそうだけど、負けるわけにはいかないということが最優先になると俯瞰した判断はできなくなるんだろう。そして戦争でなくても権力者が嘘をつくことは我々日本人も知っている。
no6

装丁=鈴木千佳子、DTP=山口良二

05/13 20:13
0255文字
レイノー
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2022年(訳出前原本「MOST DANGEROUS:Daniel Ellsberg and the Secret History of the Vietnam War」2015年)刊行。著者はノンフィクション作家。◇図。◆政府内部者から転じ、ベトナム関連機密文書を暴露したエリスバーグを追尾した評伝。◇ペンタゴン・ペーパーズ。広義のベトナム戦争における米国の立ち回りを記録したものだが、①軍が必要とするものを完全提供せず、歴代米政権は20年間推移させた。かといって和平交渉に真剣に取組むこともなかった。
レイノー

「身を粉にして、”卑劣なやり方”で仕事をする奴がどうしても必要…。指示は私が直接下す」とマフィア映画と見紛うばかりの言動が大統領の口から出され、しかも「ホワイトハウスから指揮をしなければならないから…。捕まらないようにして…」と犯罪行為の隠蔽まで念頭に置いていた行動が展開されていく様である。◆とまあ、政治家の始末に負えない模様が彼方此方で暴き出される。また盗聴といえばニクソンだが、ジョンソンもまたこれに手を染めていたのであれば、政治家ってヤツは…と言いたくなる。また核をチラつかせてベトナムを脅す手法。

03/01 07:56
レイノー

これは、今世界を騒がせているどこぞの核保有大国大統領の思考とソックリである。◇ところで、本書を、抽象的に言えば、余りにもひどい実情にある政治家の営為が、国家機密の名の下に隠蔽される。その汚濁の部分を赤裸々に開陳した事件の一例と見ることができる。他方、本書自体のリーダビリティは高く読みやすい。また臨場感もかなりあるだろう(この点は良いかというと微妙ではあるが…)。決して読後感が爽やかになるわけではないが、知っておいて如くはない。そういう書と言える。

03/01 07:59
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koji
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「推理小説のように一気に読ませるノンフィクション」との帯コピーは、些か羊頭狗肉で、そこ迄スピード感はありません。唯本書で語られる「米大統領の孤独、嘘、プライドとプレッシャー」は読み応えがあります。さて本書が曝くベトナム戦争からウォーターゲート事件に至る経緯は、映画でも復習できることが分かりました。ペンタゴン・ペーパーズ→大統領の陰謀→ザ・シークレットマンの「3本の映画」を、この順に観ていく事にします。更に今との関わりでは、露ウ紛争における米国の関わりはどうなるか。本書を元に米大統領の行動に注目していきます
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chuji
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久喜市立中央図書館の本。2022年10月初版。訳下ろし。亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズⅣ-5。誰でも嘘はつくが、権力者の嘘は与える影響が半端ない。
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めめほめ
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ネタバレ原語だとヤングアダルト向けの本なので語彙が限られているからか、前半は描写が平坦でわりと退屈だが、ペンタゴンペーパーがニューヨークタイムズにスッパ抜かれるあたりから俄然ページを繰る手が止まらなくなる。大義の為なら国家機密を漏洩してもいいのか、この本はどちらにも組みさず、うーむと悩んでしまう読後感。大人向けは沢山書かれているだろうから差別化ってこともあるんだろうが、これを中学生くらいにも読ませて伝え、考えさせようとするのは成熟した国たろうとする強い意思を感じる。
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little_yahos
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日本に住んでいる多くの人間はベトナム戦争は知っていても、「なぜ戦争が起きたのか?」「どのように終戦したのか?」を把握している人は少ないように思える。自分自身もその一人で、エルズバーグ氏のリークがウォーターゲート事件に繋がってた点に驚いた。自国民の犠牲によって成り立つ国策のリークについては、インサイダーは守られるべきだと思う。
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りうかん
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アメリカが共産主義をどんだけ嫌ってるかわかる本?自分が大統領の時にアメリカを敗者にするわけにはいかないという理由で、勝利しないとわかってる戦いに国力をそそいでしまう権力者の勝手さというか・・・。ベトナム戦争の真実を暴いた一冊。面白すぎて一気読みしてしまった。日本でも十分あり得る話。
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