形式:ライトノベル
出版社:小学館
103p~『「アキラ、おまえには才能がある。非凡な殺しの才能がな。一番の美点はそのためらいのなさだ。たいていの人間はやる前に迷ったり考えたりするが、その無駄な時間を一瞬でショートカットできるタイプの人間がまれにいる。それがおまえだ」「それってのはつまり、自分勝手の極みが為せることさ。どんなに普遍的な常識や大切に思うつながりでさえ、自分の都合であっさりと切り捨てられる。そんなエゴイストでなければ、そこまで冷静に人は殺せない」彼は師匠であると同時に頼れる父親のような存在でもあり、……
私も彼を慕い尊敬していた。そんな私たちの旅がちょうど丸一年を過ぎたころだろうか。仕事で訪れたシカゴの路地裏で、殺人現場に運悪く遭遇してしまった子供がいた。ジョンは目撃者を消すために迷いなく銃口を幼い子供に向けた。その瞬間、私もまた引き鉄を絞っていた。「たかがこんなことで涙を流すな、アキラ……人間がいつか死ぬってことに、もともとたいした意味なんかはないんだから……おまえのその涙は、通り雨が降ったようなもの……この場だけの感傷で、ただの自然現象と同じだ。後に残るものは何もない……」
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