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科学で宗教が解明できるか: 進化生物学・認知科学に基づく宗教理論の誕生

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owlsoul
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科学とは普遍的・客観的な知を求める営みであり、その視点から宗教を分析すると、例えばそれは進化的適応の成果物、または人間の普遍的能力から図らずも生まれた副産物、といった見方になる。しかし、ポストモダニストは科学も一つのイデオロギーだとして、客観的な知の在り方に疑問を呈する。人文学的視点では個別の宗教を文化的側面から分析するが、その宗教物語に忠実であればあるほど、その分析自体が宗教化=神学化してしまう。宗教を客観視するとはいかなる行為なのか。宗教認知科学(CSR)の発展史を通して宗教と科学の関係を概観する良書
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進化生物学への知識の正確さがそこらの勉強不足の哲学者とは隔絶したものであることが短い記述からも伺えて、それだけでも信用足る本に思えた。主に北米の宗教学を横断し、研究手法や学問への向き合い方を整理した内容であり、認知科学などと特定の宗教を掛け合わせた具体的で実地的な研究に関しては参考書籍・論文に譲っている。宗教と科学は敵対するとは限らず、強い反宗教はイデオロギー的であり、また神学に偏った宗教学も権威主義的で政治的になるという。中庸か使い分けを示唆するとも言える。著者の立場が明確な方が読みやすいのではと思った
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みを
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本書は、これまで日本の宗教学界隈でほとんど受容されてこなかった科学的宗教研究理論について、それぞれの概念を丁寧に解説しつつ理論全体を俯瞰できるよう描かれた重層的な研究書となっており、とても面白い。個人的には、CSR草創期には北欧で活発に議論されていたのに、研究場所がしだいに米国に移っていたところが興味深いと思った。日本における西洋の宗教概念批判受容に関する偏向性(選好性?)もそうだと思うけど、任意の宗教理論が一定の公平性をもってよりグローバルに議論されるようになるには、まだ時間が必要なのかなとも思った。
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