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ノー・カントリー・フォー・オールド・メン (ハヤカワepi文庫 マ 1-6 epi108)

感想・レビュー
80

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海猫兄弟
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スタンガン(改造屠畜銃)を持つシガーにより人種、性別、地位、関係なしに人がどんどん殺されていく。人間の命と家畜である牛の命は同列とでもいうように。それなのに全体の印象からは気怠ささえ感じる。コーヒーを飲んだりシャワーを浴びたりするのと同じテンションで殺害の場面が流れて行く。作中ではこれら全てが人生の一部分に過ぎない。好きも嫌いもなく運命として受け入れるのみだ。シガーはコイン投げの裏表で生死を問うが、それは多少早いか遅いかの違いでしかない。この物語に於いて保安官は最後まで運命の傍観者として存在し続ける。
0255文字
ケンタ
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麻薬密売人の殺戮現場から大金を持ち逃げした退役軍人モスを、出会ったら終わりの殺し屋シガーが追跡、保安官ベルが事件を調査とシンプルなストーリーですが、マッカーシーの心理描写を廃した描写、何よりも圧倒的なシガーの行動に引き込まれました。描写されているシーンにもドキドキし、描写されないシーンにも、ここを描写しないのかとなんかもうちょっとドキドキしました。
0255文字
Gasse
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ネタバレ映画を見て興味を持って読んでみました。1980年、テキサス州の町で起こった麻薬組織の抗争から派生したある事件の顛末を、保安官ベル、ヴェトナム帰還兵モス、そして殺し屋シガーの三者の視点から描く。映画ともども重厚な作品で、中身をちゃんと理解できた気はしないのだけど、初めてマッカーシー作品を読み切れたので良しとしたい。小説の方が物語の背景や広がりを感じられ、映画ではよりディテールを理解できる。両方を鑑賞することでより作品を深く味わえて、その点では理想的な映画化だったのだなぁ、と思いました。
Gasse

以前に挑戦して挫折した『ブラッド・メリディアン』に再挑戦するか…

01/09 08:53
0255文字
へてろせら
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旧題「血と暴力の国」。麻薬売買の金を持ち逃げした男モス、それを追う殺し屋シガー、事件を追う保安官ベルの物語。 マッカーシーの世界では決して勧善懲悪にはならないし善人が救われるわけではない。無関係な人たちも大勢巻き込まれるしそこに理由はない。理由はないけど、その結果に向けて人々は無意識に選択してきたのだとシガーはいう。残酷さと決定論的なシガーが淡々と描かれて神話みたいだった。
0255文字
フユコ
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ネタバレアントンシガーの気持ち悪さが本当に素敵。勿論怖いんですけど。映画で印象的だったお店でおじいさんとの問答のシーン、ニヤニヤしました。絶対にシガーと会いたくないです。思ったより保安官の自分語りが多くてびっくりした。自分より上の人に辛い話を聞いてもらうのっていいよなぁ…。
0255文字
りんご
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読書会課題本のため再再読 それにしてもシガーは、、、
0255文字
りんご
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映画を観た後の再読。情景を思い浮かべながら読みました
0255文字
緋莢
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<車を血で汚してもらいたくなかったんだ、と彼は言った。>保安官補をいともたやすく殺害し、その車を利用し、目をつけた車の運転手を殺し、車を奪う男・シガー。彼は、麻薬密売人同士の殺し合いが発生した現場から持ち去られた金の行方を追っていて…2007年に扶桑社から刊行された 『血と暴力の国』を再文庫化したもの(再文庫化に際し、タイトルは原題と同じになっています)お気に入りに登録された感想に興味を惹かれて、手に取りました。<犯罪小説の形をしたブラックホールなのである>(続く
緋莢

解説を書いている佐藤究の文章が帯に掲載されていますが、本当その通りで、硬質な文章で書かれる 暴力は、読者を容易に真っ暗な世界へと引きずりこんでいきます。自分は、その凄まじさに圧倒され、数度、いや2ケタレベルで 読まないと、その真髄を理解出来ないだろうなぁ、と感じました。佐藤究も魅了された映画「ノーカントリー」も 気になりますが、この内容を映像で…となると、観るのに相当気合い入れないと駄目だろうなぁ…

08/15 17:33
0255文字
りんご
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解説にはノワール小説と書いてあったけど、それだけでは割り切れない。コーク・マッカーシーはアメリカ純文学の巨匠ということだが、題名の解釈からして難しい
0255文字
りら
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やたら映画的。映画もみたけど、本より面白かった。人生ってこんなもんかな。とは思ったけど、命が軽く扱われてた。
0255文字
syota
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【第110回ガーディアン必読小説1000冊チャレンジ】参加。舞台は米国とメキシコの国境地帯。麻薬と金をめぐる壮絶な殺戮が続き、当事者も、巻き込まれた人間も、無関係な人間までもがあっけなく殺されてしまう。倫理観や良識、正義感など一切通用しない。その修羅場に立つ猛者たちの中でも、なんの感情も見せず蚊や蝿を叩き潰すように平然と人を殺し続けるシガーは、最も特異で印象的な登場人物だろう。不気味さとなんとも言えない違和感を漂わせ、常人とはまったく異なる思考回路で行動する。血と暴力の申し子のような存在だ。→
syota

→この国も昔はこんなじゃなかった。敗北感と無力感に肩を落とすベテラン保安官ベルの姿に、「ノー・カントリー・フォー・オールドメン(年寄りが住む国じゃない)」という題名が二重写しになる。旧題『血と暴力の国』は分かりやすいタイトルだが、ただのノワール小説に見えてしまうのが難だ。倫理観や良識が崩壊した現在のアメリカ社会に対する嘆きを込めた原題、それをそのまま生かした今回のタイトルは、はるかに内容に即しているが、私のように英語に疎い者には分かりにくいのも事実。翻訳の難しさはこんなところにも伺える。[G1000]

07/14 20:37
0255文字
BlurMatsuo
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80年代のメキシコとアメリカの国境付近を舞台に、麻薬取引で撃ち合ったらしき現場で大金を手にした溶接工の帰還兵モスと、彼を追う殺し屋シガーの逃追走劇。さらに、二人が巻き起こす事件を追う保安官ベルによる一人語りが挟まれて物語は破滅へと向かう。なんと言ってもシガーの存在感が凄い。そして、マッカーシーの銃器に対する愛着とこだわりを感じられる。コーエン兄弟による映画は原作に忠実だったこともあり、映画を思い出しながら読めた。しかし、最後のベルの語りからこの作品の主題は、戦争とそれによって歪んだ父権性にあると思った。
0255文字
Purple89
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正に血と暴力ばかり目に入ってくる昨今、どうにもならない思いが腹の内で煮詰まっているけれど、今作は「なんなんだろなこの世の中、やんなっちゃうよな」という語り口のままこっちの思いを代弁してくれる。それに何か癒しのようなものを感じました。マッカーシーの文体も勿論、黒川先生の訳が素晴らしい。『ブラッドメリディアン』はこの間挫折しちゃったけど、これはすんなり読めた。映画も大好き。
0255文字
robauma
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映画が素晴らしかったが、原作も良かった。かなり忠実に作られていたのが分かる。 本と映画のイメージが一緒なのは珍しいし、凄い。 人の善性を信じたい主人公と必ずしもそうではない世界。 タイトルはやっぱりこれがふさわしい。
0255文字
KOHKI.M
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淡々と大惨事
0255文字
KEN
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名作映画【ノーカントリー】の原作。シガーの狂気、モスの逃亡、ベルの執念。映画を観たとき「不気味な世界だな…」と感じながら観たが、原作はもっと不気味だった。
0255文字
中海
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洗練された重みのある文章。。。わかっちゃいるんだが。どうにも自分とは相性が悪いようだ。多分四作くらい読んでいるのだが、毎回読後があんまりよくなかった。必要以上に暗い気がする。どうも自分はユーモアとか皮肉とかがないと読んでるのがしんどくなってくるようだ。
0255文字
こうすけ
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ブラッドメリディアン、ザ・ロード、と来て三作目。このクセのある文体に慣れたのか、現代ものだからなのか、今までで一番分かりやすく、かつ面白かった。マッカーシー脚本の映画『悪の法則』と同じく、もうこのシステムに関わった時点ですべてが避けようもなく襲いかかってきて、迎える結末を変えることはできない。無情というか、無常というか。映画よりもさらにアンチクライマックスな印象。ロード感もあり、芯が太く、僕が求めるアメリカ文学そのものでした。満足。
0255文字
kazi
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再読。初読の時は特異な文体と情報量の多さに混乱してあまり楽しめなかったが、今回じっくり読み込んで、凄まじい傑作だと感じました。あとがきで書かれている通りこの著者は純文学的な高尚な要素と、犯罪小説的な大衆ウケする要素をうまく両立させますよね。国境三部作と同様、この作品も“世界”みたいな大きなテーマを描いていると理解しました。あとがきの言葉を借りるが、世界は善良な人間の望むようにはできていない。一寸先は闇であり、勧善懲悪や因果応報は機能しない。そしてある種の人間はほかの人間に対してどんな残酷なことでもする。
nori

武骨な文体が尚更に胸を打ちます。ホント皆さんに読んで欲しい作品ですね

03/28 00:08
kazi

この文体が私にとっては慣れるまでなかなか厄介でマッカーシーの良さに気づくのに時間がかかった原因の一つです😅この作品おすすですよ。noriさんコメントありがとうございます。

03/28 05:14
4件のコメントを全て見る
0255文字
hitomi
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読友さんのレビューを読んで。メキシコ国境付近を舞台にした小説。マッカーシーの小説は初めて読みました。純文学でありながら本格的な犯罪小説で、ページをめくる手が止まりませんでした。麻薬密売人の殺戮現場に遭遇し大金を持って逃げるヴェトナム帰還兵のモス、事件の捜査を行う保安官ベル。無駄な描写がなく淡々と話が進むなか、殺し屋シガーの不気味さが際立ちます。そのシガーが行ったコイン投げのシーンがすごく印象的でした。読点がほとんどなく鍵括弧が使われない文体ですが、読みにくさは感じませんでした。翻訳者さん、お見事です。
0255文字
taku
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筋はわかりやすいが、伝わってくるものがマッカーシーらしい。シガーは狂気や不条理の象徴なんだろうか。道徳や倫理的善への諦めではなく、世界は元から狂気があって不条理で、結局良くも悪くもなっていないんだから今や未来を悲観しなくたっていい。そう言っているのかも。入り込みたいとは思わないけど眺めていたい、そんな世界観。モスと女の子やベルとロレッタ、本筋ではないところに置く温かさが印象的。そして、ベルの独白が要だろう。
0255文字
マリカ
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こんなに見せ場を外しまくってるのにおもしろいなんて。 肝心なところは描写されず、人生はあっけなく終わる。諸行無常な冷たさが心地いい。
0255文字
イシザル
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ベル保安官は、自責と後悔で仕事を続けるか苦悩する。 シガーは、自責も後悔もまく不条理な自然災害の様に「仕事」する。
0255文字
ギンテマリン
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「血と暴力の国」を含めると4、5回目くらいの再読。この世界の中では、人の生死はごく一部でしかないという悲観的なテーマがこの本では語られる。ベルは過去の過ちから「次こそは、次こそは!」と奮闘するが、思うようにいかない。映画では殺人鬼シガーの演技が強烈だったが、小説ではやっぱりベルの独白と後半の保安官を辞めるシーン、ロレッタとのやり取りが印象的だった。カーラ・ジーンの、「あたしが何かをちゃんと見通したことなんて(人生で)一度もなかった」ていうセリフも悲しかったな。人間にはこの世界は住みにくいぜ。
ギンテマリン

物語のテーマは確かに悲しいけれど、こんな素晴らしいものがまだまだ書けるという、人類の生命力の底知れ無さを、私は信じたい!

01/12 19:55
0255文字
ettyan えっちゃん
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これも面白かった。先日読んだ佐藤究が解説を書いていて、何かの符号を感じた。 とにかく人が死ぬ、殺されていく。現代アメリカのどうしようもない悪意と純粋な死は、虚しさとか、そういったレベルではなく、抑えた文体から虚無感を感じる。殺し屋シガーは清々しい感じさえする。全てを終わらせる彼は人間なのか。 次は、ブラッドメリディアンに行こうかな。 あ、映画を見た方がいいのかな
ettyan えっちゃん

コーマック・マッカーシーを続けて読んだら虚無な気持ちになってきたので、次はパラニュークを読もうかな

01/07 16:23
0255文字
しょうご
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旧題は「血と暴力の国」でこちらを読了していた。別書と勘違いしていたこともあり、少々ストック本としていたが、未読本もあり一旦クローズとする。
0255文字
sa
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ネタバレ淡々とした暴力と死の描写が非常に好みだった。 撃ちそうなときにノータイムで躊躇わず撃ってくれる男、シガー。全てが悪い方向に進んでいくのに読み味がさらっとしているのは筆者の書き方の癖か。好きです。
0255文字
しばた
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クライムサスペンス的に始まりながらもお約束には乗らず、過失や瑕疵があろうとなかろうと皆惨たらしく殺され、そして結末は雪の積もる森の細道の奥に消えていく。
0255文字
くさてる
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静謐な文体でつづられる暴力と死の世界に圧倒された。こえおどしではない、静かな絶望と虚無の結果としての暴力、死の天使のようなシガー。すごいものを読んでいるなという気持ちでとにかく読み進めずにいられなかった。純文学作家の書いた犯罪小説、というジャンルになるようだけど、人間のある種の核のようなものを突いた小説だと思う。傑作。
hitomi

くさてるさんのレビューがきっかけで、本書を読みました。読んで良かったです、ありがとうございました😊

02/23 17:37
くさてる

こんにちは。わたしの感想が読書のきっかけになったと知れてとても嬉しいです!ほんとうに傑作だと思います。こちらこそありがとうございました😊

02/25 15:21
0255文字
nori
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呟きの文体にやられた!ぶっきらぼうな呟きが頭から離れない! そうだ!遥か昔に読んだ『老人と海』の絶望感をこの作品にも感じさせられたのだ!       真っ直ぐだった溶接工が麻薬組織の抗争を目撃した。多額の現金を持ち去ろうとした。未来は絶たれた。悪から逃れる術は全て無くなった。保安官は管轄の郡の人々に限りない責任を負わなくてはならないと思う。戦争で体現した自責の念は消えないまま、ここで更に悪を抑える事が出来ないなら、又自責の念を持ち乍ら立ち去るしかないのか…この国では希望を未来に託す事も出来ないのか…
0255文字
mameta_vista
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★★★★☆
0255文字
ぼっせぃー
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コイントスは様々なコンテンツで、山場としてスパイスとして登場するが、シガーがガソリンスタンドの店主と交わすやり取りはダントツかもしれん。『おれは死ぬべきだったのに死ななかった。もう一度あそこに戻りたいという気持ちはおれの中で消えたことがない。でももう戻れないんです。人が自分自身の人生を盗んでしまうことがあるものだとは知りませんでしたよ。盗んだ人生なんて要するに泥棒が盗んだ品物と同じだけの値打ちしかないってことを知らなかった。おれはできる限りよく生きてきたつもりですがそれでもそれは自分の人生じゃなかった。』
0255文字
おかつ
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読点や会話のカギ括弧のない特徴的な文体だが、読みづらさはない。会話の掛け合いは個性的で、哲学的でもある。序盤は追う者追われる者の逃亡劇として純粋に楽しめる作品だが、終盤は抽象的な内容に変容し難解さが増していく。味わい深い作品ではある。
0255文字
masabi
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【あらすじ】モスは麻薬組織の大金を持ち逃げするが、殺し屋シガーが刺客として放たれる。【感想】善悪に関係なく人が死ぬ世界のなかでもシガーは異質で、さながら災害のように屍を積み上げていく。他者から見れば死神であっても、世界から見れば一人の人間に過ぎず不運に見舞われ手傷を負う。老ベル保安官の独白には国家批判と国家の一部として殺人を犯すことの代償がある。それに自覚的なのもシガーで、彼独自のルールによって人を殺すか見逃すかを決める。モスやベルが熟慮による選択によらず意図しない結果を引き受けざるを得なかった。
0255文字
椿
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迷路に置き去りにされたような読後感だった。それがお前の感想か?え?あなたは!シガーさん!?俺が誰かお前は確認したいのか?それがお前の感想なのか?いや感想は何かを選択すること、あるい選択しないことも一つの選択で、その選択は別の選択を連れてくるのがこの世界の真理で、僕たちみんなそんな世界の真理のなかでジタバタしている存在のような気がしました!あと大金入った書類鞄は絶対に拾いません!それがお前の感想か?なら俺が次に何をするか、お前がしなければならない選択がわかるはずだ、選べ、「ザロード」か「国境三部作」か?
0255文字
futomi
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コーエン兄弟監督の映画「ノーカントリー」の原作だ。2008年に日本で公開された映画は 私の中ではいまだに一位に輝いている。 書かれていうことも不可思議だけれど、描写、文体というのか、も不思議。 訳者あとがきも、解説も面白かった。
0255文字
ベル@bell-zou
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なにこれすごく格好いい。ソリッドな文章、逃げる男、追う男、それを辿る男。跡にはマーカーよろしく転がる死体。殺し屋シガーとガソリンスタンド店主の会話に脳内アラームが鳴り心拍数が上がる。自分だけがルール、金や欲では動かない人間ほど怖いものはない。戦場での悔いを町を守ることで贖いたかった保安官ベル。だが真には救われはしない。家族にも仕事にも、そして何よりこの国にも。諦めにも似た枯れた悲哀が物語に通底する。だからこそブレない殺し屋シガーの存在がギラリと異彩を放つのだろう。解説はテスカトリポカ佐藤究。面白かった。
0255文字
まんまるまる亭
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心理描写排除で書かれている。冒頭の情景描写のくだりは心理描写排除とは相性が悪く、寝落ちしそうになったが、バイオレンスな展開が始まるとこの乾いた文体が威力を発揮する。ハードボイルドかな?と思いながら読み進めたのだが、解説にはノーベル文学賞候補にも挙げられる文豪だと書いてあって、とても驚いた。シガーさんのキャラクター設定は「アントン・シガー……殺人者」だけで話が進むが、日本のキャラクター商売を知っていると不思議な感じがする。作品の最後のあたりは理由は分からないが、胸にグッとくるものがあった。
0255文字
じーーーな
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『ブラッド・メリディアン』もそうだったけれど、善人が報われることもなく、誰もが無常に死んでいくシビアな世界観の小説。実直な保安官であるベルが抱える、麻薬が蔓延り退廃していくアメリカへの虚無感のイメージと、暴力的で凄惨な描写が重なりなかなか味わい難い小説の楽しみを味わうことができる。というかとにかく文章が上手すぎて読点や鍵括弧を用いない独特のリズムにずるずると引き込まれていく。映画の『ノーカントリー』は観たことないのよね。どこかの機会で観たいけれど優先順位が……。
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