形式:単行本
出版社:早川書房
著者はナンに読者へ説得を試みるのだ。さらに「この物語はわたしのもの。わたしには歴史への忠誠心などない」とすら言ってのける。ただし、この開き直りが本作のドラマを独創的にさせているのは間違いない。失踪事件のフィクションで言えば、一番記憶に残るのは映画『アガサ 愛の失踪事件』だろう。儚くも美しいアガサをヴァネッサ・レッドグレイヴが演じていた。読了後に久しぶりに映画を観直してみたのだが、著者がこの映画に少なからず影響を受けたかもしれないと思える気付きがあった(とはいえ、両作の趣きはまったく違う)。(つづく)
ちなみに同じ題材を扱った両作だが、俺は映画のほうが断然好きだ。
⇒すべての要素がカチッとハマって、見事回収されてしまうあたりは、巧くできすぎているようにもおもえ、全体として、ややとっ散らかった印象になってしまったのが惜しい。謎は謎のまま、そっとしておいたほうがいいのかもしれない。
フィンバル……。
最大限に活かした作品だった。 訳者解説で作者が一番好きなクリスティー作品を読んで、「はいはいはいはい!」と大はしゃぎで納得。 ですよね!!!!! 私が個人的にとても好きなタイプのミステリーだった。 好き!!
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