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作家の仕事部屋 (中公文庫 ラ 3-1)

感想・レビュー
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紫羊
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1979年刊行、2023年文庫版で復刊という息の長い本。1970年代に活躍していたフランスの作家たちが、自らの執筆スタイルや仕事論を語るインタビュー集なのだが、その錚々たるラインナップに驚かされる。ロラン・バルト、ル・クレジオ、レヴィ=ストロース、フランソワーズ・サガンなど25人、皆揃って少々鼻持ちならない。当時のヨーロッパはまだまだ階級社会で、「百年の孤独」文庫化が社会現象になり品切れになるほど売れる日本とは、随分状況が違っていたのだろう。
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gu
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読書猿の記事で有名なレヴィ=ストロースの手法と、その小説版といった感じのフランソワーズ・マリ=ジョレス、それから、文章は書いてみるまでわからない自律性を持ったものであることを繰り返し語るマックス・ガロの話が参考になった。70年代フランス文壇らしいというのか回りくどい言い方ばかりするめんどくせえ奴が多いな…という印象はある。頭でっかちでテクストと性愛を結びつけたがる、みたいな。
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種蔵珪也
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私の原則は、読者が本を買いに本屋に行くだけで、それがすでに苦労なのだということです。ですから、そのうえ読むのに苦労するとなれば、それは作品が駄目だということなんです。読者には一種の快適さを与えなければならない。彼が求めているのは、読書の楽しみなんです。ですから読者に対しては正直かつ誠実でなければなりません。読者を夢中にさせる術を知ってさえいればいいんです。(p92-93)ギ・デ・カール
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パトラッシュ
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作家の書斎の造り、用いる文房具や原稿用紙、執筆の時間などについて調べた本は日本にもある。そこで感じたのと同じくフランスの文学者や哲学者も、それぞれが最も書くのがはかどるやり方を身につけている。まさに十人十色であり、長く孤独な文章を書く作業を可能な限り快適に行える環境を整えようとしたのだ。今から見れば特に大げさに取り上げるべき話でもないが、フランス文学が世界の模範であった1970年代だからこそ、かの国の創作秘話が求められたのだろう。間違いなく言えるのは、書くことに憑かれた人間の業があらわれていることなのだ。
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緋莢
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図書館本。<結局いつも私はインクを詰めたなつかしい万年筆に戻ってしまいます。本質的なのは、万年筆を使えば、私の絶対に固執するあの柔い書体が得られるということです>(ロラン・バルト)、<書くこと、それは自分を忘れようとすることなんです。>(フランソワーズ・サガン) 「あなたは仕事の方法をおもちですか。あるとすればどんな方法ですか」という共通の設問から始まる作家へのインタビューをまとめた本(続く
緋莢

中には、<私のほうから逆に質問したいことがあります――あなたは誰に質問してるんです?私は曖昧な存在でしてね。ジャック・ローランとセシル・サン=ローランでは仕事の方法が違うんです>と言い出す、ジャック・ローランみたいな人も。<書物の一部は、まさに犬の散歩のあいだ、私の頭のなかにできあがるのです。逆に私がものを書いていることになっている時、特に夜の十時から真夜中までは、実を言うと、煙草を喫ったり、原稿をぱらぱらめくってみたり、(中略)多いのです>と回答しているミシェル・レリスが印象的でした。

05/11 17:15
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uchiyama
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バルトの名前があったので買ってみたのですが、見事にみんな(でもないか、ル・クレジオ生きてるな)お亡くなりで、インタビュー内容は(読んだことない作家も多いですが)想定内というのか、特にどうということもないですが、経年に耐えるようにはできてない本を、人なり文化なりが死に絶えたあとに読む殺伐とした感じがあり、結局全部読んでしまいました。
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でろり~ん
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ひと昔、ふた昔、いやもっと前のフランス文壇、ですねえ。回りくどい言い回しの、なんだかヤなやつが多かった感想でしたが、すんなりまともなことを言っている作家もいました。フランス語ってそもそもが理屈っぽいのかもなあって、改めて思っちゃった一冊でした。なんで半世紀も経って文庫本にしたんでしょかねえ。なんでそれを買っちゃったんでしょかねえ。読んじゃったんでしょうかねえ。不思議。
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小寅
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タイトルにひかれて読んだ。随分、古くに書かれていて、知らない作家ばかり。どの作家も容易く作品を書いているわけではないことはわかる。読んだことのない作家ばかりだから、この作品が、こんな風に出来上がったんだって思えるのはなかったけれど、何かを生み出す、作り出すことの大変さは少しは理解できたかなぁ。
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ふわねこ
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フランスの小説家に文章を書くときの環境、必要な儀式などについてインタビューした本。なんとロラン・バルト、レヴィ・ストロースへのインタビューもある。しかしまったく参考にならない、というかおのおの自分なりの儀式をもって書く、ということはよくわかった。
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百草丸
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たとえば、煙草の神話が文化の彼方を目ざす進歩をあらわすように思わせるある細部が、蜜蜂の神話が自然への後退をあらわすように思わせる他の細部の正反対であることを発見するのに、私はどういう過程を辿るのでしょうか?それはちょうとトランプの独り占いのようです。つまり最初は偶然に支配される配り札を、あるいは印によって、あるいは色によって、あるいは数の多い順に並べ直すのです。P.201
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オフィス助け舟
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作家や哲学者、思想家25人に対して、共通の質問「あなたは仕事の方法をおもちですか? あるとすればどんな方法ですか?」を投げかけることで始まるインタビュー集。皆さん、のっけから返事がカッコいい。「もちろんです」と回答する人もいれば「仕事の方法など持ちようがありません」という人も。「仕事のやり方はいくつかあると言いたい」と提案する人も。いちばんカッコいいのはエレーヌ・シクスー「方法——それは私にとって何の意味もない言葉です。そんなものはありえないのです。なぜなら私の仕事は愛の関係に似たなにかなのですから。」
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東雲
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「あなたは仕事の方法をおもちですか? あるとすればどんな方法ですか?」二十五人の小説家・評論家・エッセイストの証言。文筆を生業にしている人の共通点が見つかるかと思って手に取ったのだが。想像を絶するほどに多種多様で、誰一人として同じ方法論を持っている人はいなかった。例えばジャック・ローラン(セシル・サン=ローラン)は名義によって書き方すら異なると語る。意味が分からない。ただ一つ言えることは、自身にとって書き続けるための環境を見つけることが重要なのだ。お気に入りの文房具でも、思いつく時間でも、書く場所でも。
東雲

かく言う私はセシル・サン=ローランタイプでした。「書き出すまえ、数限りない細部を知るために、図書館で孤独な仕事をしなければなりません」「登場人物の名前もいい加減に選ぶわけではありません(中略)必要とあれば、固有名詞の語源辞典を引いてみます」創作者同士であなたは誰タイプ?とやるのも面白いかもしれない。

10/26 20:46
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masabi
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【概要】小説家以外も含めて作家にインタビューし、創作の手法や向き合い方に焦点を当てた一冊。【感想】「天才たちの日課」の先駆けとも言える本で、各人の創作に対するスタンスの違いや楽しみ、あるいは書くことの産みの苦しみを詳らかにしている。手書きかタイプライターかという時代を感じる回答もあれば、どうしても筆が止まる、逆に止まらなくて短縮するのが大変だなど書くことにまつわる普遍的なものもある。書けないことをどうにかしようと、各々がルーティンなり儀礼なりを駆使しているのが印象的だ。
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ねこ
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海外の一流の作家25人の作品(小説など書籍)の作り方や方法を具体的にどこで、いつ、どのようにして?と著者がインタビュー形式で行ったものをフランスの新聞ル•モンドに掲載されたものの日本語版。作家さんの作品の作り方や心情は千差万別。想像力が1番大事な能力と言われる方が居る一方、私は想像力に欠いている、あちこちから自分の気に入ったものを集め自分の巣に溜め込み作品にすると仰る方もいる。…きっと読書も千差万別。私は読んで手書きで書いて、最後にこうしてSNSに上げる。みんなそれぞれスタイルがあっていいんだよって感じた
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sigeru
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フランスの名だたる作家にインタビューを行っている。どれひとつとして同じスタイルはない。また、モノを書く、という行為に対して考えさせられる。
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Kano Ts
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作家の書くことに関するエッセイ集。全員がなんらかの強いポリシーのようなモノを持っていたことが窺える(「ポリシーがないのがポリシー」ということも含め。)また、書くことに取り憑かれている人もいれば、仕事として淡々と取り組んでいる人もいたり。一日中書きつづける人もいれば、一日2時間くらいしか書かない人もいたり。同じ「書く」という行為で名を上げた人でも全く向き合い方が違うことを改めて思い知らされる。大袈裟に言えば人間の多様さに驚かされます。
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