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アメリカン・マスターピース 準古典篇 (柴田元幸翻訳叢書)

感想・レビュー
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Washoe Takumi
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〝世界がまだ若かった始めのころ、世にはたくさんの思いがあったが、真理というものはひとつもなかった。人間が自分でいろんな真理を作り上げ、それぞれの真理はたくさんの漠然とした思いから成る複合物だった。世界中に真理があって、それらはどれも美しかった〟(シャーウッド・アンダーソン「グロテスクなものたちの書」)
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キムチ
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時間を追って柴田氏が選書した秀作、純古典篇。ノーベル賞作家ヘミングウェイ、フォークナーとサローヤン、ウーリッチ、フィッツジェラルド、オルグレンら・・本邦初翻訳も入っている垂涎モノ12作。20C前半といや戦争の世紀であり、頭上を戦闘機が飛び交い、恐慌の影響もあった時間。アメリカの昏い空気。また、南北戦争後半世紀を経ても尚アフリカンアメリカンが受けていた残逆さは色濃かったと感じる。現代から100年前でしかないのに、作品の情景は惨さすら覚えるセピア色。特筆は「ハーレムの書」最も読み辛かった中身。さもあらん→
キムチ

原文は旧約聖書が書かれた当時の言葉、それを日本語しかも歴史的仮名遣いに翻訳。流石の柴田氏、空気感迄の再現には舌を巻く。「ローマ熱」これもさっと読むと意味不明~再読 再開した2人は幼馴染、一人の男性について語り合う・・が推して当然。微妙に食い違うひんやり感、シニカルな言葉が絶妙「納屋を焼く」1行目からフォークナー舞台の幕あけ・・延々と続く長文、サートリス♪延々と続く道をなかなか走れない馬のあり様を表して「淡い色のリボンが恐ろしく緩慢に・・」少ししか齧っていないが、この作家の何もかも別格。「広場でのパーティ」

03/03 10:35
キムチ

アフリカから連れ出された黒人らが米で受けた処遇の極みが一部綴られる・・眼を覆いたくなる惨さ‥あといかほどの時間、終結に繋がるのに要るのだろうか。「分署長・・」作品の舞台から推して翻訳し辛い作品の最高ではと感じる。メンタルをやられたような連中が自己弁護、保身のためにわめき散らす。その状況はシュールの頂点かと。ここでも柴田氏は現場を見ていない日本人が解るように言葉を選び、空気の再現を成し遂げている・・脱帽!

03/03 10:39
0255文字
M H
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この版元から出ている柴田さん訳は結構読んでるかも。目を惹く装丁に違わぬ内容。脳にスルッと入る訳文に身を任せてあっという間に読了、しそうだったけどフォークナーわかんない(泣)わかんなすぎてwikiでちょっと理解。我が家に眠る「ポータブル・フォークナー」どうしようね。超有名作家が多いせいかあとがき解説は簡潔。特に良かったのはアンダーソン、ヘミングウェイ、ウォートン、ウールリッチ、オルグレン。つまり良すぎる。
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世都セレナ
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「ハーレムの書」が面白かったです。あと「心が高地にある男」が好き。
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ぐるぐる244
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再読
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あい
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新聞で「夢のなかで責任がはじまる」の書評を読んで図書館で借りた。 とにかくフォークナー。初めて読んだ。重たい!泥臭い世界。フィッツジェラルドやシュワルツと全然違う。ガルシアマルケスが影響を受けたと聞いて納得。
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tokko
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アメリカン・マスターピース古典編に続いての準古典編。さらに準古典編も二分されるということなので、柴田さんのこだわりようが見てとれる。ということは面白くないわけがない。「ハーレムの書」はもともと作品の持っている力なのか柴田さんの名訳のおかげか、笑いなしには読めない。同じように「分署長は悪い夢を見る」も漫才の掛け合いを見ているようで笑える。「何度も歩いた道」も「読んでいる」というよりかは「見ている」という感じ。なんとなくアメリカの20世紀初頭の消費文化の形成が垣間見える。
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sekiyai
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なんというか、読みやすい話ではないと思う。(わかりやすい話もありますが。)じっくり読むとか、なんども読むとか、じっくりなんども読む、みたいな話じゃないかと思います。しかし、どこでも子どもは大変ですよね。
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篠突く雨
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心が高地にある男、夢の中で責任がはじまる、三時が好きだった。短編なので気が向いたら読み返しやすいのがいい。邦訳がほぼないような際物を攻めすぎた気がするので次はもっと有名どころを読んでいきたい。
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りお
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めちゃめちゃいい短編集だった アメリカ文学のそこにある感じを体感できた
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mi2
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名の知れた作家から聞いたことの無いレアな作家まで収められていてかっこいいオバニズム版みたいな本でした。ローマ熱、三時、納屋を焼くがよかった
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やご
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以前読んだ『アメリカン・マスターピース 古典篇』の続編です。『古典篇』は2013年に出ていて、本書は去年。10年かかったのですね。「編訳者あとがき」によればアメリカ小説の中でも「編訳者が長年愛読し、かつほとんどの場合は世に名作の誉れ高い作品」を集めた短篇集です。1919年から1947年までに発表された12篇を収録。(続く)→ https://gok.0j0.jp/nissi/1505.htm
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まこみや
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英語翻訳の第一人者が“準古典”として何を選ぶのだろうという興味から手に取った。以下、掲載順に一言感想を記す。1序:グロテスクへようこそ、2不条理な他者、3荘重軽薄なパロディ、4一矢による反転、5限りなき逸脱、6夢の中で見る夢、7外界の侵蝕、8重厚晦渋な世界、9夢の跡、10自虐的な排除、11交叉する他者、12断片化された混乱。『準古典』に選ばれた20世紀前半の米小説を大雑把に概観すれば、19世紀までの小説では客観的で確固としてあった他者(外界)が曖昧で不条理なものへと変容していく過程と言えるのかも知れない。
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2525.com
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古典篇に続く2作目。編訳者お気に入りを集めたアンソロジー。訳も読みやすく、装丁のブーツの格好良さに惹かれ、図書館でジャケ借。有名な作家さん達の短編集なので、気になる作家さんの本は読んでみようと思います!印象的な作は、ヘミングウェイ「インディアン村」、フォークナー「納屋を焼く」、フィッツジェラルド「失われた十年」、ラルフ・エリスン「広場でのパーティ」、ユードラ・ウェルティ「何度も歩いた道」昔も今もヒトの心の性は良くも悪くも変わらない。何度でも繰り返すのね。当たり前のように。
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チャンドラー
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ネタバレ1919年から1947年のアメリカの短編小説。コーネル・ウールリッチ「三時」浮気妻を殺そうとした男の意外な顛末に驚く。ラルフ・エリスン「広場でのパーティ」など今より人種差別が激しい時代のアメリカを多く感じさせる。ヘミングウェイ「インディアン村」、ネルソン・オルグレン「分署長は悪い夢を見る」、イーディス・ウォートン「ローマ熱」も印象に残る。
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勇魚
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★★★★☆柴田元幸翻訳&編集の短編12編。正直手強いものも多く振り返りつつ読み、時間がかかったが満足感が大きい読書だった。印象的だったものヘミングウェイ「インディアン村」淡々とした描写、確かにこれは画期的な文体化も。ジョージ叔父さんどうした⁈ハーストン「ハーレムの書」文語調と思いきや途端にスラングになったりして最初混乱したが旧約聖書の文章を使ってるなんてクール&読者の知性が試される&これを翻訳したのすごすぎ。ウォートン「ローマ熱」最初は人物が分かりづらいけど内容の練度はすごい。ラストで読者を唸らせる。(続
勇魚

続き)これが一番今の読者にも面白さがわかる作品かもね。シュウォーツ「夢の中で責任が始まる」現実と夢が入り乱れる不思議な世界で手塚治虫に漫画化してもらうとすごく面白い気がする。フォークナー「納屋を焼く」この家族は苦労するな・・父さんなぜこんな人物なのか。あと高価な絨毯を洗うのは信頼置ける人に頼まないとあかんて。エリスン「広場でのパーティ」これは問題作・・怖い(泣)これは当時発表できないのわかる。他の作品もどれも一筋縄ではいかない感じでじっくり読んだ。黒人がメインの作品が多い印象。

11/04 17:22
勇魚

翻訳者あとがきもじっくり読む。ヘミングウェイについて「抽象語を排し、目に見えるものを尊重して他人の内面に安易に立ち入らない、『膨らませる』よりも『削ぎ落とす』ことを旨とするその小説作法」は後世に大きな影響を与えた、とあって刮目する。長編も読んでみたい。そしてわかりやすい面白い作品では得られない栄養があるなと今回手強い1冊を読んで感じた。大変だけど手強いむつかしい作品も読んでいきたい。

11/04 17:26
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yszk
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ネタバレ柴田元幸氏が、1919~1947年のアメリカ作家の短編を「準古典」として訳したもの。心覚えをいくつか。 アンダーソン『グロテスクなものたちの書』(1919):初読みの作家。老作家が抱え込み、思い浮かべる諸々のイメージが素敵だった。 ヘミングウェイ『インディアン村』(1924):これは何度か目にしたことが。終わり近くのあの転換で今回もぎょっとする。 ハーストン『ハーレムの書』(1927):作者は黒人女性民俗学者・作家とのこと。初読み。とても面白いけど、聖書の知識がないと味わいきれない感じ。
yszk

フォークナー『納屋を焼く』(1939):きっと原文が難解だから訳注が多い^^;黒人奴隷よりもみすぼらしい白人小作人。ラストで地の文で父の出征の理由が明らかにされ、息子の気持ちとは違っていることがわかるのが残酷で良かった。

11/02 17:36
yszk

エリスン『広場でのパーティ』(1930年代後半):『見えない人間』で有名な黒人作家の未発表作品。黒人がリンチでガソリンで焼き殺されるのを白人少年が見ている。ものすごく恐ろしい描写と、結局貧乏白人たちのガス抜きにはならず、黒人の反抗心も消えはしない雰囲気が漂い始める時代だというのが伝わってくる。 オルグレン『分署長は悪い夢を見る』(1947):チンピラ一杯地域の分署長の正に悪夢の勤務時間。

11/02 17:36
3件のコメントを全て見る
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御庭番
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柴田先生の翻訳なので。 準古典扁意外もあるということなので全部読みたい。 今回はじめて読む作家もいたが、ほとんどは後ろの解説を見れば、あの人かぁ!となるような有名な作家ばかり。これを入り口にしてたくさん読んでいきたい。紹介してくれてほんとに感謝。 【図書館で借りました】
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りんご
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図書館で見つけて借りてきたもの。これの前作の古典編も読みたくなった。
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くさてる
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マスターピースというだけあって名作ばかりが収録されているのだろうけど、そのぶん敷居の高さも感じたかな……。既読だけどウォートン「ローマ熱」が大好きです。ウールリッチ「三時」も素晴らしい。初読でいちばん良かったのは、孫のために薬を取りに行く老女を描いたウェルティ「何度も歩いた道」でした。
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Qfwfq
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★五つ!!
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すなぴー
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最近は柴田さんが訳した小説ならおもしろいんだろうということで、ほとんど直感で選んで海外文学を読んでいるけど、やっぱりおもしろい。聞いたことある作家はフォークナー、フィッツジェラルド、ヘミングウェイくらいで、有名な作家の作品をつまみ食いできていいなと思みはじめたけど、知らなかった作家の小説がとてもよかったりするのが楽しい。題材も内容もバラエティに富んでいるから、一冊の感想にするのは難しいけど、どれもよかった。
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ネコベス
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ネタバレ1919年から1947年に発表されたアメリカの名作短編12篇を収めたアンソロジー。ヘミングウェイやフォークナー、フィッツジェラルド等著名な大物作家の作品も収録している。あらゆるアンソロジーに顔を出す常連作で、有閑マダムの追憶から始まり最後に放つ一言が鋭く突き刺さる名品イーディス・ウォートンの「ローマ熱」と不貞を働く妻を殺害しようと企む夫が思わぬ苦境に陥るサスペンス小説コーネル・ウールリッチの「三時」が良かった。
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たー
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柴田元幸のマスターピースシリーズ。過去に読んだことがあったのはヘミングウェイだけだが、さすがの名作揃い。戦後編も楽しみ。
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キャラウェイ
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マスターピースと銘打たれているとおり、凡作はひとつとして含まれていない。
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pontering
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"一人の人間がひとつの真理を自分一人のものにして、自分の真理と呼び、それに従って人生を生きようとしはじめたとたん、人間はグロテスクになり、抱く真理も嘘になるというのだった” シャーウッド・アンダーソン『グロテスクなものたちの書』
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buchipanda3
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柴田さん編訳の米文学アンソロジー。今回は20世紀前半の短篇を収録。ヘミングウェイやフォークナーなどお馴染みの作家も初読みの作家もいて、文体もテーマも様々で面白く読めた。あえて共通なのは人間の姿だろうか。冒頭の「グロテスクなものたちの書」の人間をグロテスクにしたのは自分のものとした真理というのがどの篇も当てはまるように思えた。グロテスクもバラエティに富むが。既読(別訳あり)の「インディアン村」「ローマ熱」「納屋を焼く」はやはり良い。他ではサローヤンとウェルティ、ハーストンが好き。これら作家の他作品も読むぞ。
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北風
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私の好きな柴田元幸翻訳叢書の、準古典編。前回のイギリスのマスターピースはそこまで刺さらなかったのだけれど、今回は見事的中。趣味が合う。最初は短い作品が多いが、衝撃的なものも多い。イソップのオマージュと子供に食料を調達させる話、女二人の過去の恋愛でのマウントの取り合いなど、秀逸。かと思えば、3時などはハラハラさせられるスリリングなミステリ仕立て。選んだ作品群が準古典一冊に収まらないので、次回は戦後編だとか。やっぱりヘミングウェイはまた入っているのだろうか? こちらも楽しみ。
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Hotspur
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『古典篇』に続き、『準古典篇』は20世紀前半の作品から選ばれている。収録された12本の内、読んだことがあるのは5本のみであるだけでなく、全く知らなかった作家も3人(ゾラ・ニール・ハーストン、デルモア・シュウォーツ、ネルソン・オルグレン)入っている。今作は柴田先生の考え方、読み方が相当色濃く反映されたセレクトになっているように思われる。コーネル・ウーリッチの作品(本篇中最も長い)が収録されているのが意表を突いていて、そして楽しい。
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まさ☆( ^ω^ )♬
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古典篇に続く本書。第三弾は戦後篇になるとの事で楽しみです。名作短編を一気に読める良書だと思います。 イーディス・ウォートン「ローマ熱」、コーネル・ウールリッチ「三時」、ウィリアム・フォークナー「納屋を焼く」、ユードラ・ウェルティ「何度も歩いた道」、ネルソン・オルグレン「分署長は悪い夢を見る」が特に良かった。このシリーズはお気に入りになりました。ちょいちょい読み返そうと思います。
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アメリカン・マスターピース 準古典篇 (柴田元幸翻訳叢書)評価65感想・レビュー30