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実存主義者のカフェにて――自由と存在とアプリコットカクテルを

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ドリー
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圧倒的に濃密な実存主義の栄枯盛衰を描き、詩的であり伝記でもある物語。実存主義が興隆した第二次世界大戦前後。資本主義や共産主義を巡る動乱。こんな時代に生きて思索をした哲学者。サルトル、ボーヴォワール、ハイデッガーを軸に読み解いていく。彼らの人間関係、思想による対立。互いに影響を及ぼし自らの哲学を作り上げていく。ハイデッガーのナチスへの加担、サルトルの共産主義への傾倒。輝かしい哲学者の仮面が崩れ落ちてしまうこともある。それでも、彼らが経験し目の当たりにした世界の片鱗を私たちも体験することができる。
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shitakuya
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ネタバレサルトル、ハイデッカー…名前は聞いたことあるけど、どんな時代にどんな人生を生きてきたのか、そしてその時代の哲学者たちとどんな交友関係や葛藤があったのか、哲学をまた別の視点から知ることができて、不思議な読み応えがある。 哲学者も人である、という当たり前のことを、また第二次世界大戦の生々しさとともに、胸にくるものがある。
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isbm
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★★★☆
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disnoX
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○。長い。図書館で借りて一気に読みに行ったので、後半は疲れてきて目が滑っちゃってた。内容は現象学からの実存主義を、主要な哲学者の伝記も交えながらの縦走。厚い本だが伝記に割かれた部分も多いので、ずっと難しいわけではない。さすがに思想を解説する部分は簡単にはいかないけど。良いのは伝記がセットになっているため、哲学者の人間らしい生活ぶりも同時に描かれていて、当然だらしない部分もある。そのため過剰な神聖視を防げるのと、そもそもその思想がどんな時代で、誰との対話の中で生まれたのかを概観できる点かなと思った。
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manabukimoto
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二十世紀、考えることを専門にする人たちが、世界を、人間を、どのように考えてきたのか? フッサール、サルトル、ハイデッガー、メルロ=ポンティ、カミュ…。世界大戦を挟んで、混沌の世界を生きる哲学者たちの、思考の共鳴と反射と衝突と革新。 ネットなき時代、知を求めて人が集うのが興味深い。フッサールがいたフライブルグ。人口十万人、大学や大聖堂があり、知識人の街、現象学の都。大学都市という概念を初めて知る。 SNSで馬鹿でも「多様な」言説が垂れ流される現代と比較すると、哲学という道標がある時代のなんと豊かなこと!
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meiji
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直接的な実存主義の説明ではなく、その時代を駆け抜けたハイデガー、サルトル、ボーヴォワール、メルロ=ポンティなどがどう考え、生きてきたかを伝記、物語のように描かれた本です。自由とは、みたいな。
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MrO
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長大。しかし、途中からこの長大さが、数々の実存主義者といっしょに時間の旅をしているように思えてくる。読み終えてから最初のページに戻ると、自分の人生を振り返るような懐かしさが込み上げてくる。
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hirom
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面白かった。一気読み。こんな長大な作品を読む力がまだあったのか。自分も現象学に導かれて仕事をモノにしてきた事を思い出した。過去と本書に感謝。
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Shingo  Yamaguchi
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現象学から実存主義への影響、その二大巨頭ハイデッガーとサルトルを軸に数多くの哲学者·小説家·劇作家·俳優·歌手たちが、動乱のヨーロッパを中心に語り、考え、仲違いした群像劇。作者は現代の混沌さの中で、忘れられた実存主義者たちを再訪してみようと、大群像評伝を作り上げてみせた。思想は勿論、強烈な個性を持つ哲学者たちの逸話を魅力的に紡ぎながら、彼らの思想の輪郭をも平易に説明してみせる筆さばきは見事。伊藤整が『日本文壇史』で達成した「優れた群像評伝はそのまま大河ロマンになる」という法則は生きていた! 愛すべき一冊。
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バッシー
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実存主義者たちの伝記?になるのかな。哲学者の交遊関係や実生活での細かいやりとりをみていくと、人間的なところが見えて面白い。難しい概念だけを扱った哲学書だったら読めなかったと思う。「もちろん思想は興味深いものだが、その人自信のほうが圧倒的におもしろい」とはまさにその通りと思った。
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YASU
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これはたんなる哲学者たちの茶飲み話ではない。政治的暴力と絶滅戦争、冷戦と大衆反乱に明け暮れた20世紀の渦中での、哲学者たちそれぞれの煩悶と苦悩が語られている。個人の自由が哲学の俎上に上がった時代、現象学が生まれ実存主義が成立した。それはやがて波に洗われる砂のように消え去っていったのかもしれないが、担った哲学者たちは今なお強烈な光を放つ。むしろネット化が進み個人の自由や尊厳が揺らぐ現代社会こそ、実存の意味があらためて問われているのかもしれない。そんな必然を担って生まれた著作だと思う。
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takao
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ふむ
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素敵帽子ちゃん。
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難解かと思いきやわかりやすく、次の読書の参考となるヒントもたくさん散りばめられていた。実存主義、おもしろい!もっと勉強したい。
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merci
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ネタバレ激動の時代を生きた現象学から実存主義までの哲学者たちについて、思想を紹介し影響や関わりなど人間模様を描いている。中心となるのがサルトルとハイデッガー。著者が哲学に興味を持つきっかけ、あるいは博士号取得を目指すなど、思い入れがあるのだろう。ハイデッガーといえば、師匠のフッサールよりも、なぜニーチェを敬愛したのか。ハイデッガーにとって古代ギリシャは故郷とあり合点がいった。アーレントはある評論でハイデッガーをタレスになぞらえている。群像の逸話により個々の生き生きとした人間性がうかがえた。カフェという設定が秀逸。
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おたま
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最近になって実存主義がまた注目されてきているという。この本では、主として現象学、存在論、実存主義という第二次世界大戦前から戦後にかけて起こってきた哲学的潮流の主要な哲学者たちの、それぞれの主張とともに人間的な交流が描かれている。登場してくるのは、中心にはハイデッガーとサルトルが置かれているが、その関連で、フッサール、ヤスパース、アーレント、レヴィナス、ボーヴォワール、メルロ=ポンティ、カミュ等々、錚々たる人々であり、織りなされていく人間関係。その人間的な関係は、彼らの思想も含めて大変興味深い。
おたま

単行本で500ページを超す大作ではあるが、哲学者たちの人間ドラマは大河小説のようでもあり、引きずり込まれるようにして読んでしまう。特にハイデッガーとその恩師に当たるフッサールとの関係は、ハイデッガーがナチスに接近し、フッサールがユダヤ人であったことから袂を分かっていく様子は哀切である。また戦後には、そのフッサールやハイデッガーの教えを受けたサルトルやボーヴォワールが中心となって、実存主義者及びその同調者たちが雑誌『レ・タン・モデルヌ(現代)』を中核に生き生きと活躍し始める様子が描かれる。

05/01 10:29
おたま

サルトルもまた、カミュやメルロ=ポンティとは、その政治的な意見の相違で分かれていくことになるが、彼らが亡くなったときのサルトルの追悼文は、昔日の友情に思いを馳せる胸を打つものだった。この著作では、特にボーヴォワールが『第二の性』でフエミニズム(だけでなく、人間関係論)に与えた大きな影響、それとメルロ=ポンティを「知的ヒーロー」と捉えている点に興味をもった。彼らの著書や関連した本を読みたくなる。この本は、そうした思想家たちの人間ドラマとしても優れているが、実存哲学(者)入門としても相応しいと思う。

05/01 10:37
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