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イルカと否定神学――対話ごときでなぜ回復が起こるのか (シリーズケアをひらく)

感想・レビュー
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takao
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ふむ
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ILBooks
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ネタバレオープンダイアローグは複数人による対話によって精神疾患を治療するフィンランド発祥の治療法である。筆者はなぜ対話で病気が治るのかを説明しようとする。ベイトソンの学習理論ⅡからⅢへ移行させるにはどうすればよいか。言語(対話)を介入させる事によって固定化した考えに揺さぶりをかけ、ゴールを目指さずプロセスを常に志向する事が治療につながっているのではないか、という仮説を立てる。言語、身体を介する事で否定神学的なアプローチが可能になると。
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Kchan
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オープンダイアログについての本。精神疾患への治療法としてのオープンダイアログについての言語学、学習プロセスの観点などメタ的な視点で著者の思想をまとめていく。ベイトソンの学習プロセスを紐解きながら述べられているが、ベイトソンの原著について読みたくなった。
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Takuji Izumisawa
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丁寧かつ難しい。知識の下地が必要。目的や制限のない対話発話によって、偶発的に快方のきっかけが得られるという話だと無理やり解釈した。全体的に対子どもの向き合いに援用できる話だと思った。バルト「皇居は否定神学」←かっこいい。中井「(洗礼を受けた理由)便利だから」←かっこいい。中井「脳の影が精神であり、精神の影が脳である」←影のモチーフが良い。「理性主義と神秘主義はともに現実を立体的にみるために欠かせない。二つの目で見ることで立体的に見える」「理性の最終的な拠り所は非合理」好きです。ポリフォニー(多声性)。
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★★utaaaaaaaako★★
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うん? タイトルに興味をもち読み始めましたが、 あれ?となりましたが、 かなり興味深い! 考えさせられました。
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ころこ
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数年前にオープンダイアローグといいはじめ、今までの精神分析が家父長的、抑圧的、構造的でモノローグという批判に突然の宗旨替えに驚いた。いい感じの言葉が並び、時代の追い風に乗った物言いに釈然としない感想を持った。本書は精神分析とオープンダイアローグを理論的につなげ、現在取り組んでいることは今までの仕事の延長にあり、それまでの問題点を克服していることを証明する本だ。第1節で精神分析の代表である否定神学を、第2節で構造に代わってプロセスを、第3章では言語のみでなく身体性のある言語を、そして第4節で著者の理論が展開
ころこ

される。否定神学とは否定でしか表現できないことを言い、通常、否定神学の状況は否定的な意味合いで論じられる。ところが本書では、共有しないことを共有する。伝わらないことを伝える。治療を意図しないことで治療する。目指すべき目標を空白にしておく。など逆説的で、これらに勝つのではなく、負けない戦略のことを意味する。そもそも「心」という概念が直接いい当てられるよりも「心の痛み」のような身体の隠喩でしか語れないことに示されている。ということで身体性が論じられ、否定神学を補強する形でコンテクスト(プロセス)が論じられる。

02/14 15:46
0255文字
ずー
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"治療的な出会いとは、「人間としての同胞性への信頼」と、「他者としての異質性の尊重」がともに成立しつづけるような関係性を設定するところからはじまる"という記述があり、逆にいうと、普通の日本社会では、「以心伝心でわかりあえる」or「話したところで通じないから無駄、縁を切ったり攻撃するしかない」しかないからうまくいってないんだと思った。あと、ネトウヨ化した親にどう接したらいいのか問題に通じそうな記述も一部あった。「間違った認識を正しい情報で改めよう」という態度はうまくいかないんだろうということはわかった。
0255文字
Yasunori Hosokawa
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へぇー、という読後感。対話という誰もが日常に体験している事象には、実は袋小路にはまった人間心理を開放する効果があり、その理由をラカン、バフチン、ベイトソンの理論などを援用して解き明かしていく。正直自分にはベイトソンのコンテクスト、バフチンのポリフォニーによるこの事象の説明は理解できたのですが、否定神学性というものがどうしてそこに必要なのか、きちんと分かってません。固定化したコンテクストにメスを入れるのは言語の力によるしかないが、しかし一方で言語の一貫性の追求は治療を妨げる、ということなのか。
Yasunori Hosokawa

全体としてなるほどそうか、という感じで面白かったですし、長い臨床経験の裏付けを持った上でラカンをはじめとする各種理論を横断するところは著者ならではかと思います。ただ、この本は理論的解説をしたものであり、本文中に出てくる「コンテクストへの揺さぶり」をこの本で体験することはできません。一方本文で何度も言及される、著者が帰依する中井久夫氏の著作は読むものを揺さぶる力があるわけですが、この違いは単にこの本がそういう性質だからだけなのか、中井久夫氏が文体というものを持っているからなのか。

01/26 15:30
Yasunori Hosokawa

あと、柄谷行人の交換様式の話が突如出てきて、そこで交換様式Dはオープンダイアローグである、みたいなこと書いてますが、それはちょっとどうなんでしょう(笑)。でも対話というものの価値と深い意味をこれほど面白く解説したものは無いと思います。自分は著者の作品はこれが初めてでしたが、他の本、特に専門のひきこもり関係の著作も読んでみたいと思います。

01/26 15:30
5件のコメントを全て見る
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しゅんぺい(笑)
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むずいことは確認できた。オープンダイアローグや対話にはすごく興味があるので、いつか読み下せるようになりたい。まずは中井久夫なんかねぇ。
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きゅー
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正直、理解が追いつかなかった。そもそも本書の中心概念である「否定神学」が把握できない。著者によれば否定神学とは、中心部が欠損しているものとして心をイメージして、その欠損ゆえに心が成り立っているというモデルとのこと。これだけでもハテナなのだが、次から次へと難解な概念や定義が持ち出される。しかもこの否定神学は帰納法、演繹法と同様に思考の論理形式としても利用できるという。様々な哲学用語を牽強付会で否定神学とオープンダイアログにつなげているような箇所も見受けられるが、それも私の知識不足によるのだろう。
0255文字
heaven of 20
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本書はオープンダイアローグと否定神学(無意識など定義できず簡単に語れない鍵語で神を語る)の関係性について検討する。脳ーコンテクスト(動物にもある)と心ー自然言語(人間のみ)という2つのOSがヒトにはあることを踏まえ、そこで高次の学習を行うことでコンテクストがひたすら強化される状況からの回復が統合失調症の患者にプロセスとして生じることがオープンダイアローグにより可能になることを論じている。印象的なのは治療的出会いは人間としての同胞性への信頼と他者としての異質性の尊重があるところに生じるということ。難しい本。
0255文字
huchang
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素っ頓狂なタイトルだが、内容はまともで濃い。何の前準備もなしにこのタイトルと著者に惹かれて読み始めることはないと思うが、中動態やオープンダイアローグの概要を理解しているよという構えはあった方がおもしろい。あと、イルカみはない。イルカのコミュニケーションを扱ったベイトソンもネタ元になっているので、いつになるか全く分からないがベイトソンもやっつけておこうと思った2025年始めの目標と言うか感想というか。メーター内のゆるい付き合いではございますが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
0255文字
Nobuhiko  Obara
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勉強会の課題図書として読了。 複数人によるオープンな対話環境が精神病を患う人の治療を促すのは、自身の持つ学習≒ジョウシキを他者の目線で見直すきっかけができる、対話の方が、医者による解釈や指摘、アドバイスよりも本人の認識を主体的にリフレーミングする機会を得やすいから、とふわっと理解しました。中動態、否定神学といった言葉や概念がさらっと読んだだけでは人に説明できるほどうまく理解できてない。勉強会での対話を通じて実感を重ねていきたいと思います。それにしても斎藤環さんはとても面白い。
0255文字
ばんだねいっぺい
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~というわけでオープンダイアローグはいいよということ。何派かに関わらず、一戦級の人の本を読むと近いような心構えや技法があったような気がする。理論的に体系化されると、より多くの人が実践できるので、このような本が書かれて広く読まれることは、とても大切なことだ。
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きくまる
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入院中に一日70頁と決めてわしわしと読み切った。オープンダイアローグの提唱者である斎藤環先生の本。「対話ごときでなぜ回復がおこるのか」という章から始まり、これまでの哲学者、精神科医の論説をさらいながら、言語という否定神学的構造、不完全な要素をもつものだからゆえ、当事者に閉じ込められた思考から開かれた思考につながり、それゆえに自分自身に問い、考え主体を取り戻していくことを助ける・・・というまとめがあっているかどうかわからないが、読後、自分自身がいかに結果を求める構図の世界で生きているかを実感。猛省。
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美鈴
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課題本。 否定神学、という概念。知れて良かった。コンテクストは咀嚼出来ず。 (追記:『なぜ愛』で言う心の穴、と捉えると納得) ただ、オープンダイアローグと精神分析を無理矢理こじつけようとしている感もあり。 ヤギの絵文字は日本語で言う”草””大草原”だなw(←これも)
0255文字
べ
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因果律の外へ「これらの言葉が、見かけ上はニュートラルでも因果思考を強めてしまっているという指摘は重要で、むしろ私たちは「なぜ、どうして」を禁欲することで、問いを豊かにできるのかもしれません」(97)「因果と動機を問う言葉を控え、過程と背景を問う言葉を用いる。「なぜそれをしたのですか?」ではなく「どんなふうにそれが起きたのですか?」など」(98) 言語は矛盾する両者を同時に成立させる「他者を「何をするかわからない恐ろしい存在」とみなすのも、「見かけは異なっていても自分と同じ存在」とみなすのも、どちらも想像力
べ

言語という「嘘」の効用「学習Ⅱに留まって言語化されていなかった欲望やトラウマが、言語化によって除反応、すなわち治癒に向かいうるのは、言語化されざる「真理」が、言語化によって虚構化されるため、という意味があるはずです」...(230)

02/03 09:55
べ

ダブルスタンダードであることの意義「そもそもオープンダイアローグを病院で、専門家が実践することにも、こうした「ダブスタ」は見てとれます。対話実践は治癒や回復をゴールとしないといいつつも、病院という場所、専門家の機能のなかに、治癒や回復というゴールがあらかじめ含まれている。もちろんそのことは、患者も知っています。そうである以上、対話実践は「ゴールは目指していないという体で」なされることになります」(247)

02/03 09:56
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0255文字
mori-ful
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面白かった。ベイトソンの援用でラカンを読み変える試み。 https://jisuinigate.hatenablog.com/entry/2024/10/20/213347
0255文字
Dolphin and Lemon
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めっちゃ難しかった。とりあえずオープンダイアローグについてまず初歩から勉強して出なおします。 ただ、15章とかあとがきでその難しさ分かりにくさについても解説された気がする。オープンダイアローグは「なぜ」効くのかみたいなものだと思って読もうとしちゃダメで、「どのような過程で」効いているのかを語っている。そして、自然科学的になぜを問おうとしようとしてもそもそもうまくいかないかず、それが私にとって難しいと感じる要因だったと思う。 もう一回、出なおします笑 逆に、それくらいしても読みたいと思う素晴らしい一冊です。
0255文字
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