形式:ライトノベル
出版社:KADOKAWA
形式:Kindle版ライトノベル
上位存在たる精霊の中で異質な存在として闘技大会に出場するリオ。女性が優位性を持つ精霊の特性故に女装しながら精霊と渡り合う彼が英雄への一歩を踏み出す話でした。終末物とはまた違いますが、人間が奴隷のような扱いを受ける世界でもがく人間主人公という構図は先のジャンルと似た魅力を感じました。また、徹底した世界観の作り込みに異なる種族が多く登場する設定と、ファンタジー作品としては満点の舞台が整っている所も好印象でした。 ただ、少しずつ気になる部分もあったのかなと。例えば、一度は敗北したオーガ・オルガニアとの再戦の→
流れとその結末。とある事情から半ば暴走じみた彼女の行動でしたが、それにしてもリオ達に対する処遇がお粗末すぎました。そして迎える再決戦。結局リオの持つ特異性みたいなものがまだ殆ど解明されていない為、オルガニアの消滅という結末は少し突然感を感じてしまいます。他にも虐げられる人間の反攻としても少々残酷な描写が描かれていたり、リオとディアの関係性がそこまで掘り下げられずに彼女への高すぎる忠誠心を見せるリオの姿への違和感だったりと、少々感情移入が難しい…というか混乱してしまう作品ではありました。
結局主人公に呪いをかけた「竜」とはなんだったのか、メチャクチャいる精霊たちの対立軸、せっかく身分を変える女装(しかも人間と違い、異種族は女性上位の社会)という設定があまり活かされなかったり、と気に入った設定を使った展開が薄かったのは残念。 あと表紙の凝ったデザインに比べると、挿絵が物足りない気持ちもある。光ってほしいなと思える巨大な原石だからこそ、次巻以降の更なる磨きに期待したい。(2/2)
ブログ感想→https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2024/12/04/225801
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