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Timothy
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映画『教皇選挙』がそれはもう面白かったので、駆け込むようにして原作も読む。新教皇が決まるまで投票を続けるコンクラーヴェ、その数日間にクローズアップした教会政治スリラー。閉鎖的なセッティングで基本的にシスティーナ礼拝堂と宿舎の往復のみ、投票の描写も反復的なのに、むしろ変奏のたびに緊迫感が増していく佳作。映画を観た後でなければこうスムーズには入り込めなかっただろうし、邦訳が出なかったのも不思議ではないが。読みやすい英語でテンポも良く、ロバート・ハリスの他の作品を読んでみたくなった。
Timothy

2016年の作(映画は2024年)。主人公らリベラル陣営が慕う名無しの先代は、宮殿ではなくサンタ・マルタ館に暮らすなどフランシスコ(在位2013~)を思わせる。あくまでスリラーであり、信仰の深みを扱うような内容ではないが、単なる「祭服を着た男たちの権力闘争」にせず、規模も影響も巨大な教会という組織が自らの目指す方向性を定めようとする営みを真摯に描いていると感じた。粛々とした空気に包まれたスリルの濁流に揉まれた後、読後も胸に静かな葛藤が残る「問う」作品。

04/09 01:56
0255文字
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