形式:単行本
出版社:フィルムアート社
■ステラ・アドラーとニーチェの演劇論の比較■ステラ・アドラーは形式と伝統を重視する。ディオニュソスを否定的に論じ、抑制とコントロールを祝福するものとしてアポロンを肯定的なものとする。一方、ニーチェはディオニュソス的なものとアポロン的なもののバランスからギリシャ悲劇を論じ、ディオニュソス的なものを肯定的に捉えた。■両者で類似した考えもある。アドラーもニーチェもどちらも弱さやルサンチマンを否定し、力や権力を肯定する。アドラーは軍人的精神、貴族的精神を力・権力を表すものとして肯定的に見る。
■理想の自分を他者として脚本を書く。その脚本を読み解き、演じる。アドラーの教えにしたがって。理想の自分なら、どのように感じ考え行動するのかイメージする。そして、そのように行動してみる。■演じていると思えば、肩の力を少し抜いて行動を変えることもできそうだ。そんな言い訳を携えながら、どうすれば別の自分になれるのかと思って演技について考えようと本を探した。そうでもしないと、なかなか思うように動くことができないから。気付けばいつもと同じように話し、行動し、感じ、後で反省することを繰り返すから。
あと、全編通して現代アメリカの軽薄さを堕落だと説いていて、ちゃんとした服を着て、背筋を伸ばそうかなという気にさせられる。しかし、原書は2000年出版だが、ステラ・アドラーは1992年に亡くなっていて、批判されている現代はいつ頃なのだろうか。
① 舞台への第一歩 ②あなたが知っている世界より演劇は大きい ③見ることから全てが始まる ④演技者としての筋肉を作る ⑤イマジネーションを豊かにする ⑥劇の世界を自分のものに ⑦身体と声のコントロールを身につける ⑧アクションを学ぶ-「喋る」から「議論する」へ ⑨アクションを実行する-単純な動作から ⑩アクションを豊かに-さらに深く、もっと大きく
11)行動に理由付けを (12)アクションを複雑化 (13)アクションにサイズを与える (14)テキストを理解する (15)人物の性質を掴む (16)役に合わせた衣装をつける (17)人物のリズムをつかむ (18)俳優は精神の貴族である (19)衣装にリアリティを持たせる (20)俳優は戦士である (21)スタニスラフスキイと新しいリアリズム (22)人物の階級を演技に反映させる
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